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【WH設定日記】『シェイドスパイア』編の巻
こんにちはワッキーです。
今回はいつものミニチュア紹介記事ではなく、私が大好きなウォーハンマー『エイジ・オブ・シグマー』(以下AoS)の派生ゲーム『アンダーワールド』(以下UW)の物語を紹介してみたいと思います。
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とにかくこのWHというゲームは世界観というか物語もはちゃめちゃボリューミーに作り込まれていて、世界、神々、種族、歴史、英雄等々の設定を読んでいるだけでも、私のような設定好きにはたまらないんですよね。とにかく設定が広く深く多く厚くで少し齧ったくらいじゃ全然把握し切れない。設定や物語だけでもとんでもないボリュームなワケで…
実際、ゲームやペイントは一切せずに物語だけ追い続けている趣味人もいるそうですし。
そんなWHの派生ゲームだけあって、もちろんUWにもゲームの背景となる陰鬱な物語や物騒な設定が存在します。
まぁゲームをするにあたっては知らなくても全然問題ないストーリーなのですが、せっかく遊ぶなら知っていた方がウォーバンドや戦場の解像度も上がるし、ナラティブ的なゲームへの没入度も上がるかも? と思いざっくりですが説明させていただきます。
と言っても私もスタートBOXのルールブックに書いてある設定くらいしか知らないので、昔から遊んでいる趣味人にとっては多分知ってることばかりです。サーセン(^^;;
でも最近UWを始めて過去の物語も知りたい‼︎という方には少しは役に立つかも?なので、良ければご覧ください。
『シェイドスパイア』
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UWの全ての物語はこの呪われた都市「シェイドスパイア」から始まりました。
シェイドスパイアとは死の領域〈シャイシュ〉にあった絢爛たる魔法都市で、かつては素晴らしい美しさと魔力を秘めたアーティファクトを生み出す巨大商業都市でもありました。
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元は小さな宿場町に過ぎなかったシェイドスパイアが大都市となったのは〈影硝子〉(シェイドグラス)と呼ばれる硝子のおかげで、この影硝子は魂を封じ込めることで魂を保存できる、つまりは擬似的な不死をもたらす性質を持っていたのです。
このことに気づいたシェイドスパイアの大魔導師や発明家からなる支配者集団〈カトフレイン〉は、死の際に自らの魂を影硝子に封じることで不死の存在となり、町の各地に設置した〈魂の鏡〉を通じて自らの知識を次の世代に伝えていきました。
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これによりシェイドスパイアは短期間で驚くべき発展を遂げ、巨大都市へ変貌を遂げていったワケです。
また不死の存在となったカトフレインたちは、さらに数世紀かけて影硝子の秘密を解き明かし、ついには街中の影硝子を結びつける魂の回廊の中枢〈聖辻(フェインウェイ)〉に入ることができる〈聖辻の鏡〉を作り出しました。
聖辻の謎を解明したおかげで、シェイドスパイアの住人は聖辻と魔力で繋がったブローチやアミュレットを使い、亡くなった人たちと再び語り合うことすら出来るようになりました。
しかし…生きとし生ける者の定めである「死」から逃れるようなことを冷酷無慈悲な不死王ナガッシュが許すはずもなく…超激怒したナガッシュはシェイドスパイアに大いなる罰を与えるべく、シェイドスパイアに呪いをかけ、光と影の領域の狭間に封じてしまいます。
さらにナガッシュはその魔力を使い、街に至る所に設置された影硝子の神秘的な力を歪めることで、シェイドスパイアから光と栄華を奪い去り、代わりに暗く醜く捻じ曲がった暗黒の〈映し身の都〉に変貌させてしまいます。
映し身の都となったシェイドスパイアからは、あらゆる色彩と生命が失われていき、後に残されたのは変わり続ける幻想と狂気に満ちた脱出不可能な迷宮のみとなりました。
ナガッシュはさらに聖辻の鏡を千の破片に砕き、魂の回廊を破壊することで、死者の魂すらもシェイドスパイアから逃れられないようします。
「死の安息も未来永劫与えない」
それがナガッシュがシェイドスパイアに課した罰でした。
死ぬことも許されず、朽ちていく肉体で生き続けなければならなくなったシェイドスパイアの民は狂気に堕ち、永遠の命を呪いながらひたすらナガッシュに許しを乞い続けましたが、ナガッシュの恩寵が与えられることはありませんでした。
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ナガッシュの呪いに囚われた後、カトフレイン達は「影硝子の遺物を集め砕かれた聖辻の鏡を復元することでナガッシュの呪いを打ち破ることが出来る」という仮説を立て、実行しようとします。
しかし鏡の中に囚われた存在である彼らには鏡の破片を集めることは叶わず、遺物の探索を命じるはずだった市民達も狂気に飲まれナガッシュの信奉者となってしまい、計画は数千年かけても遅々として進みませんでした。
一向に進まない計画に絶望し、ついにはカトフレインの中にも狂気に堕ちる者が現れ始めます。
僅かに残った正気を保った者達は、呪われた都市に迷い込んだ哀れな冒険者達に脱出の方法を伝え、彼らにシェイドスパイアの運命を託すのでした。
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ナガッシュの呪いによりシェイドスパイアは光と影の領域の狭間に映し身として囚われることとなりましたが、都市はシャイシュの〈骨の砂漠〉に残り続け、数千年かけて廃墟と化していきました。
廃墟となったシェイドスパイアは、長い間、砂漠の嵐に覆われた呪われた地として知られ、そこを訪れるのは呪われた都市の噂を聞きつけたごく少数の冒険者くらいでした。
そうした冒険者の大半は廃墟に点在する〈影の門〉を通じて映し身の都に迷い込み、そのまま呪いに囚われることとなりましたが、中には奇跡的に映し身の都から生還できた者達もいました。
そうした生還者からシェイドスパイアに眠る貴重な財宝や禁断の知識、呪われた鏡や悪夢のような幻影といった話が伝わるにつれ、諸領域からこの呪われた都市を目指す者達が増えていったのです。
ある者は都市を呪いから解放するため。
ある者は都市に眠る財宝を求めて。
ある者は更なる混沌と殺戮を求めて。
ある者は生者への憎悪に突き動かされて。
それぞれの目的のもと、ウォーバンド達は呪われた迷宮内に赴き、そこで死闘を繰り広げることとなるのです。
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以上がUW『シェイドスパイア』のストーリーとなります。
ちなみに…最終的にシェイドスパイアの呪いは解かれることとなるのですが、UWとは別の物語となるのでここでは割愛させていただきます。
本当は当記事でUW全てのストーリーを書く予定だったのですが、無駄に長くなってしまったため、今回はシェイドスパイアだけで終わりにします。
次回の『ナイトヴォールト』以降はもっと簡潔にパパっとまとめて紹介していく予定なので、よければお付き合いください。
それではまた。