謹呈の栞の署名
昨日、亡くなった友人が一章を書いた(共著)本を書架に見つけ、その部分を読もうかと思ってページを開いた。
すると、「謹呈」の栞が挟まっているのに気付いた。頂戴した本なのだ。そしてその栞には、友人本人の署名があった。万年筆のインクで。
絶句した。
本は、アメリカ文学における動物表象を扱ったもので、いずれの章も論文が基調だが、特に友人の書いた章は完成度が高い労作であった。
久しぶりにアメリカのネイチャーライティングを代表する、ソローやロペスの訳文を読んだ。もちろん友人の訳で。
本を読むと、どれくらい故人がエネルギーを傾けてそれを書いていたかがよくわかる。朗読するとなおのことである。
春らしい春はもうそこまで来ている。
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