曾祖母からの手紙
曾祖母は頬を上げて笑い、
指をめいいっぱい広げてピースをするお茶目な女性です。
そして、大切な文通友達でした。
曾祖母との別れは13年前。
13年前の曾祖母との別れに最も影響を受けたのが
第22回テレビ朝日新人シナリオ大賞にて大賞を頂いた
『拝啓、奇妙なお隣さま』です。
“生きているとはどういうことなのか”
『拝啓、奇妙なお隣さま』を書く上で
1番最初に掲げ、最も大きなテーマとしていたことでした。
その観点を授けてくれたのは曾祖母と、曾祖母の意思や命を尊重する術を何度も何度も話し合った家族の歴史でした。
歳を重ね、その歴史を聞いた時に感じた
答えのない「生きること、生きていること、死を迎えること」というテーマにしっかりと向き合いたいという思いが
『拝啓、奇妙なお隣さま』に繋がりました。
そんな、大きなテーマを与えてくれた曾祖母との手紙は
いまの私の前日譚のようなものかもしれません。
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「ひつもんです。ひいばあちゃんは なにいろが すきですか?」
「なんの どうぶつが すきですか?」
「元気で ながいきしてね」
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質問をひつもんと書いてしまうような曾孫の手紙に丁寧に答えてくれる優しい曾祖母でした。
家族に愛された、大好きな曾祖母です。
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拝啓、ひいばあちゃん
「そちらでは、元気に過ごしていますか?」
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