「ロータスは最初を安く」VALORANT勝手に講座
前回に引き続き今回はロータスのデフォルト配置について解説していきます。
バインドよりもゆったりとした攻めが多いロータス、基本となる動きはどうなるのでしょうか。間違いなくこの記事を読めばロータスの基本配置に加えマップの理解度が上がります。
プレミア等で変わった構成を使う際にも相手の行動を読むために見て頂けると幸いです。
※「デフォルト配置」自体の解説については「バインドの最初はどうする?」の冒頭をご確認ください。
1.構成から
さて勝手に恒例にしようとしているこの各マップの構成紹介コーナー、今回はサンプル数の問題でパッチ8.04のデータをご紹介いたします。
2位にダブルスコアをつけているのはヴァイパーを利用した構成、3位のフェイドをスカイにした構成もコンセプトは大きく変わりませんから中々の割合で使用されています。
他のパターンはブリーチ入りの構成がありますが、バインドの時とは違い、コンセプトがハッキリと異なり、ダブルコントローラーですらないので情報の遮断等が行えず、体でエリアを取らなければいけません。
しかしやはりマップの重要エリアや最初の配置自体は似たものが多いためその部分にも最後に触れながら今回は解説していきます。
2.攻めデフォルト配置
「A攻め」
さてロータスの最重要エリアは皆さんご存知Aの「瓦礫」になります。
ロータスではここの取り合い軸となりがちで、特にスローペースなラウンド展開では中後半にAのエリアを1人で見れている場合にはCとBに2人ずつ配置することができ、非常に強固な守りが展開されます。
さてAを最初に取りに行くパターンを考えていきます。人数配置としてはこんな感じでしょうか、キルジョイを除いて全ての人員をまずはAに掛けます。
最初に話した通り瓦礫は最重要エリアであり、序盤からぶつかり合うことがよくあります、そのぶつかり合いに何も考えず少ない人数で当たろうとしても負けてしまうのは目に見えています。
当たると決めたらしっかり当たるのです。
「ヴァイパーのカーテンの意図」
ではここで攻めでのロータスヴァイパーのカーテンについて解説します。
これがわからないと後々の話が理解しにくくなりますからね。
カーテンの種類は様々ですが例として2つご紹介します。まずはこれ、CTからとリンクからの射線を切れるカーテン
これとスモークを利用することでエリアを分断し、瓦礫への入りを非常に容易に行うことができます。瓦礫取得後はスモークを回収し、サイトから階段への入りを見えないようにします。
もう一つのカーテンはこれ、こちらは右と左にエリアを分断するような形、強みとしては狭いAメインからのエリアリテイクではなくカーテンを使うことで線で囲ってある部分からリテイクを始めることができる部分です。
瓦礫取得後もカーテンを上げ下げするだけでサイトから階段の入りの情報を遮断できたりと非常にオールラウンダーな性能をしています。階段もスモークを回収できれば隠すことができます。
このように広いエリアを分割することで情報を遮断するのがロータスのヴァイパーです。このスキルも利用しながらAを取っていきます。
例えばこのパターンでは瓦礫にシュラウドステップ、レイズはカーテンを利用して安全に射線を作り、これに加えホウントで手前を索敵してAメインを獲得しています。
このようにして複数の射線を組むことでエリアを獲得するんですね。
「C攻め」
さて相手の構成がAセットに強かったりして初手にぶつかりに行きにくいってことありますよね?
