100億円企業の社長が「週3でパフェを食べる」理由
先月は、週3回パフェを食べました。
毎回違う店で、もう30店舗はめぐりました。
はっきり言ってもう飽きましたが、今月も最低10店舗は行く予定を立てています。
正直なところ、甘い物、好きじゃないんだけどな……
パフェを食べまくっているその理由は?
この話をすると、聞いた人はみんな
「なんでそんなにパフェ食べてるんですか(笑)」
「今、パフェにハマってるんですか?」
「甘い物、好きだったんですね!」
といった反応をしてくれます。
それに対し、わたしは
「いや別に、パフェにハマってはないです」
「甘い物、そんなに得意じゃないですし」
と返します。
「イジワルをしてやろう(笑)」とか「こう言ったら面白いだろうなぁ」ということではなく、それが本心だからです。
当然、「ではなぜ?」となるのですが、そこには明確な理由があります。
マーケティングが不得意な人の特徴
最近、仕事で「人が集まるお店」を作ろうと考えているので、女性に人気のあるスイーツやお店を調べていたら「アフタヌーンティー」というものが密かに流行ってきている、と知りました。
なので「それを自分で体験するために行っている」というのが理由です。
ほとんどの人はこの理由を聞くと
「なるほど、商品開発のために現場を自分の目で確かめに行っているんですね!」
と納得をしてくれます。
……この返事を聞くと、自分でも少し意地悪だと思うのですが、わたしの中で
「ははーん、さてはこの人、マーケティングは不得意だな?」
というスイッチが入ります(笑)
「商品開発」という言葉が出る人の頭の中は、おそらくこのような思考の流れになっているのではないか、とわたしは考えています。
そうか、お店を作るんだな
ということは、どんな場所に、どんな商品があって、どれくらいの値段で、どんな味で、どんな盛り付けで、どんなお店の雰囲気なのかなんかを自分で確認してるんだな
で、それを真似したり、参考にしたりして、お店と商品を作ろうとしているんだな
➡「なるほど、商品開発のために現場を自分の目で確かめに行っているんですね!」
これに、気を遣わずにストレートに答えるとすると、
「ハズレです」
「それ=商品開発にも使えるけど、その前にある“大切なこと”です」
「これを分かっておかないと、なにもうまく行かない」
「もし今、あなたにこの仕事を依頼したら、失敗する確率の方が高いと思う」
となります。
多くの人にありがちなカン違い
このようなことが、昔から多くありました。
遊びでも、仕事でも、わたしが
「こんなことをしようと考えている」
「だから、調査をしている、考えている」
という話をすると、
「なるほど! それで◯◯をするということですね」
と答えてくれる人がいるのですが、その◯◯が《わたしが目的としていること》と、少し違っていたのです。
仕事の面では、その◯◯が「商品開発」や「人材採用」、「競合との差別化」みたいな言葉になります。
昔は、このような言葉に
「ん? なんか自分が目的としていることとは少しズレているけど……まぁ商品開発にも繋がることでもあるし……この人も、分かって言っているのかな……?」
と思いつつ、
「そうですね」
と、違和感を持ちながらも答えていました。
しかし、わたしの会社が成長し、仕事で結果が出ていくにつれて、その違和感の正体が、自分なりに、なんとなく分かってきました。
それは
多くの人が「目的」と考える◯◯は、商品《モノ》や行動《コト》である
という事でした。
いちばん大切なのは《ヒトの気持ち》
わたしが目的としている、いちばん知りたいことは
「そこに集まっている人たちの生の感想、気持ち、その心理」
つまり《ヒト》のことなのです。
お客様は、欲しいと思ったものを買う。
《ヒト》お客様は、
《コト》欲しいと思った
《モノ》ものを
《コト》買う。
ヒトの気持ちが動くから、モノが売れる。
なので、いちばん大切なのは《ヒトの気持ち》だと、わたしは考えています。
《ヒトの気持ち》がリアルに分かれば
・どんなモノだと「欲しい」と思ってもらえるか
・どんなコトをすると「好き」と思ってもらえるか
ということを考える材料になります。
わたしは通販の会社をしていますが、創業当時、業界では大手企業も小さな企業も
「代金の支払い率は70%が常識」
「30%の人は払わない」
「100万円の注文があって、70万円しか入ってこないと考えないと危ない」
といったことが言われていました。
「回収率を上げるには?」ということを考える人たちがいて、それ専門の業者があったくらいです。
色々な原因を並べて、一つ一つに対策をしていくようなことをしていました。「起こっている事象《コト》」に、「対策《コト》」をぶつけていくようなことですね。
このときも、わたしは《ヒト》から考えました。
「どうして、自分で買ったもののお金を払わない、ということをするんだろう」
「通販は “押し売り” ではないから、欲しくて注文したはずなのに」
「どんな気持ち、どんな考え、どんな感情で、お金を払わないんだろう」
細かいことは、本っ当に細かくなるのでここでは話しませんが、
わたしは
「この人たちの会社は、踏み倒さないようにしよう、踏み倒したくない」
と思ってもらおう。
と考え、そのために色々な手段を考え、実行しました。
その結果、わたしの会社の代金回収率は98.7%(要確認)となりました。
大手企業も「どうやってやってるのか、教えてもらえませんか」と話を聞きに来てくれたくらいです。
ヒトの気持ちが動いている理由と仕組み
わたしが知りたいのは「ヒトの気持ち」です。
より厳密には「今そこで、ヒトの気持ちが動いている理由と仕組み」です。
なので、わたしは流行っている場所に行くのです。
それも、「それにハマっている人と一緒に」です。
ハマっている人から、なぜハマっているのかという理由や、その店や商品の魅力、他との違い、どこが自分の心を掴むのか?といったことを聞き、周りの人たちの反応も見たりしながら、自分も体験する。
そうして
「自分にはわからないけど、こういうのが人の心を掴んでいるのか」
「あ、その“好き”のポイント、自分にもわかる」
「むしろ自分は苦手なところなんだけど、こういうのが好きな人もいるのか」
と、《ヒトの気持ち》を学んでいるのです。
なので最近は、パフェを食べに行っています。
パフェが食べたいわけではありません。
高いパフェを喜んで食べている人たちのことを知りたくて行っています。
「モノが売れる理由」を探すためではなく、
「買っているヒトの気持ち」を知るために。
昔、自分にとっては
「え? 皆そうじゃないの?」
という当たり前のことだったのですが、長年の経験で
「多くの人は、そうじゃないんだな」
と気づき、
「この考え方になったら仕事もうまく行って皆もっと幸せになれるのに」
と考えるようになったので、この記事を読んでくれているあなたの仕事のヒントになれば、と思いながら書きました。
まわりくどく感じるかもしれませんが、《ヒトの気持ち》を考える視点を持ってみると、同じことでも新しい側面が見えるかもしれませんよ。
それでは、また!