机上のジェノワーズ(共立て法・スポンジ)

パータ・ジェノワーズ(フランス語)とは、卵を卵白と卵黄に分けず、全卵を泡立てて作る、いわゆるスポンジのこと。

卵白を泡立てるメレンゲより共立ての方が取り込む空気の量は少なくなるが、きめが細かく、しっとりとした焼き上がりになる。
卵の気泡は油分をくわえると潰れやすくなるが、共立ての方が潰れにくいので最後に溶かしバターを多めにくわえてコクを出すのにもよい。

難点は、メレンゲより全卵のほうがしっかりと泡立てるのが難しく、泡立て器を使って手で泡立てるのは相当難儀。
湯煎にして人肌に温めるのもちょっと手間だ。
1個ならともかく、2個以上使うならハンドミキサーを使った方がよさそう。

丸形スポンジ生地

それでは数あるレシピの材料を平均化していこう。
作るときのことを考えて卵1個単位で、そのほかの材料がどんな配合で使われているかをまとめてみた。

卵1個分に対して
 薄力粉 29.03g
 グラニュー糖 28.96g

 ●バターのみ 10g

 ★バター 6g
 ★牛乳 6.1g

 ◆バター 5.8g
 ◆食物油 5.45g

卵1個に対して薄力粉とグラニュー糖はそれぞれ30gという割合のレシピがほとんどであった。
調べた共立ての丸形スポンジレシピでは、すべてバターが使われていたが、バターのみ使われていたレシピが4割ほど、バターと牛乳が使われていたレシピは6割弱、わずかであるが、バターと食物油を使っているレシピがあった。

少しの差でしかないが、バターを入れる量の違いはなんであろうか。
風味付けやパサつきを押さえるため以外のバターを入れる理由として、わざと泡をつぶしているという説がある。
膨らみすぎると焼き縮みが起こってかえって目が詰まったようになってしまうことと、中央部分が膨らみすぎてスポンジケーキの土台としてきれいな形ではないからだとか。
このあたりは実際に作ってみないとわからない。

それはさておき、机上で形を整えてみましょう。
卵1個分の材料で直径12cmの型、2個分で15cm、3個分で18cmのスポンジが焼ける。

直径18cmの型で焼く共立てスポンジの机上のレシピ

 卵 3個
 薄力粉 90g
 グラニュー糖 90g
 バター 18g
 牛乳 大さじ1(約18g)

 ※バターのみを使う場合 30g

シート状のロールケーキ用生地

共立てで作るロールケーキ用の生地もまとめてみた。
薄力粉の量は丸形のスポンジより少なめ。
こちらでは調べたすべてのレシピで牛乳か生クリームを入れていた。バターを併用していたのは約半数。
ロール用の生地では丸形よりカサが低く、焼き縮みも少ないので、より軽くふんわりと焼き上げる配合になっているといったところでしょうか。

平均化した机上のレシピは以下の通り

一辺が25cm程度のシート状スポンジの机上のレシピ

 卵3個
 薄力粉 75g
 グラニュー糖 75g
 バター 21g
 牛乳 大さじ1(約18g)

 ※牛乳のみを使う場合 30g

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?