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トレース 感想
真実のかけらを探して/1話
昨日、月曜日に放送された『トレース 科捜研の男』を見た。
主人公である科捜研研究員の真野さんは、刑事のカンをフル活用して推理を披露する、ベテラン刑事の言葉を、
気持ち悪い。話していることには証拠がなく、全て憶測でしかない。
とぶった斬る。
そう、このドラマの真骨頂は、真野さんのギャップだと思うのだ。
ベテラン刑事 虎丸さんに向ける視線と、真実のかけらを見つけるために新人研究員沢口さんを勇気づける時の視線との差が、最後お母さんに語りかける時の声のトーンが全く違う。
昨日普通に生活していたんだ、君と同じように。
毎日仕事して、飯食って、友達と酒飲んだり、恋人とデートをしたり、そんな毎日がずっと続く、きっとそう思ってた。
それと度々映る、真野さんの痛ましい過去の描写。
これまでの過去のドラマを見ても思うけれど、やはり事件に関わる仕事に就く人は、事件に関する経験をしているような。アンナチュラルしかり、99.9しかり。
事件で向き合わなきゃならなくなった人が、自分のような人を出さないために。という思いになるのだろうか。
事件に関する仕事をするドラマで描かれる人は皆、自分の仕事にプライドを持っている。
科捜研の真野さんも『真実のかけらを見つける、それが俺たち科捜研の仕事だ』『鑑定結果こそが真実だ』っていい切る。
そんな科捜研の鑑定で決定的な真実が明るみになるけれど、その前に鑑定によって、感情的な言葉で、心を動かされるシーンがあった。
人は人によって動かされると言うけれど、それってすごく属人的で。うまく伝えられる人はいいなって思っていたけれど、今回動かされた理由の大きなものに科学的なものがあった。そこで鑑定結果という動かぬものの存在の大きさをまず感じた。
事件の起きた日、被害者はぼろぼろになりながらも、叫ぶ。
私の価値は私が決める
この世に幸せになっちゃいけない人間なんて、いない
これらはどれほど強くて、希望をくれる言葉だろう。どこからどうみてもしんどい環境で、でも幸せになることを諦めてなくて。
そんな人なのに、紛れもなく幸せになるべき人なのに、どうしてこうなるのって。
全て明るみに出て、あと残された人にできることは「幸せになること」
お母さんを救うために、生まれてきた。
人は誰かを幸せにするために、
幸せになるために生まれてきた。
知らないことの不幸/2話
誰も悪くない、しかし最高の結末ではない。
真実を知ることで遺族は救われる。
知らなかった方がまし、何の救いにもならない。
どんな真実であっても、知らない方が良かった。と零す沢口さん。
進めない暗闇の中で立ち止まっているのは何より辛い。真実を知ることでまた歩き出せる。