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貯木場の消滅

昔あった「貯木場」というもの。今は消えた。かつて輸入された木材が一面に浮かんでいた水面には、現在は何も浮かべられてはいない。

のっぺりと、何もない水面が広がっている。風景というものは、変われば変わるものなのだ。

自分が中学生の頃は、その浮かべられた丸太の上を渡って行って釣りをするような、かなり危なっかしい遊びをやっていた。材木と材木の間に落っこちると、下手をすれば二度と上がってこれないのだ。

そんなことも今ではやりようがない。なにしろ、湾にはもう一本の材木も浮かべられてはいないのだ。

聞くところによると、木材の生産工場が現地に移り、製材作業や合板の製造などは生産地で行うようになったからだと。

貯木場から木材が消えていったのと同じくして、港の周囲の製材工場や合板工場も消えていった。

埋め立てられた貯木場や廃業した木材関係の工場の跡地には、ショッピングモールや郊外型の店舗ができた。土地はたくさんあったのだ。

貯木場や製材工場などというものも、昭和の風景の一つであったのだろう。

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