垂直に落ちる滝

高みより

岩を砕かんばかりにその身を叩きつける流水

飛び散る飛沫に濡れ、天を睨み付ける岩

岩盤に眠る未熟な魂は 破壊の恐怖におののく

飛沫が声となり 押し寄せる

己を壊せ!

激突する流水が唸りをあげる

岩盤は割れ 丸裸の魂は炎天下の太陽にさらされる

朱色の血肉の魂は 一瞬にして赤黒く萎縮し

痛切な生の叫びをあげる

打ち破れ!

自己を破壊したい衝動に 身を任せろ!

何も望まなければ 何も失わない

何も傷つかないのであれば 盲目からは逃れられない

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