論文を見つけた

亡くなった友人が、1988年～1991年頃にかけて書いていた論文をネット上で何本か見つけることができた。もう30年あまり前の時代のものだ。

PDFファイルでダウンロードし、４本のうち２本を読んだ。少しも古びていない。もっと早くに読むべきであった。

一部では、私が書いたある小説のテーマに選んだものと同じものが語られていて、息を飲んだ。偶然と片付けるには出来過ぎている話であった。

このことを友人に伝えたことがあったかどうか、よく思い出せない。言っていなかった可能性が高いだろう。

友人の仕事を振り返ると、そこかしこに近代の矛盾との対峙が見て取れる。そのことは少しばかり私のテーマとも重なっていることもあり、身につまされる。切なくなるのである。