特にブリーチやネオンを採用しているチーム相手はスタンやフラッシュが的確に飛んできますし、オーメンのパラノイアを序盤に切られると何も見えなくなります。
そんな時はとりあえずCでも取りましょう。Cは守り側でも話しますが基本はキルジョイが守っていることが多く、手前のエリアは比較的簡単に取ることが多いです。
最近ではオーメンスモークやヴァイパースモークを手前に使って飛び出すことで覗き込み相手の事故を防止するなど取得方法は様々、そしてその取り方の重要な部分は「安く取ること」です。
例えばこのパターンではホウントを入れながらヴァイパースモークを使うことで飛び出してくる可能性のあるポジションを増やし、何も手を加えずマウンドから引き離しています。
こちらはKCの取り方、同じくホウントで手前にいるかどうかを確認しながらワンウェイを無効化するスモークでこちらもピークポイントを増やしています。
somethingが強気に粘ったためプラウラーは使わされましたが、無駄に壊されることなくクリアリングを行えています。
この重要なスキルを出来るだけ消費せずにエリアを取得することを「安く取る」と言ったりします。
ロータスは両者のエリアとスキルトレードが重要なマップで、この部分を疎かにするとどんどんスキルがなくなっていきます。
特にダブルコントローラー構成では貴重なシグネーチャーアビリティを節約することが大切です。
例えばプラウラーを使うのではなくホウントでマウンドの索敵を行うことで時間が進むとリキャストされ実質痛みなしとなります。
そしてもう一つ、このデフォルト配置の肝はAにもあります。
例えば相手がパラノイアやグレネードを手前に使って瓦礫を取りに来たとしましょう。相手は多くの「高い」スキルを支払ってくれたわけですかこちらもそれなりの「高い」スキルを支払って獲得しても問題はないわけです。
逆に相手がほぼスキルを使ってこない場合はAに配置している2人でゆったり攻めてみましょう。
瓦礫にはカーテンとスモークを使っていますから敵が障害物の前まで来なければ射線を切って安全に右側まで入れます。
瓦礫というエリアは守り側が奥まで取れない状況では飛び出せる可能性のある場所が多くなってしまい、この上スキルでの阻害もあるため守り切ることが出来ません。
結果大抵の場合は守り側が引くことになります。
こうすれば非常に「安く」瓦礫を取ることが出来ます。
相手が安くくればこちらも安く行けばいいんです。
例としてこのラウンド、最終ラウンドということもありCはオペレーターでの勝負になっていますが、A側ではホウント以外のアクションがないことからキルジョイ、ヴァイパーのコンビが瓦礫を取得しています。
これは前の11ラウンド通しての傾向からという部分もありますがスキルを浪費せずに瓦礫を取れているのは大きな意味を持っています。
このラウンドは中間択のようなものでホウントのみを使いAを非常に安く獲得、その後マウンドに敵が多いことがわかったのでプラウラー、シーズ、パラノイアを合わせてエリアとキルを狙いながら最終的にはAにサイローテートしていきました。
このようにロータスは相手のファーストアクションを観察し、如何にリソースコントロールを行うかが大事になるんですね。
勿論デフォルトの配置のやり方も例えば毎回Aに高いスキルを支払って取ってくる敵に対してはアラームボットを配置してBのスキルを取りに行くなど、戦い方を変えるのです。
「A取り返しについて」
さてCを取った後はどうするのでしょうか、基本的にはどのチームを最重要エリアの瓦礫を取り返す動きを行います。
FNCのセットアップはこんな感じ、スネークバイトとプラウラーでポジショニングを限定させカバーの撃ち合いで勝っていきます。
このシーンではBLGもシーズやプラウラーを返す動きは素晴らしい形でしたがミクロの撃ち合い方はFNCの方が上手でしたね。
3.守りデフォルト配置
「Aのヴァイパーカーテン」
さて守りですが、バインドのような序盤はあまり動かないような動きがデフォルトにはならず、エリアを守り側も取りに行く動きになっていきます。
特にAは重要エリアですから守り側も取りに行くパターンが多いですよね
しかしヴァイパーのカーテンを利用して比較的安全に瓦礫をコントロールする方法があります。
一見ドアとBのどちらも隠せるだけのカーテンに見えますがAをプッシュする時には「下がる時に上げる」という使い方ができます。
例えばオーメンが前に出て何かしら下がらなければ行けない状態になったとしましょう。
