〜7歳までに育つ4つの感覚 その1『触覚』について〜⑧
〜山西先生より〜
『子どもに触れる』ということは、実は生まれる前から始まっています。
出産前に、陣痛がありますね。その陣痛は、実は子宮が収縮することで赤ちゃんんをマッサージし、皮膚に刺激を与えて『触覚』を育てているのです。
動物も、出産後に生まれた仔の体を舐めますね。これは、羊水などをなめとるという意味もありますが、舌で仔の体をマッサージし、刺激を与えて仔の体の機能を正常にはたらかせるために必要なこととして、本能的に知っているからなんです。
そして、誕生の瞬間、赤ちゃんは自分を守ってくれている羊水から解放されますが、同時に不安にも襲われます。昔は、赤ん坊が生まれると布でぐるぐる巻にしていました。
これは、赤ちゃんを安心させると共に、皮膚に刺激を与えるという意味もあったのでしょう。
現在、出産後には「カンガルーケア」と言って、生まれた我が子を抱くということが行われています。生まれたばかりの赤ちゃんを胸に抱くということで、赤ちゃんは抱き止められたことで『境界線」があることを感じ、不安から解放されるのです。
*新生児の皮膚の割合は全体の20%にもなります。まだ舐めたり手を伸ばして触ることができない生まれたばかりの赤ちゃんにとって皮膚からの感覚はとても大切なのです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
~暗闇の恐怖~暗闇はなぜ人を不安にするのか?~
真っ暗の中で、何も見えず、何も手に触れることができない環境は、人の精神を崩壊させるという研究報告があります。
反対にいうと、真っ暗な中でも何かに触れ、『境界』を感じることができれば、人は『安心感』や『自分自身の居場所』を感じることができるのです。
触れて、境界線を感じることは、人間の根源的な安心感・信頼感とつながっているのです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?