リハビリ・サイクリングの経過
もろもろの事情があって、ここ10年ぐらいはあまり自転車に乗っていなかった。特に最近数年は、余暇の多くをキャンプやバード・ウォッチングに費やしてきたこともあり、ほとんどサイクリングらしいサイクリングをしていなかったのである。
もちろんそのあいだに体はすっかりなまってしまった。二階に仕事場があって、一日30回以上は十数段の階段を上り降りしているので、最低限の脚力は維持できていたというものの、自転車は下半身だけで乗るものでもない。
また乗れるようになりたいと思ったのは2023年の春で、4月に仲間と市内のスローサイクリングをやった。このときはロイヤルノートンの700Cスポルティフ(文末に用語解説あり)に跨り、30kmほどを走った。
しかしたった30km走っただけで、尻は痛いわ、上半身はガタガタになるわで、筋肉痛がとれるまで数日かかったように思う。
その次に少しはそれらしく乗ったのは、11月になってからで、夏のあいだは猛暑であったこともあり、全然乗らなかった。このサイクリングは、noteにも書いた「甲府UFOポタリング」であった。自転車は7月に先輩から頂戴したBSモールトン。
フラットバー仕様なのでポジションも楽で、これなら楽だなと思っていたところ、後半になってやっぱりまた尻が痛くなってきた。イテテ。甲府盆地の郊外を走って、同行のT君の車をデポした甲斐上野駅のところまで戻る帰り道は、正直けっこうつらかった。信号で停車してサドルから尻を外すとほっとしたくらいであった。これがリハビリサイクリングの2回目で、距離は前回と同じ約30km。
3回目は、年明けの1月初旬。新年会を兼ねた市内の「古墳ポタリングとノンアル新年会」で、距離は25km程度であったように思う。このときはわずかながら坂も上り、走行そのものは時間的にも比較的短いものであったから、尻が痛くなることはほとんどなかった。自転車はBSモールトンであった。
4回目でようやく少しサイクリングらしいサイクリングをすることになった。4月中旬に走った「東海道旧道スローサイクリング」である。使用機材はケルビムのランドナーで、坂はたいしてなかったものの、トータルで約50kmは走った。このときは尻はあまり痛くならなかったけれど、走行の最後の頃は連続的なペダリングができず、数回クランクを回しては休み、半ば惰性で走っている始末であった。同行者はT君であった。
そんでもって5回目が、4/28(日)に走った「芝川白糸スローサイクリング」である。このときのコース設定は、比較的緩やかな傾斜の地形の中を、出発点から標高の高いほうへと向かい、適当なところで方向を転じて、あとは下って出発地点へ戻るというカーサイクリングであった。
距離は18km程度に過ぎなかったが、T君の装着していたスマートウォッチによると、獲得標高差は470mに達していた。体感的には250mぐらい登っただけだろうと思っていたのだが。自転車はBSモールトンであった。
この5回目のサイクリングで、ゆっくりならなんとか坂も登れるようだと思い、6回目は登坂の負荷の高いコースにしようと考えた。
それで、きのう5/26に静岡市にある丘陵、「日本平」を清水区側から登ってきたのである。地元のローディには有名なコースで、ごくふつうの脚力で20分前後、早い人で15分、かなり早い人で12分、全国区のレースで優勝を狙える人なら10分といわれる4kmほどのヒルクライムコースである。
もちろんもとよりタイムを気にするような走りができるわけもなく、「なんとか自転車を降りずに山頂まで登りたい」というレベルで走り始めた次第である。同行のT君は、ぶっといタイヤのファットバイク。私はロイヤルノートンのスポルティフ。ちょうどいいハンディがあり、二人してじわじわと登ってゆく。
途中、速いローディがささっと抜いてゆくのはまあ想定内の事象であったが、バックミラーを付けているT君が「白鳥さん、ランナーが来ます」と言ったのには驚いた。一体どっち側を譲ればいいんだと一瞬考えてしまった。しかし俊足のランナー氏はすたこらと右側を抜いていったのであった。
そんなこんなで山頂に達したのは、登り始めて40分後くらい。たぶん時速6km程度で登っていたのであろう。獲得標高差は270mくらいであったはずだ。距離は前後のアプローチも含めて22km程度。
というわけで、きょうは下半身より上半身のほうが筋肉痛なのである。主に広背筋が痛い。ヒルクライムでも上半身をよく使うのだということが身に染みて分かったのであった。
次回は6月に入ってからになろうが、獲得標高差400、距離50kmくらいのサイクリングをやりたいと思っている。63歳という年齢で再びサイクリングができるようなところまで体力を持って行くことができるかどうか分からなかったが、まあスローサイクリングならなんとかなるようだ。
最終的には往時のように、獲得標高差500m以上、距離100kmぐらいを目標にしたい。
※スポルティフ=ツーリング自転車の一種で、同じツーリング車であるランドナーよりも細いタイヤを履き、平均運用速度が少し高い。快走型の旅行用自転車である。