机上のフィナンシェ
古いレシピ本には載っていないこのお菓子。
日本で知られるようになったのも比較的最近のこと。フランス発祥の焼き菓子で、金持ちという意味があり、金の延べ棒のような形をしているからこの名がついたという。
マドレーヌを思わせるフォルムだが、材料はまったく異なる。
マドレーヌが全卵を使うのに対し、フィナンシェは卵白のみだ。
バターの扱いもそう。マドレーヌは湯煎で溶かしておくだけだが、フィナンシェは鍋に直接入れて焦がしてしまう。
あとはアーモンドパウダーを使うのも特徴だろう。
それでは材料を平均化していこう。
パンを作るときの配合として、ベーカーズパーセントという表記の仕方があって、これは小麦粉100に対してほかの材料がどれくらい配合されているかを示したものである。
なので、できあがり個数も重量もバラバラなレシピをいったん統一するために、薄力粉10gに対してどのくらいの配合かを算出してから平均化した。
薄力粉10gに対して。
アーモンドパウダー 12.5g
卵白 26.12g
グラニュー糖 26.37g
バター 23.25g
基本の材料はこれだけ。
薄力粉とアーモンドパウダーは同量程度、卵白とグラニュー糖、バターは同量程度というレシピが多かった。
だいたい10個分だとこのくらいになるのかなと、形を整えてみる。
そう、これがフィナンシェの机上のレシピだ!
フィナンシェの材料
薄力粉 30g
アーモンドパウダー 30g
卵白 75g
グラニュー糖 75g
バター 75g
焼き時間は180~220℃と、比較的高め。
どうやら、焦がしたバターだけでなく、生地も少し焦がし気味が良いようなのだ。
はちみつが入っていたレシピは半数ほどあって、これも焼き色を付けるのに一役買っていると思われる。
入れる量は上記の分量だと大さじ1/2杯程度を追加する。
作り方は簡単。
卵白も泡立てず、混ぜていくだけ。
焼き菓子は小麦粉を入れたら練らないという鉄の掟があるが、このお菓子は例外なので、粉っぽさが残らないようにしっかりとあわせてから焦がしバターをくわえる。
あまり膨らまないお菓子なので型には九分目くらいまで入れても大丈夫。
さぁ、想像してみることにしよう。
これはどんなお菓子になるのかと。
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