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わかおの日記330

旅行やバイトなどがあって、体感的にはめちゃくちゃ久しぶりの休日。バイトがなければ、それは休日のはずなのだが、旅行は休みじゃないと認識している自分がいる。

朝起きて、本を読みながらしばらくクネクネした。高橋源一郎「優雅で感傷的な日本野球」を読んだ。この人の書くものは本当に訳がわからないが、訳がわからないのに面白すぎてすごいと思う。

訳がわからないのに面白いものを書ける人を自分は尊敬する。自分が書いたもので、訳のわからないものなど、何一つとしてないから。訳のわかるユーモア。訳のわかる描写。訳のわかりすぎる文学。訳ばっかり。

腹が減ったので、自転車を漕いでラーメンを食べに行く。財布にお金が入っていなくて、やめようと思ったけれど、冷蔵庫には何も入っておらず、松屋もコンビニも嫌だったので、行動力を振り絞った。店の横のいなげやに自転車を停めて、様子を伺ってみると、珍しく結構並んでいた。

ここでも逡巡、いなげやで適当になんか買って食えばそれでいいんじゃないかとも思ったが、それにしては口が横浜家系を欲しすぎていたので大人しく並ぶ。

ぼくは吉村家にも、神保町二郎にも、あのオランダ軒にも並んだことのある男だ。外待ち6人ほどではへこたれない。

自分の前が家族連れで、父、母、小さい息子がふたりだった。多分父親の強い希望により来店したのだろう。父親は嬉しそうながらも、ずっと少し申し訳なさそうにしていた。結婚したら休みの日にラーメンを食うのも、そういう感じになるんだと、少し暗い気持ちになった。外から店の中を覗こうとする下の息子の手が窓に触れるのを、母親がピシャリと払っていた。

そんでラーメンを食したものの、午後に何か頑張る気にもならず、というか何を頑張ればいいのかもよくわからず、昼寝してしまった。頭のほうもはっきりしなく、なんだかぼやけた感じだったので、サウナでもかますかと思って、チャリを漕ぎ近くの銭湯に行った。

開店すぐの銭湯は、ちょうどいい感じに空いてはいたのだが、サウナは完全に、常連であろう中高年の談話室になっていた。

井川さんが、最近集まりに顔を出さない。病気にでもなったのかと心配していたが、どうやら仕事はしているらしい。ということは、井川さんに春が来て、彼女ができたから忙しくなったんじゃないかとみんなで噂をしていた矢先、いつもの店に井川さんが美人な女性を連れてきた。店のママが興奮して柳下さんに電話したのだが、柳下さんは土曜日休肝日にしているから、結局店には行かなかった。あとからサウナ室に入ってきたタクシードライバーのおじさんが言うには、その女性は井川さんの妹らしい。一同爆笑。

サウナと水風呂を2往復する間に、おおむね上のような内容のゴシップを入手して、帰った。足で情報を稼ぐとはこういうことを言うんだと思った。


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