タクシーの中で思った独り言
今回のバリ旅行ではタクシーを利用することが多かったので、タクシーのドライバーさんといろいろ話すことができました。
その中で印象に残った8時間貸切のドライバーさんの一言。
「こんなことを言うと気を悪くするかもしれないけど、僕はバリ島は観光客に安売りしすぎだと思う」
とポツリと言いました。
確かにバリも値段が上がってると言っても観光で来た身にはまだ安く感じます。
バリ島もコロナ以降、主要産業である観光業がストップし経済が悪化した上にインフレになっています。
最近になってようやく観光客も気軽に入国できるようになり、観光客も戻りつつありますが、かつての一番客であった日本人や大型顧客である中国人の観光客は戻っていません。
現状オーストラリアからの観光客が一番多いそうですが、まだまだ絶対量が足りないそうです。
コロナ以降、生活物価が上がっているバリですが、安さを期待する多くの観光客にとってバリ島旅行はまだ割安感があり、魅力です。
私もそんな「なんとか予算内で5泊滞在の旅行が楽しめそうな観光地バリ島」に期待した観光客の一人です。
実際、特にホテルとタクシーには助かりました。
ホテルは金額以上の内容のホテルに泊まれる感覚です。
バリ島には3000円ぐらいで泊まれる格安ホテルから3万円以上の豪華ホテルまでたくさんありますが、どの料金帯でも「この値段でこのレベルのホテルに泊まれるの?」というのがバリのホテルです。
グラブタクシーの存在は本当に有難かったです。
グラブタクシーのアプリで、個人が手軽にタクシー代行業ができるようになり、それは現地の人にもビジネスチャンスになる一方、観光客はタクシー料金を節約できるようになりました。
この調子では、通常のタクシーは厳しくなるでしょうね。
さらにドライバーさんが言うには
「グラブタクシーは経費や手数料も手数料もかかるし、個人持ちだし、結構大変」
だそうです。
確かにガソリン代などを考えるとその安さが申し訳なくなるぐらいです。
そういわれるとちょっと複雑な気分、チップを払ちゃいますよね。
彼の言うようにバリ島に来る多くの観光客にとってバリ島は自国よりも物価もサービスも安いでしょう。自国では味わえない余裕が持てます。
そんな安さの秘密にはバリ島の観光業界の
「値段を上げると観光客が来なくなるかもしれない。
まだその時期ではない。」
そんな呪縛があるんでしょうか?
バリ島内での観光客の争奪戦もありますよね。
旅行者よっては物価が高い国に旅行するのは敬遠して行かないし、行けません。安い観光地はチープな旅行者を引き寄せます。私のような。
そんな旅行者は現地では同程度のサービスなら安い方がいいし、そうでないと損した気分になります。
単に低い購買力の観光客を相手した薄利多売を狙うから、料金を強気で高くできないのか?
観光のデフレスパイラル!
よりお得な旅行先を求めて経済的格差のある「安い国」を狙って海外旅行先を選んだり、私たち観光客が「安い、安い!」と無邪気に喜ぶ安さの元にあるのは
人件費の安さや資本主義的競争や経済力の格差だと思うと楽しい観光も搾取だなぁ、なんて思ってしまいます。
面白味も得した気分もないけど、適正賃金、適正価格だったら、文句も言えないし、誰にとっても納得なのかな?
そんなことをつらつらバリのタクシーの中で思いました。