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身延町・みのぶ農泊地域連携協議会が「持続可能な農泊モデル地域」に選定

わかなです。

山梨県身延町にあるみのぶ農泊地域連携協議会が、「持続可能な農泊モデル地域」に選定されました。この地域は、750年以上の歴史を誇る仏教文化を背景に、精進料理や伝統的な日本文化体験を提供しており、国内外からの注目が高まっています。

農泊とは?

「農泊」とは、農山漁村に宿泊し、地域の自然や文化に触れながら、食事や体験を楽しむ滞在型の旅行スタイルを指します。特に、都市部では味わえない地域の特色を活かしたアクティビティや、地元の食材を使った食事が魅力です。農泊は、観光全体の平均宿泊費14,069円に対して、平均宿泊費12,127円と比較的リーズナブルであることが特徴です。そのため、農泊をより魅力的にし、価値を高めることが今後の課題となっています。

農林水産省は、農泊地域での年間延べ宿泊者数を令和7年度までに700万人泊にすることを目標に掲げており、新規来訪者獲得や滞在の長期化、リピーター化を目指しています。また、体験コンテンツの充実や物販の拡充、関係者との連携強化を通じて、地域での消費機会を広げ、農泊の高付加価値化に向けた取り組みが進められています。

身延町の魅力と歴史

身延町は、日蓮宗総本山である身延山久遠寺を中心とした歴史ある門前町です。宿坊が点在していて、訪れる人々は仏教文化に基づいた修行や瞑想体験を楽しむことができます。長い歴史を持つ寺院の静寂な雰囲気の中で、心を落ち着ける時間を過ごすことができる点が大きな魅力です。

さらに、宿坊で提供される精進料理は、肉や魚を使わないヴィーガン料理として、特に海外からの観光客に人気があるそうです。身延町で使われる「あけぼの大豆」は「幻の大豆」とも呼ばれ、GI認定を受けた高品質な食材とのことです。この大豆を使った料理は、健康志向の高い外国人観光客やベジタリアン、ヴィーガンの方々にとっても魅力的でだと思います。

欧州や日本文化ファンへのアプローチ

今回の選定プランでは、欧州の日本文化に興味を持つ層や、日本料理を学びたい外国人を新たなターゲットとして、宿坊を活用した体験型プログラムを提供する計画が進められています。このプログラムでは、宿泊を含めた仏教体験や、精進料理を学ぶ機会を組み合わせ、より深い日本文化の理解を促進する内容となっています。

農林水産省は農泊のインバウンド受け入れ促進を目指し、年間の農泊宿泊者数に占める訪日外国人旅行者の割合を10%に引き上げる目標を掲げています。そのために、全国で「農泊インバウンド受入促進重点地域」として40地域程度を選定し、農泊の魅力を強化する取り組みが進められています。身延町も重点地域になっていて、外国人観光客の受け入れを強化しているようです。

「持続可能な農泊モデル地域創出支援事業」

「持続可能な農泊モデル地域創出支援事業」は、農山漁村振興交付金を活用して、持続可能な農泊のモデル地域を創出し、育成することを目的とした取り組みです。事業は株式会社JTB総合研究所が実施しており、全国から選定された5つの農泊地域に対して、伴走支援を行うことで、その地域が「○○な農泊といえばここ」と言われるようなモデル地域となることを目指しています。

選定された地域には、専門家による伴走支援や全国への情報発信・横展開が行われ、農山漁村地域の活性化や観光に親和性の高い企業による協賛も受けられる仕組みとなっています。

持続可能な観光モデルの実現

(写真)みのぶ農泊地域連携協議会 提供

JTB総合研究所が実施する「持続可能な農泊モデル地域創出支援事業」では五つの取り組みが選ばれました。

みのぶ農泊地域連携協議会の取り組みは「750年の仏教文化体験×精進(ヴィーガン)料理×本物の日本体験ができる農泊」。

同協議会は、地域の伝統や自然を大切にしながら、持続可能な観光モデルの実現に向けた活動を続けています。この観光モデルは、地域資源を活かした観光を通じて、環境に配慮しながらも、観光客にとって豊かな体験を提供することを目指しています。具体的には、仏教文化や精進料理、農村体験を融合させたプログラムを提供し、地域の魅力を最大限に活かすとともに、訪れる人々に心身の癒しをもたらす「ウェルネスツーリズム」の観点も取り入れています。

ウェルネスツーリズムとは、旅行を通じて身体的・精神的な健康を追求する観光スタイルです。身延町は、歴史的な仏教文化に基づく心の安定や癒しを求める観光客に対して、特別な体験を提供する理想的な場所です。宿坊での瞑想や修行体験は、都市生活でのストレスを抱えた現代人にとって、リラックス効果をもたらします。体に優しい精進料理も、健康志向の高い観光客にとって魅力的で、ウェルネスの要素を十分に満たしています。

ウェルネスツーリズムを中心に据えた観光プログラムは、地域の持続可能な発展や地域再生にも貢献します。環境への負荷を最小限に抑えながら、地域の自然資源や伝統文化を大切に守りつつ、観光を通じて地域経済の活性化を図ることができます。

今回の「持続可能な農泊モデル地域」に選定された身延町のプランは、観光庁が推進する「持続可能な観光」の先駆けにもなる、観光とウェルネスを組み合わせたツアープログラムとしても、注目です。

身延町は、外国人観光客が日本の仏教文化や農村体験を通じて、心身のリフレッシュを図る場として人気を集めています。ウェルネスツーリズムのニーズが高まる中で、身延町はその自然環境や歴史的文化を活用し、ウェルネスに焦点を当てた観光モデルを確立していくことが期待されています。


みのぶ農泊地域連携協議会 概要

  • 協議会名:みのぶ農泊地域連携協議会(山梨県身延町)

  • 事務局所在地:山梨県南巨摩郡身延町東谷3510番地(覚林坊)

  • Webサイトみのぶナビ

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