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政治とお金の問題

自民党議員の一部派閥が「派閥主催の政治資金パーティー」の収入のうち、各議員に定められたノルマを超えた分を「議員自身の政治団体の収入とする」という運用をしていたことが問題になっている。
より厳密に言えば、この様な運用自体は政党内やその中の派閥内で合意してやる分には問題ない。だが、それを正しく報告書に記載しなかったことが政治資金規正法に違反するということで、既に一部の者は刑事事件として立件されている。そしてその事を派閥の幹部が知っていて黙認した、あるいは指示した事が問題となっている。

政治資金収支報告書の記載漏れだけで、お金は議員自身の政治活動に使われた、というのであれば政治資金規正法違反事件にとどまる。しかしもし仮に、自己の政治資金管理団体に入金した資金を私的に流用したとすると、課税逃れということで脱税事件となる。さらに、状況によってはいわゆる「資金洗浄行為」に該当する可能性も有る、という指摘も有る。この点については、筆者としては「可能性として否定は出来ないが、法的に資金洗浄と認定し処罰するのは現実的には不可能に近い」という立場を取っている。

或る議員は自分自身を褒め称える内容の書籍(いわゆる「ヨイショ本」)を大量に購入していたことが発覚している。大量に購入することで、直接的には「ヨイショ本」の著者に印税が入る。ベストセラーランク入りに貢献するなどで、間接的な便宜を著者に供与することが出来る場合も有るといわれている。これ自体は法的にグレーゾーンで明確に犯罪とは断定できない。しかし、購入した書籍を選挙区内の有権者に配布すれば公職選挙法で禁止された「寄付」に該当すると思われる。

首相以下、何名かの議員が政治倫理審査会の場で説明するということになったが、宣誓しての証言ではないので、どこまで本当のことを言っているか不明な部分もある。そして与野党の勢力の開きがあるため、徹底追及されないままとなる公算が高いのではとも考えられる。

3/2 追記
今朝の朝刊などを見ると、2日間にわたって開かれた「審査会」での各議員の発言は誠意を欠き、矛盾点もみられたという。自分の関知しないところで秘書がやっていた、というような責任回避もみられた。ここはたとえ議席数で劣勢であっても、野党が存在感を示して真相の解明に尽くして貰いたいと思う。

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