〜7歳までに育つ4つの感覚 その1『触覚』について〜14〜子どもの感覚を感じよう~
子どもの感覚を感じよう~簡単にできるエクササイズ~ *二人1組で行いましょう
①向き合って一人の人が目を閉じます。
②目を閉じた人は、手のひらを上にして待ちます。
③もう片方の人は、周りから『片方の掌に乗せるもの』を探して、ゆっくりと相手の手のひらに載せましょう。(木の破片、布、貝殻、石、木の実、積み木やブロックなどなんでもかまいません)
④置かれた人は、目をつぶったまま、手を動かさないで置かれたものを感じてください。
~どんな感じがしましたか?質感、重さ、温かさや冷たさなどを感じてみましょう。
⑤今度は、両手でものを触ってみましょう。それは何か分かりましたか?
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いかがでしたか? 上記のエクササイズで、最初に目を閉じた状態で、片手で感じた感覚だけから、それが何かを当てることはとても難しいでしょう。でも、両手を使い、さまざまな角度から触れると、それが何か?は簡単にわかりますね。
〜では、なぜ、『わかった』のでしょうか? それは、過去に同じことを『体験』しているからなんです。
小さな子どもたちにとって、普段子どもたちが、見るもの、触れるもの、聞くものは全て、大人が片手で目を閉じて触れるようなものなのです。
それはどんな質感をしていて、どんな重さで、触れるとどんな感じがするのかを幼少期の子どもたちは毎日毎日『体験』して、体に染み込ませているのです。
小さな子どもが、目に触れるもの全てに手を伸ばし、触ってしまうのも、このような体験を体が自然と求めているからなのですね。
そして、やがてその『もの』がどういう名前で呼ばれているのかを知り、自分の体験と『ものの名前』を結びつけていくのです。
自分自身の体験からできた、唯一の『もの』が体の中に染み込んで、子どもたちの唯一無二の『私』が作られていきます。
こうして自らが体験し紡いできた物語の中の、子どもたちは『今』を生きているのです。