
本栖湖キャンプに行ってきた
久しぶりに本栖湖キャンプ場で2泊してきた。連休も最後の3日間でそれほど混んではいないのではないかという、友人S氏の見方に期待をかけた。
画像のテントはS氏のスノーピーク。うちは小型のキャンピングカー(画面右奥)で参加。
しかしいつも出るのが遅い。その日になってから支度を始めるので、たいがい出発するのは夕方くらいになってしまう。
5/6(金)の昼過ぎにS氏と連絡をとり「キャンプ場はガラガラ」というリポートに「しめた!」と思い、18時頃に出発したまでは良かったが、車中でかみさんと話をしているうちに、新東名の新富士インターで降りるのを忘れてしまった。
次のインターで特別転回を申請してUターンすることも考えたが、それも面倒くさいので、そのまま御殿場インターまで進み、あとは国道と山中湖経由で本栖湖を目指すことになった。
山中湖畔のコンビニ駐車場で弁当を食べながらS氏にさらに遅くなる旨を連絡したら、さすがに呆れられた(笑)。
結局、本栖湖キャンプ場に到着したのは22時頃。数年ぶりの再会なのだが、いつも facebook でやりとりしているのでそういう感じがしない。
朝が早かったS氏ご夫妻はそのままテントの中に撤収し、われわれもキャンピングカーの中で寝る支度をする。中型以上のキャンピングカーのようなわけにはいかないので、狭い車内で寝る支度をするのはけっこう四苦八苦なのだ。
今まではかみさんと私以外に、ニャンコのミミオが同行してくれていた。今回は彼を送ってから最初のキャンプ(車中泊)だ。ニャンコのトイレも今回は携帯していなし、もちろん彼もいないのだが、二人を乗せた車内は相変わらず手狭で、体をよじりながらあれこれ準備する。
ミミオはいないが、彼の思い出につながるものをかみさんは持ってきていて、「いつも一緒」を体現してくれていた。
翌朝5/7(土)は5時に起床。S氏が持ってきてくれた新鮮でたっぷりなイチゴとプチトマトと、われわれが持参したバゲットのトーストとオイルサーディンで朝食。S氏がソルトとブラックペッパーを提供してくれたので、風味が一層増した。
のんびりとキャンプ場の朝を愉しみながら、声をたよりに鳥見。双眼鏡の見え具合を互いに確かめながら、鳴き声に聞き耳を立てる。S氏のニコンはさすがに新緑がきれいだった。色収差が少ないのだろう。
ドラミングの音が聞こえたと思ったら、アカゲラがすぐそばのアカマツの幹に来て止まったのには感激だった。昔、肉眼で見たことはあるが、双眼鏡の視野に入れたのは初めてだ。そのあとも、ヤマガラらしき鳥影を見た。
午前中に散歩に出掛けたS氏ご夫妻によると、湖面にはライズがあちこちで見られたようで、午後にはフライフィッシングの道具を組み立てようと気合が入る。
昼で撤収して神奈川に帰るS氏を見送ったあと、われわれはパスタを茹でてランチ。バゲットも少々焼いた。
14時半を回った頃に、私一人で湖岸に出る。風は南。ライズリングは見当たらないが、シンキングラインでストリーマーを引く気にもならないので、エルクヘア・カディスを投げる。16時半頃までやったが反応がないため、キャンプに戻った。
暗くなる前にSOTOのカセットガスランタンを取り出し、点火。さいわい、マントルは破れていなかった。
その晩のメシは、スパム(ランチョンミート)とミックスビーンズの炒めもの。メスキットのフライパンを使って焼いた。ご飯はスノーピークのトレック900で2合炊いた。
翌朝の5/8(日)も白み始めた頃に目が覚めたので、そのまま起床。標高約900mはほとんど山の上だから、涼しいを通り越して寒いくらい。私は厚めのシャツにフリースとコートを着た。
朝食はバゲットのトーストとコンビーフ缶。今日びのコンビーフ缶はパッケージが簡単なものになったので、以前のようにゼンマイを巻くように開けるスリリングな作業はなくなってしまった(笑)。
昼前に撤収。今回は駐車位置を変えなかった。日中は直射日光が当たるとけっこう車内の温度が上がるため、ミミオと一緒のときには比較的ひんぱんに日陰を求めて車の位置を微調整したことがあった。それも今では思い出になってしまった(涙)。
本栖湖キャンプ場から出発して、国道139号に入ったら大渋滞。富士芝桜への右折車の後ろに延々と連なっている。そこを脱出するのに30分あまり。道の駅朝霧高原で昼食にする。
多少時間調整するために車内で休憩していたが、周囲を飛び交う鳥はツバメとスズメだけ。スズメなど、2m先でこぼれ落ちた何かを拾って食べているくらいなので、その度胸に呆れる。
そのあと、田貫湖を目指した。県道にそれて湖を目指すが、え、こんなに細い道だったっけ、と今更ながらに思う。その道は変化していないのだが、回りに広い道が増えたのだった。考えてみれば、バス釣りのためにひんぱんに田貫湖を訪れていたときから30年あまり経っているのだった。
田貫湖では南西に駐車して、少しだけフライを投げたあと、鳥見にチェンジ。かみさんと一緒に双眼鏡を持って歩いたら、いるわいるわ、野鳥の宝庫である。
双眼鏡を使う必要もない目と鼻の先に、コゲラとシジュウカラが現れたのは本当に驚いた。警戒心がないのではと思ってしまったくらいだ。
なかなか姿を見ることのできないウグイスの鳥影が梢を行くのも見ることができた。ヒヨドリくらいの大きさの鳥がつがいらしきペアで遊歩道の上を歩ているのだが、初めて見る鳥で、どの系統かさっぱりわからない。あとで調べてみたらガビチョウだということがわかった。もともとは外来種だったのが野生化したものらしい。
田貫湖からの帰路は再び139号に出て、降りそこなった新東名新富士インターから西方を目指す。さいわい、夕食予定地のネオパサ清水も混雑はそれほどではなく、スムースに駐車できた。
ここで「すた丼」を食べて、今回のプログラムはほぼ終了。旨かった。2泊3日でずいぶんと歩いて、車内であれこれと体をよじっていたせいか、家に到着する頃にはヘロヘロ。腰が痛くて階段を上るのがやっとだった。そのまま倒れ込むようにしてベッドに横になり、爆睡。
荷物を下ろして車を車庫に入れたのは今朝、5/9(月)の早朝となってしまった。しかしまあ、ありがたくも無事に帰って来れて良かった。
今回のキャンプでは、野外今昔物語とでも言うべきか、過日と現在の対比がまったく印象的であった。昔は空いていた浩庵キャンプ場や麓っぱらキャンプ場は、まるで新興住宅地のような混み具合。
それに比べたら、かつて連休は混雑でごった返していた田貫湖はほとんど静寂そのもの。ラージマウスバスの密度もずいぶんと減ったようで、昔日の面影はない。
物事は変化する。30年も経つと本当にそう思う。このキャンプブームだって、いつまで続くかわからないのだ。
自分も変わった。相変わらずフライタックルを持って出掛けるとはいうものの、眺めるだけで満足できるバードウォッチングが愉しめるようになった。
魚とコンタクトしないと成果が出ないフライフィッシングよりも、ある意味ずっと気楽に愉しめる。
物事は変化する。そういうものであることが、生きていると否が応でも了解される。
いいなと思ったら応援しよう!
