机上のレシピからの脱却 蒸しパン編
平均化したレシピを元に実際に作ってみました。
ひとくちに蒸しパンといっても材料の違い、配合の違いで蒸しあがりの状態に違いがあることに気づきました。
上部が割れるのはどんなときか、実験開始です。
牛乳 75cc
砂糖 40g
食物油 10g
薄力粉 100g
ベーキングパウダー 5g
上写真左側の配合です。
右側は牛乳を10cc多め、油を入れずにつくりました。
ちなみに、平均的な配合は、薄力粉100gに対し、牛乳は100ccです。
どうして違いが出たのか、水分量が少ないからなのか、油を入れたからなのかわからないので、比較としては失敗したなぁと思います。
ある程度までは水分量が少ない方が良く膨らんで割れやすいようです。
ただ、水分量が少なく重ための生地なので、食味としてもかなりずっしりとしています。冷めるとなおさら固く感じます。
甘酒入りとマーラーカオ
甘酒入り蒸しパン
牛乳 50cc
甘酒のもと 60g
砂糖 30g
食物油 10g
薄力粉 100g
ベーキングパウダー 小1
マーラーカオ
水 10cc
スキムミルク 5g
卵 2個
三温糖 90g
食物油 50g
薄力粉 90g
ベーキングパウダー 小1
上記の写真のうち白い方が甘酒入りです。
今回使った甘酒のもとは自家製です。
最後に加熱処理をしていない物を使ったので、まだ麹の発酵が止まっておらず、膨らみやすかったようです。
というのも、酒まんじゅうがそうなのですが、麹をゆっくり発酵させた物を膨張剤として使っているので、甘酒も加熱処理していない物は多少膨張を手助けしていると思われます。
市販の甘酒だともう少し抑え気味な膨張になるんじゃないでしょうか。
ただ、水分量や油分が少ない蒸しパンの場合、甘酒入りにすることによってしっとりさが出るので食味がよくなりますね。
マーラーカオは平均的な材料を使ってみました。卵と三温糖で色が黄色いです。
こんもりと膨らみますが、やはり、上部は割れないですね。
普通の蒸しパンとの大きな違いは卵を使用していること。そして、油が多めであること。
卵は2個も使用してますが、普通の蒸しパンも牛乳を80~100cc程度使うので、水分量をしてはさほど変わらないです。
卵と牛乳を半々の割合程度で
卵 1個
牛乳 70cc
砂糖 60g
食物油 大1
薄力粉 120g
ベーキングパウダー 小1
薄力粉100gあたりに換算すると、今回使用した牛乳と卵の水分量は牛乳100ccの水分量とさほど変わらないのですが、ふかし上がりはこんもりと膨らんで、上部は割れていないです。
このことからも、やはり、卵を入れない方が割れやすいのではないかと思われます。
卵は加熱すると凝固する性質にあるので、ベーキングパウダーが膨張する作用が充分でないうちに生地が固まってしまうことが考えられるのではないでしょうか。あるいは、膨張そのものを阻害している可能性もありますね。
最大限に膨張しているときに、凝固する温度に到達している。しかも爆発したみたいに上部が割れるには緩やかな温度上昇でもうまくいかないでしょう。
生地の水分量が多くなりすぎない配合で、材料の温度は常温に戻しておき、蒸すときは強火で、そんなところが上部が割れる条件になるでしょうか。
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