若浦勇魚

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最近の記事

賭博黙示録俺たち

ここ数ヶ月『パティシエの友人にギターを教え、その対価として彼の作った焼き菓子を貰う』という童話の中の森の動物たちのような生活をしていたのだけど、およそひと月前、そんな平穏な暮らしに終止符を打つ恐るべき提案が為された。それによって俺のメルヘンチックな日常が狂気に侵されていることについてここに記していこうと思う。 そのパティシエの友人-ここではRとするが-Rとは小学校中学校通して登下校を共にする非常に親しい仲であった。しかし高校はそれぞれ別の学校へと進学し、以前ほど頻繁には連絡

    • 中学生はみんなおかしい

      中学一年生の頃。 学校の休み時間に何気なく横を見ると、隣の席の女の子がプラスチック容器を机に取り出して何か作業をしていた。 筆箱ほどの大きさのその容器にはそれほどの数を一体何に使うのか、ヘアピンが大量に詰められていて、彼女はそれらをアルファベットの形に並べているようだった。一辺をヘアピン一本で構成しているせいで、その文字列は机のかなりの領域を占めてしまっている。 作業に没頭していた彼女が手をどけると、その全貌が明らかになっていった。僕の目は自然とそれらの字を追っていく。左から

      • 過去の伏線を回収

        数ヶ月前の僕のこのnoteにはバイトや教習所について書かれたものがいくつかある。 当時の僕は「今回のバイトは半年で辞めないようにしたい」「あと3ヶ月で教習所を卒業しないとまずい」などと、自らの状況を大変愉しく面白おかしく書いていた...。 今は毎日ペルソナ5 ザ・ロイヤルに夢中だ。 こんなに面白いゲームはない。 画面酔いが酷いので気持ち悪くて吐いてしまうが、吐きながらプレイしてしまう。 昼に起きて飯を食いペルソナ5。夜飯を食って朝までペルソナ5。 これがバイトならなあ、本当

        • そうなると4階より9階の方が怖そう

          先日夜10時ごろスーパーに行ったら駐輪場でジャージ姿の中学生三人組がめちゃくちゃ踊ってた。ギャスパー・ノエの『CLIMAX』みたいで素敵でした。 ギャスパー・ノエの作品は『CLIMAX』と『ルクス・エテルナ』しか観たことないけど、未視聴の方には是非観ていただきたいです。マジでいつまでやってんのこれ、って思うと思います。僕はフィリップ・グラスの『浜辺のアインシュタイン』が大好きなのですが、音楽を作ったことのない人にとってはマジでいつまでやってんのこれ、と思われても仕方ない曲ばか

        賭博黙示録俺たち

          ここ最近のバイトとか、そういう

          ぬっ、とかぽっ、とかいう間に週は終わるくせに給料日はいつでも遠い。金はないけども、ないとは言っても手をつけてはいけない金ならなかなかある。手をつけたくてもつける金がなかった時代に比べれば大きな進歩であるなあ、とガガーリンが云った。ガガーリンは地球は青かったの人だっけ?アームストロング?アームストロングってだれ? 一般には端金なんだろうけど、銀行に5千円もあればこんなに嬉しいことはない、とアムロが教えてくれた。今は数万円はあるだろうか。頭がくらくらするほどの大金。 なぜ俺はこ

          ここ最近のバイトとか、そういう

          ハム吾郎が死んだ

          久しぶりにクラシックギターでも弾こうかしらん、と思ってギターを見ると弦が二本切れている。 弦を買うような金もない僕はぢっと手を見る。 ハムスターが死んだ。 僕はハム吾郎と呼んでいたけれど本当の名前は知らない。 ハム吾郎を飼っていたのは僕ではなく母だった。 母は令和四年三月三十一日にこの家を出て行った。追い出されたと言った方が正しいかもしれない。 その経緯はまた後日書くとして、母は家を出る前にハム吾郎を見て 「誰か面倒見てくれないかなぁ」 と呟いて家を出て行ったという。無責

