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アドベントカレンダー徒然 528
急に空が暗くなってきたと思ったら「パラパラパラ…」と文字起こしできそうなほどはっきりとした音で雨のようなみぞれのような、もっと丸い小さな雹のようなものが降り始めた今日、我が家にアドベントカレンダーが届いた。
ワクワクしながら一日ずつカレンダーを開けて、その中のお菓子を心待ちにして…なんてキラキラしたモードはずいぶん昔に通り過ぎてしまったのだけど、それでもアドベントカレンダーそのものを目の前にすると、理由もなく高揚してくる「何か」があることはよくわかる。
アドベントカレンダーが普通にあるような時代に子供時代を送っていたら、ちゃんと日にちを待って扉を開くことができていたかどうか、正直怪しいと思っている。
待てないんじゃないの、わたし…なんて。
開けちゃいけないと言われたら開けたくなる
押しちゃダメと言われたら押したくなる
人間ってホント、そういうとこよなぁ…なんて「わたしの欲の制御」を「人類の習性」にすり替えて「うんうん、仕方ない…」なんて着地してみるけれど。
もしくは、片目をつむるように、半分わざと興味を削ぐように「いや、別にそんな興味ないけど」みたいなよくわからんことを自分に言い聞かせてなんとか全うするみたいなことになったりとか…?
どっちにしてもいびつだな…。
そんなアドベントカレンダーと並んで、シュトーレンの存在を知ったのは二十歳前後だったと思うのだけど、その食べ方にお作法やエピソードがあるということを知ったのはもう少し後だった。
クリスマスイブの4週間前からリースに立てたキャンドルに1週間に一本ずつ火を灯していくとか、シュトーレンはその間に薄く切って少しずついただくものとか…
切るのも端からじゃないよ、真ん中を切ってピタッと切り口を合わせて保存するんだよとか…。
そんなことを知っていくと「スパイス効いてておいしい!もっと食べたい!」なんて食欲全開しかなかった自分をどうすりゃいいんだ…とちょっと恥ずかしく思ったものだったけれど。
12月から始まるお正月事始めもそうだけど、どこの地域にもそんな風に大事な行事への準備すらも大切に捉えられるような知恵があるってこと自体が「豊かさ」なんだろうなーなんて思う。
インスタグラムなんかでも、京都に住まいながら昔からの行事をしっかり参加しながら過ごしている方なんかを見ると、「忙しいから」なんて理由はホントの理由じゃないかもなーなんてうっすら思えてくる。
そう、忙しいといえば。
先日読み始めた「ランド」全11巻、読了したのです、はい。
あっという間だった、ホント。
もちろん、予定に余裕があった数日ではあったけど、読み終えて自分で思うのは
「時間のあるなしより、読みたいか読みたくないか、ただそれだけ」だったなということ。
季節の行事も、読みたい本も、やらなきゃいけないことも、延ばし延ばしにしていることも。
みんな根底に流れているココロはそんなシンプルなものってことだな、なんてことがなんとなくわかって、なにやらスッキリした11月の終わりなのでした。