多様な学生と会わずにチームプロジェクトをやる方法:ガチ母子留学日記
昭和時代に大学生だった方には、どうやって今の学生が勉強しているのか興味があるかもしれない。お子さんがいる方は多少分かっているかもしれない。でも実際に時代を超えて、平成時代にシリコンバレー界隈で大学院生活を送ってみて、驚いた。PCでググったりできると言うのは以前に書いたことがあったけれども、それ以外にも使えるツールがバンバン出ていて、何て便利な世の中。そもそも学生はパソコンでノート取るのか?という点では、殆どが紙ベースでノートを取っていた。授業を聞かずにYoutube見ているなんて事のないように、パソコン持ち込み禁止の授業もあった。テーブルも狭くてパソコン置けない教室もあったし、それに授業時間が長いのでPCの充電が充分に出来ない場合も多い。
それより何より、私の選んだ大学院は、全米で一番安価なMBAコースを提供していた。なので当時全米でも三番目か四番目に入学者数が多かった。安価=比較的貧しい国の学生も目指す事が可能。パソコンを持っていない生徒も多かった事もあるかもしれない。実際に大学院にはパソコンルームがあったし、図書館にも学生が使えるパソコンがあった。
他の学部はどうだか知らないけれど、MBAと言う事なので、アカウンティング以外の授業は全部学期末にプレゼンがあった。そして必ずチームワーク。むしろこれを学ぶ為にMBAはあるとまで言われている。それぞれ忙しいし、インターンしている人もいるし、家も遠いし、価値観も違うし・・・どうやって進めていくのか?と心配したけれど、色んな方法があって助かった。もうすでに古くなっているものもあるけれど、2014年から2018年にかけてそれぞれのツールをどの様にグループワークで使ったかをいくつか紹介。
Google系
Google Doc
チームで使え、文書処理出来る。つまり複数の学生が同時編集可能。今までならばワードがチームメイトから送られてきて、それをPCにダウンロードして、編集して、セーブして、それをまたチームメイトに送って・・・どんどんどれがどれだったか分からなくなる。それが、Docだとチームメイト全員で同時に書き込み出来るし、閲覧のみの設定でシェアすることも出来る。クラウド上に残るので、どこからでもアクセス可能。携帯にもアプリを入れていたので、移動中でも宿題が出来る。例えばチームの課題が決まると、それぞれ役割分担をし、〆切を決める。(だいたい私の役目だった。日本人得意かも。)他のチームメイトの進捗状況も分かるし、他の人の意見やデータを元に、全体の流れも見ながら理解度もアップ出来る。参考文献もみんなで見つけて、どんどんアップするといった事も出来る。一人でやるより情報も早いし、リンクも貼ってくれるので、すぐに検索も出来る。電車の中でも参考文献を探していて、すぐにリンクをコピーしてDocに入れる事も出来るし、時間を最大に有効利用できた。
Google Spreadsheet
こちらもdoc同様チームでシェアしながらアップデート出来る。エクセルと同じ機能。これはあんまりチームでシェアすることはなかったけれど、ROI計算とか会計系の意見交換するときに使った。こちらもアプリがあるので、どこでも更新出来る。
Google Form
これはアンケート作成出来て、チーム内の意見をまとめたり、プロジェクトで調査したりする際に利用。自動的にSpreadsheetへ回答を飛ばす事ができて、めちゃくちゃ便利。アンケート結果を写し忘れたり、間違えたりする事もないし、相手が記入した時間なども分かる。Form自体には回答内容によっては自動的に円グラフ化してくれる。
Google Slide
これはパワーポイントをシェア出来る。こちらはめちゃくちゃ利用した。と言うのも、学期末のプレゼンテーションは必ず全員が発表するので、誰か一人が纏めたり、全員で相談しながら作ると言うことは一切しなかった。日本の学校ではどうなのか分からないけれども、多様な生徒が集まる大学院では、まとめるのは至難の技。それぞれデータ分析するパートをやる人、ビジネスプランを発表する人などなど割り振って、発表時間によって一人当たりのスライド量も決めた。これも同じく可視化出来るので、人によってはゴリゴリ情報を埋めまくっていたり、全くポイントからズレている人がいた場合、すぐに気が付いて伝えることが出来る。教授によっては、チームワークだけれど、基本的に個人パフォーマンスだけを見てくれる場合と、反対に連帯責任的にチーム全体に成績を出す教授もいた。なので個々に見てくれる場合は別として、殆どの場合チーム連帯責任型だったのでこれまた必死。タイムマネジメントする人間がいないと、もうグダグダ。後々の日記でも登場するけれど、毎回もめて大変だった。
