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お寺の掲示板①働くのが生きるためなら

働くのが生きるためなら 生きるのは何のため
ZONE THE DARKNESS『奮エテ眠レ』

【家賃は給料の3分の1】
東京で暮らしていたときに言われていた一つの目安。
逆に言えば、月の3分の1の労働は地主や金持ちのもとへいってしまう。
現代の小作人だな…と口座から毎月引き落とされる数字を眺めていたのを思い出す。

ZORNの『奮エテ眠レ』は20代のZORN(当時ZONE THE DARKNESS)がラッパーとしての成功を神に祈り、誓うようなリリックが満載の名曲だ。過酷な環境から少年院にまで入ったZORNにとって、自身の生まれてきた意味を証明することはアイデンティティの再構築において必要不可欠なものだったに違いない。

その一節にある表題。
「働くのが生きるためなら生きるのは何のため」
は現代を生きる全ての人々に刺さるリリックだろう。

NISAだイデコだと資産運用ばかりがフューチャーされ、小さい子供達が金勘定に必死になっている。その子供達は稼いだ金を何に使うのだろうか。

仏教では人間の欲望を煩悩(ぼんのう)と定義して諫めている。
小欲知足(しょうよくちそく)と言って、欲を少なくして足るを知ることが人間の幸せにとって重要という考え方だ。
二本しか手がないなら時計は何個もいらないし、便利で快適なことがベストではない。金を稼ぐために金を稼いでいるようでは幸せは手に入らない。

生きるのは何のため…模範の回答はいらないと売れる前のZORNは答えを出さないが、ラッパーとして成功したZORNは親や妻、子ども、友達のためだと自ら答え合わせをしていると思う。

神や仏を信じられない人も多いと思うが、自分の力では得ることが出来ない唯一のものが、人と人の出会い「縁(えん)」だ。
金では買えない目の前の宝物に気付かず死んでいくような人生はもったいない。

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