詩/焼き肉のタレに逢いたくて
「焼き肉のタレに逢いたくて」
詩 若葉坂道
大さじ3杯の醤油の湖
調味料棚の山間(やまあい)から流れ込む
大さじ1杯の酒とみりん
混ざり合う日本風味の空
大さじ1杯の生姜チューブのひこうき雲が見える
オレは1/2でいいよと雲の上から
ニンニクチューブが降下する
コチュジャンも来ればいいのにと
風に舞う白ごまが言った
わたしも混ぜてよと
冷蔵庫の奥から声が聞こえた
ラップに包まれたのは
頬を赤く染めた食べ残しの林檎
すりおしの雪は静かに溶けていく
香ばしさを欲しがったその景色は
焼き肉のタレの香りがした
買えよ笑
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つぶやきにしようと思ったら140字以内に収まらなかったのでこちらで。すみません。