普通であれば下がることは難しい場所ですが、カーテンで射線を切ることで容易に逃げることが出来るのです。これがAプッシュでもヴァイパーの効力が発揮される部分です。
ちなみにこの動画のシーンのようにAリンクからのリテイクにも使えます。
「A初手取り配置"高め"」
オーメンレイズフェイドをAに配置しAを取りに行くやり方、シーズとグネレード、手前にシュラウドステップを使用して前に出ていきます。
特に左側へのシーズグレネードが強力で先ほどの攻め側で紹介したシュラウドステップのポジションによっては大ダメージを受けます。
そのカバーを貰いながらオーメンかレイズが前に出ていき、エントリーするという流れです。
ここで重要なのはスモークを炊くのは重要ではないということです。
瓦礫での戦闘はスモークで隠すことのできるAロビーのポジションの人間とではなく、もう少し前のポジションの人間と戦います。
ということはAのワンウェイスモークが生きるのはエリア取得後であり、戦闘中は重要ではありません。
しかもオーメンは他にシュラウドステップやパラノイアなど使うスキルが多すぎるため、スモークは後回しにしてもいいのです。
「A初手取り安め」
さて次は「安く」取りましょう。
安くとはスキルの使用を抑制し、その場面でラウンドが決着しなくても次のアクションに対応できるようにすることを言います。
※詳しくはこちらの動画を参照
特にグレネードやパラノイアなどのリキャストされない強力なスキルは出来るだけ残しておきたいものです。
例えばこのDRXのセットではホウントで手前のクリアリング、この時点で攻め側が高いセットで来ればすぐにヴァイパーのカーテンを利用して射線を切り下がります。
いなければ手前まで取得し、オーメンのワンウェイスモークを貰い、エリアを保持、取り返しがくれば下がるという流れです。
下がるパータンはこちら
こうすれば使用したスキルは実質ホウントのみ、もしヴァイパーのスキルで射線を隠してくればプラウラーやブームボットなどの安いスキルで索敵、牽制を行います。
人数も2人しか掛けていませんからCやBへのラッシュだった場合も対応はしやすい形です。
このいわば後出しジャンケンのような形は特に作戦がなければ「基本」となります。
詳しくは下記の動画をご覧ください。
優勝へ向けて試合を動かすLazチェンバー、ロータスのAを支配したZETA
「Cワンウェイ」
さてAを取れないとCに大抵の場合は来るでしょう、しかしそれを口を空けてみているわけにはいきません。
しかしドライでのピークも多い中どうやって守り切ればいいのでしょうか、一つの簡単な選択肢はワンウェイスモークとシュラウドステップです。
Cのワンウェイスモークを使いメインからカバーをもらいレイズやオーメンなどの緊急回避の可能なエージェントを砂場に忍び込ませることでオフアングルでの勝負ができます。
「ブリーチ構成について」
さて最近は減ってきたブリーチを利用した構成ですが、ヴァイパーとの違いは即効性です。
ダブルイニシエーターはヴァイパーと違って毒素のある限り、マップの反対側にいてもフェイクをかけることはできません。
逆に人数を固めている時の制圧力は高いためハイテンポな試合展開は行やすくなるでしょう、デフォルト配置自体の数を減らしてセットゴリ押しというのも選択肢です。
守りに関してもブリーチのフラッシュやスタンが増えますから、カウンタープレー等でのぶつかり合いには強くなります。
例えばこのラウンドではZETAのAメイン取りに対してのカウンター、このスピード感のあるセットでぶつかりに行けるのが強みです(なおラウンド)
代わりにヴァイパーのスモークがなくなるので安易にオーメンのスモークは使えず、サイトでの耐久力も落ちるのでその辺りは注意が必要でしょう。
しかしバインドの回でも話しましたがマップの構造を変えることはできない中で攻めでも守りでも「エリアを取得して」⇨「ローテートして」⇨「エントリー」という流れは変わらず。
ロータスなら瓦礫を使って振り回し、バインドではテレポートを利用したローテートが強いというだけで、そのアプローチ方法が違うだけなのです。
最低でもアマチュアチームレベルにならなければこの発想で十分かと思います。
以上がロータスのデフォルト配置についてでした、他にもカウンターなどを狙った守り方など作戦によって様々な戦い方ができるので、自分達で研究してみてください。
おまけ
このラウンドではホウントでの炙り出しを狙ったCプッシュのセット
パラノイアやグレネードという制圧力の高いアビリティはやはり強力ですね。