巨大石室の古墳に山奥のパワースポット!移住者だからこそ発見できた秘境⁉【福井県小浜市を発掘!】
※こちらの記事は、福井県独自の緊急事態宣言前に取材を行ったものです。
今回の発掘調査の舞台は小浜市!
若狭地方(福井県南部)のだいたい中央に位置する町です。
漁業が盛んで、かつては朝廷に魚などを献上していた地域でもあります。
私たちWAKASA発掘調査隊は、いつものように「あなたの、この町のオススメ、お気に入りは何ですか?」を合言葉に、地元の方々からいただいた情報をヒントに新たな町の魅力を発掘しつつ、さらには新しい魅力の見つけ方も発掘していきます!
今回は「町のオススメは、あえて、外から移住してきた人に聞いてみる!」という新しい旅の楽しみ方を発掘しました!
いやいや、小さい頃からその町に住んでいる人の方が、その町について詳しいはずだから、地元の人に聞いた方が良いのでは⁉と思うかもしれません。
でも案外、昔からその町に住んでる人って、その環境が日常であるがゆえに、外から来た人が興味を持つものに気付きにくいのだと思うんです。
「え?そんなの昔からあるし、なにが面白いの?」ってことのほうが、旅行者からすると、案外魅力的だったり。
今回の発掘調査は、
「元々仕込んでたんじゃないの?」と思えるほど、小浜という町を深堀りする展開に!
その様子をぜひ最後までご覧ください。
地元愛に溢れる若者が集う!【小浜市まちの駅・旭座】
前回の記事では若狭町での発掘の様子をご紹介しましたが、実はそのあと、午後からは小浜市にも発掘に行ったんです!
ということでまずは、第二弾スタートの地『小浜市まちの駅・旭座』にやってきました!
『小浜市まちの駅』は、明治期の芝居小屋『旭座』を中心に、小浜の食と暮らしを愉しむセレクトショップ『TEtoKI』や、イベント広場として屋外ステージや露店が出て賑わう『屋外広場』などがあり、小浜市の新たな賑わいの拠点となっています。
実はこの日は『ミシュランガイド北陸2021特別版』に掲載された若狭地方の和洋6店舗が参加するテイクアウトイベント『掲載店シェフの饗宴』が、ここで開催されていたのです!
あまりの人気に20分で売り切れてしまったそうで、残念ながらミシュランの味にはありつけなかったのですが、せっかくなのでこの場に居合わせた小浜商工会議所青年部のお二人にも突撃です!
「(ガイドブックに載っていないような)小浜のオススメ、お気に入りって何かありますか?」
「ん~……、小浜の漁港から見える夕日かな。あと、漁港あたりの路地が古クサくって、それがまたいいんですよね」
まさか漁港からの夕日が出てくるとは!お二人とも、小浜育ちとのことで、これぞ地元ならでは!という意見をいただくことができました!
それはぜひ見たいところですが、まだお昼時だったので、夕日の調査は一旦キープさせていただき、調査続行!
(結局この日は日没時間まで待てませんでした>< 次回以降の発掘で行けたらいいな!)
ちなみに、私たち発掘調査隊には、毎回地元をよく知るサポートチームがついてくれるのですが、今回のサポーターである古田さん(小浜市役所職員)の胸元には「I♥OBAMA」の文字が!
ミシュラン弁当にはありつけませんでしたが、
まちの駅には小浜を盛り上げようと、古田さんのように小浜愛に溢れた地元の人たちがたくさん集まっているはず!
気を取り直して、小浜のおすすめを調査して回ります!
「この町のオススメ、お気に入り教えて下さい!」
すると早速、まちの駅で一際おしゃれなショップ『TEtoKI(てとき)』さんで、イケメン地元民を発見!
“お箸で食べられるフレンチ&イタリアン”『Bistro mouton(ビストロ ムートン)』のオーナー・濱坂卓弥さん(小浜市出身)です!
寺井隊長「濱坂さんの、小浜のオススメ、お気に入り、何かありますか?」
濱坂さん「子供から大人まで楽しめる自然があることかなあ」
おぉ!夕日に続いて、またもや自然!!
そこで生まれ育った人が「地元の自然が好き」って言えるのは何だか素敵だなあ。
濱坂さんは小さい頃、田烏(たがらす・小浜市北東部にある地域)などの地元の海でよく泳いで遊んでいたそうです!
と、そこに現れたのは、
たまたまマルシェに野菜を売りに来ていた小山さん(小浜市地域おこし協力隊)。
小山さんは小浜に住み始めて1年も経ってないとのことで、
地元ならではの情報を聞くのは忍びないと思いつつ、小浜のオススメを聞いてみたところ…。
「場所の名前は覚えてないんですけど…
たしか、高速道路の高架下をくぐって、その先にある檻みたいな柵を通って、少し山を登ると小さいお寺みたいなのがあるんです。
そこに滝があって、パワースポットみたいな感じですごいよかったです」
ん?(・・)?
