四度目の夏 あとがき
あとがき
四度目の夏を辛抱強く最後まで読んでくださった方々に、
心から感謝します。
読み返してみると前半の冗長感など欠点の多い作品ではあるのですが、
わたし自身が不思議と白雲岳に魅かれていって、不思議とよっくんの
強さにひっぱられて、不思議と脆弱なこの世界をなおいっそう
愛しく
感じていくのでした。
死ぬときに、走馬灯がよぎるとか聞くことがありますけど
人が完全に自由でいられるのは、想像の中なのだろうと思います。
どんな世界でも、どれほどの不条理のなかでも、希望に浸れる世界は
この妄想のなかに完全に存在していて、
神様が人間たちに想像力というものを授けてくださったのは
生をまっとうするその瞬間に、幸せな幸せな想像の中で
死を迎えるためなのではないかとさえ思うのです。
そういえばアンデルセンの「マッチ売りの少女」も
最期にはおばあちゃんが現れてくれたんですよね。
最愛のおばあちゃん。
優しく迎えに来てくれたおばあちゃん。
話が脱線してしまいましたが、
四度目の夏は、書き上げるまでにけっこう苦労した作品でした。
わたしは最初にプロットを作らないで、書き進めながら物語を
作るタイプなのですが、まるで先が読めなくて不安のなか書いてました。
後半に主人公の母親が現れたとき(◇のところ)は、自分でもびっくり
しました。
ホクトマサキがよっくんだったらどうしよう、、なんて考えたりも
しました。違いましたけど。
途中二か月くらいまったく書けなくなったことがありました。
続きを書こうにも、それを全力で阻止しようとする自分がいて
そのせめぎあいでした。作品に向き合えなくなりました。
書きたかったけど、もうほとほと創作が嫌になってました。
あれをスランプと呼ぶのだろうと思います。
そのころ「ミッションインポッシブル/フォールアウト」を上映していて
観に行って、その帰り道に寄ったカフェで一気に二時間続きを書いたのを
覚えています。
なにか突き抜けた感がありました。
トム・クルーズのおかげでこの作品は完成しました。トム、ありがとう!
(フォールアウトは劇場で三回鑑賞しました)
長く創作してきましたが、
この先はどうするだろうと考えることがあります。
またふいに書きたくなるかもしれないし、ならないかもしれない。
なってもいいし、ならなくてもいい。
小説家に、ならなくてもいいのかな。わたし。
ずっと夢だったけど。
ここで「これからも書き続けます!」と宣言したい気持ちもあったのですが
ぜんぜん無理でしたw
ぜんぜん無理って、べつに言わなくても。。。
とにかくわかりません。
またふいに無性に書きたくなるかもしれません。
読んでくれるひとがいれば書きますw
いや、、わたしが書きたくなれば、結局書きます。
ああ、このせめぎあいは当分続きそうです(*´Д`)
本当にありがとうございました!
あなたの人生が幸多からんことを祈ります!
読んでくださった皆さまに、
心からの愛をこめて。
若月 香