わかおの日記97
当然のように朝は貯水池に行った。メディシンボールを少し投げたあと、壁あてをしていたら保育園児たちが大挙して押し寄せてきた。どうやら午前中のこの時間というのは、かれらのお散歩の時間らしい。ぼくの方が先にこの場所をとっていたのに、こうなったら百対ゼロでぼくが悪い感じになってしまう。子どもがそんなに偉いのか。ぼくだって少年の心を忘れてはいない。仕方がないので練習もそこそこに貯水池を引き上げた。なんだか惨めだった。
決してこの冬の間は切るまいと髪の毛を伸ばしていたが、2ヶ月足らずで限界を迎えてしまった。もみあげが無秩序に生え散らかり、襟足は鋭く上を向いて生えてくるという、最高に不潔かつ不便な髪型になってしまったのだ。ぼくは意を決して床屋に行くことにした。顔剃りこみで衝撃の2000円という、激安床屋に行った。価格の割には腕がいいので、ぼくは非常に重宝している。相当な量の毛を切ったので、とても時間がかかった。そのあいだ店内ではずっーとFM横浜が流れていた。なんで西東京市でFM横浜のラジオをかけているんだろうと不思議に思ったが、ついぞ聞くことができなかった。
午後は原稿のノルマを終わらせて、家庭教師に行った。数学が全くできないのに理系に行きたいと言い張っていた教え子が、なぜか地理のテストで高得点をたたき出していて面白かった。確かに地理学部ならば数学が全然出来なくても入れるだろう。地理というのは面白い教科である。ぼくの高校では東大受験者しか地理を選択できなかったが、個人的には全員履修する価値のあるものだと思う。
ようやく短編のアイデアがひとつ出てきた。あとはこれを成長させて書くだけである。明日から授業を受けねばならぬと思うと気が重いが、楽しくいきたいものだ。