檻?滝??
発掘チーム、全員ポカン状態で、
小浜育ちのサポートチーム古田さんもピンと来ていない様子。
しかし、気になり過ぎるので場所の特定を急ぎます!
寺井隊長「(地図アプリを見ながら)あ、ここじゃない?『滝不動尊』」
小山さん「あ、そこです」
(さすが隊長!“発掘”が板に付いてます!!)
謎のパワースポット『滝不動尊』は、どうやら小浜市の宮川地区にあるらしい。
サポートチーム古田さんは、お母さまのご実家が宮川地区みたいなのですが、
「いやぁ、聞いたことないですね」と。
……地元の人も知らない発掘ネタ来た------------------!!!!
とにかく滝不動尊に関する情報がなさ過ぎるので、手当たり次第探していると、
まちの駅に貼ってある宮川地区のマップを発見!
(やらせじゃありません笑)
ちなみにこのマップ、紙面構成から掲載する写真や見どころの厳選まで、全て地元の若い人たちが自分たちで作ったマップなんだそう。
なんと!すでにこの地区では地元民による発掘調査が進んでおりました!
しかしまちの駅には、掲示用マップしかなく、
何より不動尊へのルートや、発掘素人の我々でも辿り付ける場所なのか等、
詳しい情報までは載ってなかったので、ひとまずマップをもらいに宮川公民館へ向かってみることに!
小浜市まちの駅・旭座
福井県小浜市小浜白鬚111-1
https://www.obama-machinoeki.net/index.php
…とその前に、ここからはハードな発掘調査が予想されるので、午後からの調査のためにウナギでも食べて元気出そっ!
ということで、小浜の美味しい海の幸をたっぷり楽しめる『かねまつ』さんへ。
私はウナギ丼をいただきましたが、海鮮丼や焼き魚定食などもありますよ!(むしろそっちのほうが定番かも…。)
しかも、ご飯についてくるあら汁はおかわり自由!。
夜も21時までと遅くまでやっているので、ランチにもディナーにもおすすめのお店です。
かねまつ
福井県小浜市大手町8-1 大手ビル2F
突如、茂みに現れる巨大な石室!【加茂古墳群】
さて、お腹も満たされたところでやってきたのは、まちの駅から車で15分ほどの場所にある宮川公民館。
まちの駅がある市街地エリアに比べて、だいぶ自然豊かな場所にあります。
「ごめんくださーい!発掘調査に参りましたー!」
宮川公民館の村古久美子さんに、滝不動尊へ行きたい旨を伝えると、
どうやら道中の足場が悪く、車を停めてからもかなり歩くという情報を教えていただきました。
……ふむ。
……(今日は暑い中、朝から動きっぱなしで疲労感もあるけど、ここからさらに遠くまで歩くのかぁ。)……
……(でも、どんな所か気になるなぁ。)……
よし!!もうここまで来たら行っちゃうか!!
タキフドウソン!!!!
「あ、ちなみに村古さんの、オススメって何かありますか?」←ここでも抜かりない発掘魂
「私、宮川公民館に赴任したのが3ヶ月前なのであまり詳しくはないんですけど、加茂古墳群は感動的ですよ。
石でできた古墳なんですよ。このマップにも載ってます」
石の古墳!?????
こっちはもう滝不動尊へ向けて、発掘のクライマックスに差し掛かっているというのに、また新しい調査案件が出てきたでー!!
えーい!せっかくここまで来たんだからもう古墳でも埴輪でも発掘してやらー!
村古さんに教えてもらった道を進むと、車で5分もかからずに加茂古墳群の看板を発見!
道はほとんど整備されていないので少々躊躇しましたが、ここまで来たら行っちゃえ~!
おらおらー!
道なき道を進んで行くと…
あったー!
え!なにここ!!
まじで発掘っぽいじゃん!!!
寺井隊長「ここは危険だ。隊長の俺が見てくる。君たちはここにいろ」
大川隊員「いやいや、わたしも行きまーす!」
小林局長「じゃ、わたしもー」
怖いもの知らずの隊員たちも次々に古墳の中へ!
中は一体どうなっているのかというと……
おおおおおーーーーーーーーー!!!!
洞窟みたいになってるーーーーーー!!!!
普通に立てるくらい天井も高いーーーー!!!!!!
そしてなんだか涼しい~~~~~~!!!!!!
想像以上のミステリアス感を楽しむことができ、大興奮の一行でした!
あとから調べてみると、加茂古墳群には古墳が全部で24基あるそうで、南古墳と北古墳の2基は県指定の史跡となっており、歴史・学術上とても価値の高いものでございました!(今回行ったのは南古墳)
若狭に現存する横穴式石室では最大で、“若狭の石舞台”とも呼ばれているそう!!
