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男性会社員は電車の中でポルノ小説を読んでいる。

 フランス書院の新人賞には、応募枚数の規定はありません。「原稿枚数は自由です」と書いてあります。そのため、原稿用紙800枚に及ぶ大長編を投稿される方もいらっしゃいます。
 
 楽しくて長くなってしまったのだろうなと思うのですが、800枚では受賞できません。

 フランス書院文庫が、原稿用紙350枚の長さになっているのではどうしてだと思いますか?

 質問を変えます。
 フランス書院文庫がいちばん多く売れる店はどこだと思いますか?

 実は書店ではなく、新幹線のキオスクだと言われています。
 文庫本一冊分の長さは、原稿用紙350枚なのですが、出張のサラリーマンが、東京駅で幕の内弁当と巻ビールと一緒に買って、新幹線の中で読むのにちょうどいい長さなんです。そして大阪駅で降りるとき、お弁当の殻と一緒にゴミ箱に捨てます。

 長編小説が6章にわかれているのは、電車の中で一章づつ読むのにちょうどいいから。

 小説は娯楽なので、娯楽に使える余暇時間に合わせる必要があります。小説家になろうが隆盛を極めているのも、スマホで5分10分という短時間に読めるから。ソシャゲもワンプレイ15分が上限ですよね。ぶつ切れの余暇時間にぴったり合っているからです。

 ポルノ小説の場合は、電車の中、新幹線の中、通勤や出張の時間なのです。

 ポルノ小説の350枚で書き、ちゃんと章立てをして、6章ぐらいに分けて、一章にひとつエロシーンを入れてください。それだけで、受賞の可能性は高くなりますよ。ポルノ作家になりたい男性の方の多くは、ポルノ小説を一冊も読まずに書いていらっしゃいますから。

ポイントのおさらい

・原稿用紙350枚で書きましょう。

・6章に分けて、一章にひとつエロシーンを入れましょう。

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わかつきひかる
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