見出し画像

【エッセイ】そんなつもりはなかったのに、予告編を見過ぎて、映画館に足を運ぶことがある

映画を観ることが好きだし、映画館に行くこと自体も好きだ。
観たいと思った作品は、なるべく、配信前される前に映画館に観に行くようにしている。
 
学生時代は、映画館に行くというのは、そこそこのイベントだった。
だからこそ、観に行く映画選びは重要であり、絶対にハズレは引きたくないと思っていた。
 
大人になって、ある程度自分で時間を作れるようになると、映画館に行けること、行くことが増えてきた。
それに、観に行った映画が、自分の趣味嗜好に合わなかった時も、許せるようになったというか、「次観る映画が、自分の好みだったらいいじゃん!」というように、気持ちの切り替えができるようになってきた。
 
こんな感じで気持ちの切り替えがすぐにできるくらいには、映画館に足を運んでいると思う。
映画館に足繁く通うようになると、全く観るつもりはなかった映画を、後日、見に行ってしまう自分がいることに驚いたことがある。
 
映画館に行くときは、ギリギリではなく、余裕を持って、最初の予告編から観たいタイプだ。
そうすると、同じ時期に映画館に行くと、観る映画によって多少の違いはあっても、流れる予告編は同じ作品であることが多い。
 
映画館で流れるよく映像を観て、初めてその作品の存在を知ることも多いのだが、予告編の感じを見て、「自分の趣味じゃない」、「映画館では観なくていいかな」、と判断して、観に行かないことも多い。
ただ、何度も同じ作品の予告編を見ると、次第に、説得というか、洗脳されていくような感覚になってしまうことがある。
 
その結果、出先で時間が空いてしまった時や、予定の前に時間に余裕がある時に、何か映画を見ようと思った際、特に観たい映画がない場合の、選択肢の第一候補として、予告編が印象に残っていた映画を観に行くことがある。
 
何度も予告映像を観ていると、自然とハードルを上げてしまっているのか、自分の中のハードルを超えてこないこともある。
その分、自分の好みに合う、面白い映画を観ることができた時は、ギリギリに映画館に行かずに、予告編を見ていた過去の自分に、良い映画と出会わせてくれたことを感謝したくなる。
 
最初は全然興味がなかったのに、何かの気まぐれで付き合ってみると、相性が良かった。
……ではないけど、人も映画も、自分のアンテナに引っかかっていないだけで、運命の相手がいるのに、気づかないでしまっていることもあるだろう。
 
そう考えると、予告編を1回見ただけでスルーした映画の中に、実はその年の、いや、人生のベスト映画が隠れているかもしれない。
 
人との出会いが一期一会であるように、映画との出会いは、一期一映であり、どんなきっかけだったとしても、新しい映画を観るのはいいものだ。
人生を変えてくれるかもしれない映画との出会いのきっかけが見つかるのなら、時間に余裕を持って映画館に向かうのも悪くないし、足取りも軽くなるだろう。
 
#エッセイ
#映画館
#映画にまつわる思い出
#自己分析
#予行編
#予告編過剰摂取
#予告編洗脳
#説得
#意外な出会い
#一期一会
#一期一映

いいなと思ったら応援しよう!