          ハム吾郎が死んだ

          僕とヤモリとYouTuber

          わたくしが飼育している二匹のペット。 彼らのプライバシー保護のため近影は伏せさせてもらうけども、どちらもヒョウモントカゲモドキというヤモリ(トカゲモドキはヤモリ)。 長年爬虫類や両生類に憧れを抱いてはいたものの、小学校低学年の時分数々の魚やカブトムシを安易に飼育しては無慈悲にぶち殺してきた僕は、自らが生物を扱うことを長年の間禁忌(タブー)としてきた。散々悩んだ末に比較的飼育が容易とされている前述の種を選んだのだけど、これが凄まじくカワヨ、否、ギャンかわであって、飼育を始め

          僕とヤモリとYouTuber

          もしくは大地讃頌とか歌おう

          何ヶ月か前、昔僕と一緒にバンドをやっていて、今はmagic sonというバンドでボーカルギターを担当している市川くんの家に遊びに行った。 彼は22にもなって実家住まいでフリーター。クズかと見せかけて立教大学を卒業しているいけ好かないやつ。眉毛が太い。いつも鼻毛が出ている。童貞。恋人もいたことがない。ガチャピンは彼をモデルにデザインされたという説が有力。そんな人間。 ミュージシャンな彼の部屋は無論楽器だらけで、アコギやキーボードからエレキシタール、壊れたウクレレまでが部屋中に

          もしくは大地讃頌とか歌おう

          あの毛量をもう一度

          あまり自分を社会不適合者だとかダメ人間だと自称する人間は好まないのだけど、高校を卒業してからの2〜3年間バイトや音楽活動している時間よりも圧倒的に、働かずにポケモンやイナズマイレブンやカセキホリダーをやっている時間の方が長いことに気がついて、自分はダメ人間だと認めざるを得ない状況になってきた。 バイトはバックレ以外で辞めたことがなく、学校も中学高校どちらも必ず不登校と遅刻のバーゲンセールになってしまうという体たらく。あと一限出席しなければ留年するぞと教師に脅された教科が3つ4

          あの毛量をもう一度

          思い出した

          中学一年生のときの遠足。 行きのバスの中にカラオケ用のマイクが設置してあった。それを使ったミニゲーム(?)のようなものが開催され一人ずつマイクを回していったのだけど、僕にマイクが渡ってきた際にゲームとは一切関係のない松崎しげる『愛のメモリー』をモノマネしながら何分も熱唱したところ、バスガイドさんがブチ切れて僕からマイクを取り上げるということがあった。 なぜそんなことをしたんだろうか。誰も笑ってなかった。友達とかもいなかった。後で先生が「よく知ってるねえ」って言ってくれた。 な

          思い出した

          麦わら!・・・お前は・・・・・・いいヤツだなァ・・・

          先日大好きな映画『HOUSE』を鑑賞していた際、押し入れの奥に眠る2枚のDVDの存在を思い出した。たしか今から大体2年くらい前の18歳の夏、なんとなく徹夜して明けた日曜の朝の5時あたり、あの時、僕は初めて『HOUSE』を観た。 古い日本映画は事あるごとにおっぱいを露出する。サービスシーンのつもりなんだろうか、割と脈絡なくおっぱいが飛び出す場合も多い。ハリーポッターでいえばネビルくらい出る。はじめの一歩でいえば間柴クミくらい出る。アダルトビデオでいえばローションくらい出る。ア

          麦わら!・・・お前は・・・・・・いいヤツだなァ・・・

          心に班長棒を突き立てろ

          小学生の頃、班長棒というものがあった。 登校班の班長だけが持つことのできる班長の印。 班は完璧な年功序列で、6年生(班に6年生がいない場合は5年生)の班長を先頭とし、そこから5年生、4年生、、と順に並んで登校する。 班長の主な仕事は、班員たちが信号を渡らんとするそのとき、横断歩道中央の片側に素早く立ち、班長棒をできるだけ地面と水平に掲げ、班員たちが横断歩道を無事に渡るまで見守る、といったものだ。言うまでもなく班員たちの安全を担う重要な仕事。先に産まれてしまったものが背負う大い

          心に班長棒を突き立てろ