星見にはまっている
どこかへしまい込んだと思っていた星座早見盤が出てきた。1987年製のものだから、おおかた90年頃に購入したのではないかと思う。
その頃、星見に夢中になっていたという記憶がない。双眼鏡はいちおう持っていたので、道具はあったのだが、星のよく見えるところまで車でわざわざ出掛けたというような記憶がない。
昨年夏に双眼鏡のことが気になりだして以来、なのだ。しかし冬の間は別のことが気になっていて、星を見上げることはなかった。また見始めたのは最近のことである。
ここのところの収穫は以下のような感じ。初心者だから、内容は知れているけどね。
●北斗七星の柄から2番目の星、ミザールの重星であるアルコルを確認。
●月の南極付近にあるティコ・クレーターが立体的に見えた。
●ふたご座のカストルとポルックスの下のほうにある正体不明の星(星座早見盤に出ていない星)が火星であることがわかった。
●ぎょしゃ座のカペラを確認。
●こいぬ座のプロキオンを確認。
●アルコルを見ているときに、高速で東方に移動する光の点見ゆ。たぶん人工衛星。
とまあ、こんな程度で、ほとんど1等星以上の話なんだよね。
それでも、8×42の双眼鏡で見ると、1等星や2等星の周囲に、肉眼では見えていなかったより暗い星がたくさんあるのが分かる。これもなかなかにぞくぞくさせられるのだ。
宇宙はそれ自体が4次元であるという見方がある。数百万年前に発せられた別の銀河の光と、数十年前の近所の恒星の光、1.3秒前の月の光が同一空間上に共存しているからだ。そのこと自体、ひとつの奇跡のようにも思えてくる。
近代という時代は、双眼鏡やシュミットカメラや野辺山の電波望遠鏡のようなものを作り出したが、一方でそれは、毎晩頭上に広がる奇跡的な世界~そこには宇宙的な野生の匂いがする~を見出す道具にもなっている。
近代の終焉の時代には、もっともっと驚くべきことが知られるようになるだろう。