能登半島地震における旅館の記録55
あっと言う間に11月も中旬となりました。旅館の建物自体の動きはなかなか進みませんが、社長と私、そして統括部長もこの1ヵ月は石川県を出たり、多田屋にいらっしゃる方々に1月1日の事や今後の事などをお話させてもらっています。その間、スタッフ皆が旅館を守ってくれるので安心して私達は活動する事が出来ています。本当にありがとう。
10月27日 ボランティアデー
この日はスペシャルゲストに永松真紀さんが登場!旅館の記録⑱でも紹介したマサイ族の第二夫人。多田屋とのご縁があり、以前に多田屋のフロントスタッフを務めてくれていた永松さん。みんなに激励の言葉をかけてくれた。もともとマサイの人は災害があっても自然と共存しているので乗り越えるという観念ではなく、あるがままに生活していく力があると話してくれた。自然との共存。私達は自然の中で生かされているんだという事を改めて実感する話であった。
NEW多田屋がオープンする時はマサイの戦士達が来てくれるかもしれない!
そして多田屋のみんなでマサイ戦士達にも会いに行こう!
11月3日 「和倉復興めぐる市」
和倉の品物が『めぐる』。各旅館、そして多田屋にも思い出の品がいっぱい。営業の再開がまだまだ先になる中、美湾荘の若女将さんが発起人となり、旅館の品を大切に使って下さる人に。
~イベントに参加してくれたスタッフより~
本日開催された和倉温泉めぐる市の速報です。鉄鍋や土瓶蒸しなど冬らしい商品は早々に完売して何度か在庫を取りに来る事態になりました。ほとんどの商品が完売、在庫わずかとなったほか多田屋の缶バッジやポーチも気持ちよく売れて「復活したら泊まりに来るね」と嬉しいお言葉を頂戴することも多数でした。地元の方はもちろん金沢富山の近隣の方、東京や大阪からの方も見かけられる大盛況となりました。合計来場者は1000人を超え、どのブースも予想外の集客に嬉しい悲鳴をあげているようでした。
11月11日 ボランティアデー
めぐる市後もまだまだたくさんある旅館の備品。あの揺れの中、踏ん張った食器たちを皆で丁寧に仕分けする。客室係のスタッフは食器を見るだけで、どの料理に使っていたかを瞬時に答える事が出来る。さすがプロだ。
ある小説家の大先生が、震災後から能登や和倉に想いを寄せてくれている。そして多田屋を訪問して下さり、社長は大切な時間を過ごさせて頂いている。その大先生が私のnoteを見て下さっており、「書き続ける事は大変だ。でもこのnoteが更新されていないと心配になるから頑張って!」まさか大先生のからのお言葉…。どう表現していいかわからないが、芥川賞と直木賞をダブル受賞したようなお褒めの言葉ではないか!と勝手な解釈。すごく嬉しかった。このnoteは何気なく始めたわけではないけれど、使命感というよりは能登の美しさや人の優しさを、私目線にはなるが、ありのままに伝えていければと思う。
続く…