見出し画像

お寺の掲示板⑦みんな昔子供だってね

あの偉い発明家も 凶悪な犯罪者も
みんな昔 子供だってね 
THE YELLOW MONKY『 JAM』

この曲を初めて耳にしたのは高校に入ったばかりの頃。
綺麗な顔をした長髪の男性は、当時流行っていたビジュアル系に似たルックス。だがどこか違う。雰囲気はQUEENに似ていなくもないが少し違う。
何かの違和感が続く中、歌詞にも違和感があふれていた。
「外国で飛行機が墜ちました ニュースキャスターは嬉しそうに 乗客に日本人はいませんでした×3」
という印象的なフレーズは耳にガツンと入ってきた。
違和感を感じていなかったことへの違和感。
この一節で吉井和哉はバブル後の低迷した日本の有様を切り取ることに成功したと思う。

今回取り上げるのは、この部分ではなく前の歌詞。
「あの偉い発明家も凶悪な犯罪者もみんな昔子供だってね」
この歌詞は賭博問題の大谷選手と水原通訳にも通じるのではなかろうか。
水原通訳は報道が出る前まで、最高の相棒として持ち上げるだけ持ち上げられ、皆が褒めたたえていたが、犯罪が発覚すると「こんな最低の人間とは思わなかった。騙された」と皆で叩き落した。

それはあまりにも我々にとって都合が良すぎないだろうか。

みんな昔は無邪気な子供だった。
色々あって聖人になったり犯罪者になる。
水原通訳の例ではないが誰が聖人か犯罪者か、わかるようでわからない部分も少なくない。
そもそも、我々は他人を簡単に叩けるほど清く正しく暮らしているのだろうか。自身を顧みれば叩く手を止めなければならない人がほとんどだと思う。

仏教では、人類全て仏様の子供である。
出来が良い子もいれば、出来が悪い子もいる。
本当の親は、どんな子であろうと決して見捨てない。
それに倣い、私達はどんな人も見捨てない姿勢を持ちつづけたい。
数え切れぬ 罪を越えて 僕らは強く 美しく。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?