※石舞台…奈良県にある日本最大級の石室を持つ有名な古墳
ちなみに今回行きそびれてしまったのですが、加茂古墳群に隣接する加茂神社も少し気になったので調べてみると、大きな御神木があり、奥には重要文化財がさりげなく置いてあるとの情報が!
発掘し甲斐がありそうです!(じゅるり)
加茂古墳群
福井県小浜市加茂
http://www1.city.obama.fukui.jp/obm/rekisi/sekai_isan/Japanese/data/160.htm
『解体新書』でお馴染み、あの杉田玄白も訪れた!?【滝不動尊】
加茂古墳群を後にし、宮川地区マップを握りしめて、いよいよ小山さんのオススメ場所、滝不動尊へ向かいます!
実は小浜市は、あの杉田玄白ゆかりの地!
小浜藩家臣・杉田甫仙の子として生まれた玄白は、8歳のとき父の転勤に従って小浜へ引越し、13歳まで小浜で過ごしたんだそうです。
滝不動尊もどうやら、玄白ゆかりの滝らしい。
パワースポットの予感しかしません!
早速車を走らせると、加茂古墳群から15分ほどで、舞鶴若狭自動車道の高架下に到着。
周囲は田んぼなどが多く、民家もまばら。
高架下の先は山に向かっていくようで、本当にここ?とちょっと心配に。
しかし!少し先へ進むと、たしかに柵らしきものが。
小山さんが仰っていた檻ってこれのことだったのか!
※正確には檻ではなく、獣害対策用の柵のようでした。
案内によると、この先に駐車場があるみたいなので、まだ先まで車で行けそうです!
(道が狭いのか、駐車場が狭いのか。重要な情報がやや雑である…。)
当時病弱だった玄白は、この不動尊の滝水で養生したと言い伝えられているそうです。
これはもはや、杉田玄白お墨付きのパワースポット!
それにしてもこの柵、施錠はチェーンが巻いてあるだけなので簡単に外せるのですが、
立派な柵なので、本当は入っちゃいけない危険な場所に入っていく気分がして、ワクワクが高まり、発掘心をくすぐられます!
そしていよいよ、滝不動尊への門戸が開かれました!
まずは細い山道を車で登っていきます。
※注意①※
道が乗用車が一台通れるかどうかの細さなので、
大きいサイズの車や運転に自信のない方は、柵の手前の広場に車を置いて歩いて行くことをおすすめします。
ここが例の狭い駐車場です!
もはや駐車場というより、Uターンができる広めの山道ですので、くれぐれも運転にはご注意ください!
(看板の「狭い」というのは駐車場のことだったんですね。)
ここからは車を降りて徒歩で向かいます。
発掘チーム、山を登る装備ではなくちょっと心配だけれど…。
大川隊員にいたってはヒールですが(笑)
※注意②※
コケの上に乗るとが滑りやすいので、ヒールでの参拝はオススメしません。
特に、帰りの下り道はスニーカーでも滑りますので、くれぐれも気を付けてください。
それでも発掘調査に二言なし!
所々、急勾配な場所もあり息も上がってきますが、雰囲気のある石段もあって気分は上々です♪
そんな道を10分程登り続けると…
滝に着いたーーーーーーーーーーーーーー!!!!
結構疲れたけれど、それ以上に達成感!!!!
「冷たくて気持ちいい~、
これが玄白さんの飲んだと言われる滝水か~!」
せっかくなので、滝の上にあるお堂にもお参りして帰りましょう!
ちょうど滝の上あたりにお堂があります。
信仰心の深かった玄白の父・甫仙は、
病弱だった玄白の健康回復を祈願して、この滝に不動尊の石像を寄進したそうです。
たしかに岩壁にはたくさんの石像が鎮座していました。
ちなみに甫仙が寄進したと言われる像も偶然写り込んでいました!
訪れた際は、ぜひ探してみてください!
見つけたら何かご利益あるかも!
滝不動尊
福井県小浜市大谷
居住歴が浅い人の方が魅力的なスポットを知っているかも!?
今回の発掘調査では、前回の学びを活かし、地元民が集まりそうな場所から、町のオススメ、お気に入りを聞き取り調査しました!
実は今回、素敵なオススメスポットを教えてくれた方は、その地域と関わり始めて、まだ間もない方たちばかりでした。
加茂古墳群を教えてくれた村古さんは、この春に宮川公民館に来たばかりでしたし、
滝不動尊をオススメしてくれた地域おこし協力隊の小山さんも、小浜に来てから1年も経ってない県外からの移住者でした。
地元で育った人にとっては当たり前で、あまりに身近すぎて気にも留めないような場所でも、
他の地域から来た人にとっては、その町の大きな魅力として映る部分があるのでしょう!
町のオススメを聞くときはあえて、その土地での居住歴が浅い人に聞いてみると、おもしろい新たな発見があるかも!?
そんな訳で、小浜市には未発掘の場所が、まだまだありそうな予感がした発掘調査でした!
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