ぶっちゃけ「投票」より大事なこと。
本当は、ぼくは、政治の在り方は直接民主制であるべきと考えている。それは、国家あるいは県市町村の役目は住民のReproduction(再生産活動。子育て、富の再分配、経済再生、生産と消費のサイクルなど)の支援であり、変化し続ける情勢に対し住民本位のサービスを提供し続けるためには直接民主制が最も望ましい。
この夢物語の中では、議題案件ごとに住民投票を施す。
「そんなことできるはずがない。」
とは、承知の上で、無理やり「毎度住民投票をするにはどうすればいいか?」という想像上のゲームをしてみたい。
まず必要なのは、「毎度住民投票ができる環境やシステム」である。いきなり厄介なステージからのスタートではあるが、このゲームの製作者はタイトルであるラスボスをクリアにすることしか眼中にないので、チート機能を発動したい。
「議題案件は一枚の画像にまとめられ、住民全員のモバイルに表示されます。住民の皆さんは左右にスワイプするだけで賛成反対の意思を示すことが可能です。」
さて、善良なプレイヤーである皆さんは背筋がゾッとし、不快感に駆られてすぐさまこのゲームをアンインストールしたいところであろうか。もうちょっと待って。
「投票という重大な方法で決定し得ることを、そんな何も考えずにできる投票システムでいいはずがない。」
というのが素直なところである。その通りだと思う。ちなみにご都合主義の設定上、投票システムは変えない。となると、適切な判断を行えるような環境の方を変えないといけない。
「投票」より大事なこと。それは、ぼくたち自身が政治家になるということ。ここでの政治家というのは「代表」という意味ではなく、日ごろから身の回りのこととちょっと未来のことに関心と意見を持つということ。端的に言うならば「我が子がいるとして、その息子娘がたくましく独り立ちできる社会を親として創り出す責任」。文科省も言うように子供は「社会の宝」であり未来を担う人財なのである。自分のために投票するという考え方もいいけど、儒教の影響下にあり「絆」、あるいは「義理や人情」といった価値観を基盤とした東洋人である日本人としては、「親分」という文化にあるように見えないつながりのために生きる方がしっくりくると思う。(というより、海を越えれば「ファミリー」という概念もあるので、ある程度人類共通かなと。)真意としては、「投票家」ではなく「政治家」なので、自分本位よりは他人本位の方が少なくともこのゲームの上では望ましい。
ラスボス、クリア。
エピローグ。
自分のモバイルで国政選挙の投票ができる国はあります。世界で初めて国政選挙で電子投票を実施したエストニアは2005年より電子投票制度を採択し続けており、近年ではその公的サービスを他国に売り出してもいます。住民が適切な投票判断ができるようにとこの国では公務員の給料まで情報公開が進んでいます。
ビットコインで有名なブロックチェーン技術を応用し、よりオープンな投票システムを構築する動きも加速しています。ブロックチェーン上では不正ができないという特徴を生かし、自分の票が本当に選んだ相手に投じられているかをチェックできたり、リアルタイムで投票状況が確認できるため、再投票により死票を減らすことも想定されています。
ちなみにぼくは電子政府(ICTを政治行政で活用すること。電子投票やマイナンバー活用など。)を勉強している学生で、公正で透明性と利便性が高い投票システムの構築と確立を目指しています。
選挙に行こう。未来を選ぼう。
文責:神長広樹
(20代・2017年9月〜 エストニア タリン工科大学院電子政府学科 大学院生 筑波大学出身)
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