植物と同じ素直な人　　569

確かについこの間「新春」なんて言っていた。
うん、そこらじゅうで言っていた。

かろうじて長年のスキルで「春って言っててもホントの春とは違うのよ」ってことは身についているから、その辺のこともわかる。

でもね…
自然界は本当に「春」が動きだしているっていう。

今朝は瀬戸内の島でも雪がチラついたっていうのに。
暦はこの間「小寒」って言ってたし、これから一番寒い「大寒」が来るっていうのに…。

そんな表面のこととは関係なく「内側」では春が動きだしていると。

剪定されたバラの枝に、今年はいつになく花がたくさんついていて不思議だったんだけど…考えてみたら不思議でもなんでもなくて。
あれだけ暑い期間が長かったら、植物達は「あ！今花を咲かせるターンね！」って準備して咲いちゃうってもんだ。
人によっては「読み間違えちゃってバカねぇ」なんていう人もいるけど、逆というか…彼らは素直なんだ、きっと。
素直に「反応」して、動作をしただけ、進んだだけ。
人間みたいに「間違えない」んだ、きっと。
ねじれたり、勘ぐったり、フリーズしたり？
それって自然の「流れ」を変えたり止めたりしちゃってることになってるんだなぁ…なんてぼんやり思いつつ、枝の片付けをしていた。

話は変わって、今日からほぼ日の「生活のたのしみ展」が開催されるらしく、そこに石田ゆり子さんが出展（なんていうの？グッズとか展示とか出すよってやつ）されるという投稿を読んだ。
石田さんの日常の暮らし周りのものを展示するのかなぁ？なんて思いながら投稿を見ていたら、雅姫さんとご一緒にオリジナルのTシャツも作っていたりと色々ボリュームたっぷりのようで…思ったのだ。
「こんなにドラマや映画やイベントに忙しい人が一年以上前からこの出展の仕込みをしてきたってことだよね？」
もちろん、たくさんのスタッフさんが関わっていろんなことを一緒に進めてらっしゃるとは思うけれど…「頭の切り替えすごくない？」と思ってしまったのだ。

ドラマってセリフ覚えないといけないはずだし、体調管理だって当たり前に必要で、そうこうしてたら別のお仕事だって…って絶え間なく目の前に現れてくる。
全て「クリエイトだ」なんて雑なくくりで収まるはずはないし、お話が来てすぐアイデアが全て出揃うようなことも多くないだろうからいろんなものにちょこちょこ関わってたりするの？…ってつらつら色々想像してみた。

いやいや、厳しそうだなぁ…
息も頭も詰まっちゃいそうになるかもなぁ…
やっぱ切り替えの達人なのかなぁ…

なんて思ってたのだけど…バラの剪定された枝を見てわかったのだ。

あぁ「植物と同じ「素直な人」なのかも」と。

目の前の流れに逆らわず、素直に自分にできる「反応」をする。
（もちろんお仕事を選んだりするようなことは別にして）
だから、滑らかで美しいんだなぁ…なんて勝手に納得していた。

日が沈んだ後、暗くなっている間にいろんな準備がなされ、日が昇ったら思いっきり活動できるサイクルのように、今が来年の自分の「種まき」「仕込み」になる時間なのかもしれない、なんて思うと「…わたし、油断して生きてんなぁー！」と気持ちいいくらい抜け落ちているものに気づく。

これが、わたしのこの春の「芽吹き」だったな…って言えるような過ごし方をしようと思った一日だったのでした。