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わかおの日記31

今日は憎たらしいほどのいい天気であった。こんな日には壁当てをするに限る。ぼくは、わくわくしながら遊水地に向かったものの、前日の雨のせいで遊水地はすっかり浸水しており、入り口にカギがかかっていた。遊水地というのは本来水をためておく場所なのであって、こうなっていることは想像に難くなかったはずだ。

ぼくは肩を落としながら、どうしようか真剣に考えた。その結果、田無にあるバッティングセンターに行けばいいじゃない、という妙案が浮かんできたので、全速力でペダルをこぎ、バッティングセンターに向かった。バッティングセンターに自転車を止め、いざ打たんとした矢先、ぼくはあることに気付いた。財布を忘れていたのである。このうっかりさんめ。もう19歳にもなるのに、まったくかわいいやつである。ぼくは、バッティングセンターのおじさんに「ちょっと財布を置いてきちゃいましてね……へへ……」と言い残し、一度家に帰宅した。

それから必死の思いでペダルをこぎ、もう一度バッティングセンターに出直して、打撃練習にいそしんだが、まったく打てなかった。古き良きアーム式のバッティングマシーンとの相性がすこぶる悪いのである。かつて「宝仙の秘密兵器」と謳われた打棒はすっかり沈黙し、時速100キロの遅球に空振りする悲しき扇風機と化してしまった。ひさしぶりにバットを振ったので、非常に疲れた。

そして帰宅し、しばらくごろごろしたのち、日吉へ出かけた。日吉に行くのは随分久しぶりである。久しぶりに通学すると、改めて大学が遠くにあることを思い知らされる。非常に憂鬱である。前々から友人と、サウナに行こうと約束していたので、そのための通学である。日吉駅からほど近い日吉本町という駅で待ち合わせして、「日吉湯」へと向かった。個人的にこの友人とは、なんだかとても波長が合うような気がしている。サウナに入り、水風呂に浸かった後のダウンタイムに、「そういえばバイト始めたの?」と彼に訊いてみたところ、彼は「バイトしなくても、いきていけるんだよなあ」とへらへらしながら答えてくれた。その感じをみて、やはりこのひとはぼくと同類だと思い、非常に親しみを持った。明日がぼくの誕生日であることを教えたら、バイトをしていないのにラーメンをおごってくれた。持つべきものは友達である。なんだかんだ言っても、ぼくは人には恵まれているのかもしれない。

追伸 ラーメンを食べた後、唐揚げと寿司とケーキを爆食いしたので、いまのぼくは限りなくヒカキンに近いです。

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