さてこのブラウザ利用するGoogle系ツール。携帯でも、パソコンでも利用できて、オフラインでも利用出来る。全員で編集・コメント記入・閲覧のみと言うようにその都度決めて、人を選んでシェアする事も出来る。データは全てクラウド上にあるからうっかりデータが消えた!とかUSBにデータを持ち歩かなくてもいい。プリントアウトするのを忘れてしまって学校に行っても、学校のパソコンからプリントアウト出来る。プレゼンの際にそのまま学校のパソコンから立ち上げて使う事ができる(プレゼンについてはまた別の機会に更に深掘り)。
ところが!気をつけなければならないデメリット点もある。
*機能がオリジナルのワードやエクセルより若干少ない
*全員で編集可能にしていると勝手にどんどん消してしまう人がいたりする
*編集した内容をを元に戻したい場合は、編集した本人が『元に戻す矢印』を押さなければ出来ない
*スプレッドシートについては、エクセルにコピペした時、表計算の計算式が全て数字のみになる
*スライドに関しては、パワーポイントにコピペしたら、PDFの様にスライド一枚全体が貼り付けられた状態になるので、後々編集が出来ない。
皆でチャットする時に利用。宿題をやりながら指摘したい部分なんかもここでやりとり。電話やビデオコールも出来る。LINEみたいなものだけれど、世界的に見るとLINEは殆ど知られていない。韓国人がちょっと知っているくらい。だいたい新学期がスタートし、チームが決まったら、携帯番号で登録出来るWhatsAppでグループを作るところから始まった。
Survey Monkey
Google form同様アンケートが作れる。回答に対してもっと詳しい分析をしてくれるけれど、有料。Formが出来るまでは、10問までの質問が無料だったこのサービスを利用していたけれど、Formが出来てからはほとんど利用していない。
Digital Library
電子図書館。オンライン上にいくつかあるし、大学院が提携している有料電子図書館もあった。プレゼンや卒論の際には随分利用した。実際に図書館に行かずに資料を探せるので便利。
https://www.wdl.org/es/
Canvas
オンラインでも授業でも使われるプラットフォーム。アメリカの殆どの大学がこのシステムを利用しているのではないか。宿題もこれで出す教授もいるし、シラバスや必要教材などもここに上がってくる。一学期の学習内容が既にアップされているので、予習復習にも役立つ。宿題は後何日とか後数時間で提出という様にカウントダウンされているので便利。反対にオンライン上で宿題提出する場合、1秒でも遅れると提出出来ない。電車が遅れて・・・とか時計が遅れて・・・という言い訳は無用。
Grammarly
GmailやGoogle DocやSNSでの文法を自動チェック、変換してくれるツール。英語が第二外国語な生徒にとっては神的なツール。
Plagiarism Checker
自分が提出する宿題が盗作ではないかどうかのチェック。昭和時代にはコピペも出来なかったけれど、盗作かどうかを調べるのは困難だった。このようなチェックをしていない宿題は受け付けてくれない教授も。先ほど説明したCanvas内の宿題提出前に、この機能を組み込んでいる教授もいる。もちろん卒論もこのチェックを入れる。私の通った大学院では、学校側に卒論をそのまま提出すると、独自でチェックして何%盗作の可能性や、似通った意見が入っているかが計算されて返信が来る。仮に文章を引用していたとしても、10−15%以下である必要がある。ちなみに卒論に関しては10%以内で受付てくれる。コピペなどが簡単に出来る時代ならではの仕組み。これに関しては、アメリカの大学ではかなり厳しい対応をしている。(日本についても同様かと思われる。)
ざっと思い出したところはこんなところ。図書館やファミレスや喫茶店で集まるのが当たり前だった昭和時代とは違って、平成時代は新しい形のチームワークを求められた。zoom、Skype、Google MeetsそしてRemoなどなど、オンラインビデオツールもあるけれど、それぞれ個人のスケジュールが合わせられない場合、こういうデジタルツールは非常に役立った。実際にプレゼンやチームプロジェクトでは、チームで集まったことは殆ど無かった。
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