〜7歳までに育つ4つの感覚 その1 『触覚』について〜②
〜シュタイナーの十二感覚論~自己は感覚を通して意識化されていく〜
一般的には、感覚というと五感(視覚・嗅覚・味覚・聴覚・触覚)を思い浮かべる方も多いでしょ う。シュタイナーは、この感覚を12に分けて、それぞれ次のように下位感覚、中位感覚、上位感 覚に分類しました。
特に、幼少期(0~7歳)に発達する下位感覚である、『触覚』・『生命感覚』・『運動感覚』・『平衡感覚』 は、十二感覚 の最も基礎となるもので、『私』を自分自身が、唯一無二のものとして感じるために最も大切なもので す。
幼少期に自分の内側で起こっていることに気がつき、それを感じる下位感覚が育つことで、時を経て上位の感覚が発達し、『他者』を自分と同じように大切に感じる感覚へと育っていきます。
「『自我』は主に体の表面に由来する感覚から生まれる」とシュタイナーが説くように、上位感覚の最も中心となる『自我感覚』は、下位感覚である『触覚』が健全に育つことで育ちます。
ここでいう『自我』とは、相手のことを 理解し、他者の自我を感じる力です。
この力はエンパシーとも呼ばれ、自分と異なる価値観や理念を持っている人が、どのように考えて行動するのかを想像する力とも言えるでしょう。
幼少期に『下位感覚』を発達させる教育、サポートを受けることで、この4つ感覚の扉を順に開いてい くことができ、社会に出た時に関心を持って社会、他者と関わることのできる人間を育てることができ るのです。
*エンパシーと似た言葉にシンパシーがありますが、シンパシーは同情や共感など『感情の動き』を示す言葉です。
〜続く〜
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