お寺の掲示板⑤あの日の悲しみさえ
あの日の悲しみさえ あの日の苦しみさえ
その全てを愛してた あなたとともに
米津玄師『Lemon』
みんな苦しい。
これが仏教の基本的な考え。イロハのイ。
生まれた瞬間から苦しい。
老いても苦しい、病気で苦しい、最後に死の苦しみが待っている。
そんな大袈裟な…私は毎日楽しく生きていますよ!
という人もいる。けど、本当に苦しい。
人生は思い通りにいかないことばかり。好きな人には振り向いてもらえない、嫌な上司は今日も会社にいるし、行きたい大学へ行けなかった過去もある。
麻布台で暮らしても、ニューヨークで暮らしている人には負けているような気になる。
他人の生活が羨ましい。人の幸せが憎い。自分を追い越すヤツが許せない。
妬み、嫉み、僻み、は決して人の心の中から消えない。
仕方がない。それが人間だもの。
ただ、仏教はずーっとこの状態であることをヨシ!としない。
他人の成功や失敗に心動かされ人生の限られた時間を消費していくことはやめて、人間を越えること。
これを仏教では【成仏】という。
「おれは人間をやめるぞ!」という石仮面を被ったDIOの気持ちに近いが、DIOは最強の神になると考え破滅を迎えた。
仏教では、お経を読んだり、写経したり、教えを理解し修行することで乗り越えられると考える。
それはハードルが高いな…と感じる方は、
まずは共に乗り越える人を見つけることから始めよう。
孤独は心の全てを虫食む毒薬だ。
2人なら喜びは倍に、苦しみは半分に。
3人、4人と増えていけば倍数は計り知れないものになる。
表題の米津玄師『Lemon』サビ部分の意味もこれに近いかもしれない。
米津は寄り添ってくれた人を「わたしの光」とまで唄っている。
隣にいる人やペットは仏様の使いかもしれない。
大切な人や動物を大事にしているのか。
画面を閉じて、その顔を見にいこう。
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