![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/169277663/rectangle_large_type_2_12f14ad03d22f547eba4cca69d0fc67f.jpeg?width=1200)
✈︎ 俳句の鑑賞に挑戦【1】
noteで俳句に出会い、俳句幼稚園に入れていただいてから、丸三年が過ぎました。四年目の今年は、俳句の鑑賞に挑戦して参ります。
津川絵理子先生の句集『夜の水平線』(ふらんす堂)からの作品と、佐藤文香先生編著の『天の川銀河発電所』(左右社)の中の津川絵理子先生の作品を、今後定期的に一句ずつ鑑賞させていただこうと思います。
【第1回】『夜の水平線』より
底冷や落として遠き鈴の音
季語:底冷(三冬・時候)
厳寒の夕方、食品の買い出しを終えて駐車場に停めた車に乗ろうと、自分の車に向かいながらバッグの中の鍵を探します。悴みそうな手でやっと掴んだ、鈴のついた車のキーが、手から滑り落ちてしまいます。日の落ちた寒空の下、冷え冷えとした路面へ落としてしまったキー。買った荷物で手が塞がれた状態で、しゃがんでキーを拾うのは容易ではありません。「今日は朝から、どうしてこうもうまくいかない事ばかりなのだろう」と、泣きたいような気持ちにさえなります。鈴の音は作者のすぐ近くの足元でしたはずなのに、はるか遠くで、冷たく響くように聴こえたのではないでしょうか。一層の寒さが体の芯まで響くようです。
初見では、ひとけのない山里の景が浮かんだのですが、具体的に想像していくうちに、自分自身が経験したことのあるような、このような景が浮かんできました。
「落として遠き」と平易な言葉遣いでありながら、これ以上にぴったりの表現も語順もないと思われる措辞に、とても惹かれます。
◆◆◆
俳句幼稚園の紫乃さんの、俳句の鑑賞の記事を参考にさせていただきながらの、第一回目の鑑賞でした。大変におぼつかない鑑賞ですが、少しずつ、自分なりに深く鑑賞できるようになっていけたらと思います。楽しく自由にチャレンジしてみます。
ここまでお読み下さり、ありがとうございます。
どうぞよろしくお願いします。