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ギフトラッピングのススメ。

プレゼントは”物そのもの”に意味があるのではなく、選んでいる時、相手が喜ぶ顔を想像する”その時間”に意味があるのと同じように。

「世界から猫が消えたなら」
川村元気(マガジンハウス)より

たまたま読んでいた本でこの一文を見つけた時、まるで頭の中を覗かれたような軽い衝撃を受けました。なぜならずっと何年も同じ感覚でいたから。


誰かに贈りたいという気持ち

そう、プレゼントは中見じゃないと思うのです。高価なアクセサリーでも、一輪の花でも、手作りのマフラーでも、それが「あの人に贈りたい」と思って選ばれた瞬間に同じだけ大切なモノになります。

誕生日だって、昇進祝いだって、なんでもない日だって、誰かが誰かを思い出し、なにが喜ばれるかなと考えて選んで、贈り物をする、なんてステキなことなんだろう。

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包むことの原点

私は学生時代、京都の雑貨屋さんで4年間アルバイトをしていて、そこで数え切れないほどのギフトを包んできました。そのお店ではラッピングペーパーは2種類、リボンは色違いで3種類から選ぶのだけど、それだって贈る相手のことを考えてから決めるもの。包み方の基礎もそこで学びました。クリスマスやバレンタインの繁忙期にはレジにお客様がズラリと並び、その後ろではラッピング担当がなるべくお待たせしないようにスピーディに、でもキレイに包む。集中力と咄嗟の判断(紙のサイズや包みはじめに物を置く場所など)を求められる嵐のような時間でした。

社会人になりそのお店で働くことはなくなって、同時にプレゼントを包む習慣もなくなりました。たいていのお店では買うときに「ご自宅用ですか?プレゼントですか?」と確認されて、プレゼントだと伝えるとお店側が綺麗に包装してくれますよね。あとはそのまま渡すだけですから。

そこで比較として思い出すのが海外の状況。

海外のラッピング事情

アメリカでもヨーロッパでもアジア諸国でも日本のように丁寧に包んでくれるところなんてまずなくて、アメリカなんて紙袋にくしゃくしゃにした薄い紙を入れて、そこにプレゼントの中身を入れて、上をリボンでチャチャっと結ぶぐらい。

なぜ?

ちゃんと包みたい場合は自分でラッピングペーパーやリボンを買って家で包むからなんですよね。だから海外には本当にステキな柄の包装紙が種類も豊富に売られている。逆に日本は前述の通りお店がやってくれちゃうので、東急ハンズやロフト等で売っている筒状のペーパーは種類も少なく、どちらかといえばシーズナリティが強い(サンタさんや桜柄など)か子供向けのイラストのものが大半を占めているのです。

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↑パリで見つけたお店。

日本にもセルフラッピング文化を

ここ数年考えているのが、「日本人にも自分で包むことの良さを伝えたい」ということ。

冒頭の小説の一節にもあったように、贈り物をするという行為は相手のことを考えている時間とイコール。中身を選ぶのに加えて、その相手に合わせてペーパーの柄やリボンを選んだり、時間をかけて自分で包む、それがより気持ちを伝えることに繋がるんじゃないかなと。

包むのって難しい?

とはいえ、ラッピングしたことない人にとっては難しそうに映るのもわかります。でもね、これこそ気持ちが伝わればいいのです。完璧にしようとしなくて全然大丈夫。プレゼントが入るサイズの紙を用意して四方から包んじゃえばいい。紙を選ぶ、包む、リボンをかけてみる、渡すまでソワソワドキドキしてみる、その工程ひとつひとつが大事なんだと思うから。

うちには山ほどラッピングペーパーがあります。海外旅行に行くとまずペーパー売っているお店を探すところから始めるのが決まり。日本では見たことないステキな柄を見つけるとテンション上がるんですよね。感覚的に好きだなあと思って手に入れたものを好きな人に渡すために使って、それにささやかな幸せを感じる、それがセルフギフトラッピングの良さのひとつでもあると思っています。

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さあ、バレンタインが近づいてきました。   今年は自分で包んでみることにトライしてみませんか?板チョコだってほら、こんなに個性を出すことが出来ちゃうんですよ。

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