
「アンカーのお仕事とラークの想像力」VALORANT勝手に解説
「ラーク」ランクマッチではたまにめちゃくちゃ嫌われる行為の一つですが、いつも5人で集まってラッシュするだけの状況はVALORANTにおいてはあまり健全ではありませんし、うまく使えれば守り側の配置を難しくさせれます。
そしてラークなどで単独でエリアをコントロールする人員のことを「アンカー」と呼びます。
この「アンカー」の動き、正解が見つけづらくイマイチ役割を理解しきれない方が多いのではないでしょうか?
今回はそんなアンカーの動きを解説していきたいと思います。
アンカーの役割を理解しよう
そもそもなぜ
さてまずはアンカーの意味を理解しましょう。
まず目的は「本体側の進行を容易にすること」です。
「キルを取ること」は2番目ぐらいの目的です。
VALORANTにおいて重要なのは「情報」です。例えば5人Aサイトに固まってゆったり進行してしまうと逆側の情報が一切なくなります。
なのでアンカーの人間は逆側の情報を取り続けることが大切で、しかも基本は1~2人しか近くいないため死んでしまうとカバーが取れないことを理解しながら戦わなくてはいけません。
そのため「キルを取ること」を目的に動いてしまうとチームに貢献するのが難しくなってしまうのです。
誰がやる
次は誰がアンカーをするかという基本を学びましょう。
まずエントリー時に必要なスキルを持っているエージェントがラークをしてしまうと、本体側のリソースが足らずエントリーが成功せずラウンドが取れません。
なのでレイナでラークするのやめましょう…と一概に言えないのがVALORANTの難しいところです。
実際リーア(レイナのCスキル)はサイト進行においては強力なアビリティなので本体側にいてほしい部分がありますが(ランクマッチでは特に)例えばレイナが逆側に1人で進行することで敵にプレッシャーをかけて逆側のサイトにエントリーするのも一つの作戦です。(コミュニケーション必須)
特にバインドなど攻め側のローテートが有利なマップでは、
「フッカーにアクション」→「すぐさまAショートに合流して進行」といったこともできるので、最終的にサイトに入る時にはアビリティでのカバーを行える場合もあります。
この辺りのバランスはチームの戦い方や個人のレベルにも依る部分なので一概には正解はありませんが、そもそもそういったバランスがあることを理解しましょう。
「デフォルト配置」

さてここまでの話を踏まえてVALORANTというゲームには「デフォルト配置」というものがあります。
例えばアセントのデフォルトは一般的にはこのような形です。
オーメンとキルジョイがアンカー役となり、キルジョイはスキルでエリア保持をしながらジェットを中心にミッドのエリアを獲得するような動きです。
この配置はミッドを利用しながらどちらにも行ける状態なのが強みです。
逆に先ほども話した内容のようにBメインのキルジョイが死んでしまうとBへのローテートをするのが難しくなってしまいます。
だから「死なない」が大切なんですね。
このデフォルト配置は他のマップもありますがまた別の記事で解説していきます。
さて次はいよいよエントリーするとなった時の動きです。
サイトに入るときは「裏見」
実例を出していきましょう、まずはAショートに進行するNAVIの動きですが、ドローンを出して進行しようとする味方をミッドのSUYGETSUがボトムからのピークをしっかり見ています、その後サイトに傾れ込む段階では合流してトレードに参加しています。
皆さんも一度は「う〜わボトムから出てきた〜」で死んだことがあると思いますが、この辺りをケアしてあげるのがアンカーのお仕事です。
さてその次のラウンドですがNAVIは初手のミッドコントロール後Aメインを取得したのちミッドからのBを選択します。
ここではオーメンのShaoの動き、マーケットからサイトに味方は入っている中でジッとピザでエリアを保持し続けています。

この背中を守るプレーのおかげでNAVIは非常に丁寧にサイトをクリアリングしていき有利なトレードでラウンドを決定付けました。
VALORANTはゆったりとサイトに入ってしまうと守り側のローテートが間に合ってしまうことが多いのですが、今回のようにサイトに干渉できるポジションを一つに限定すると抑えることができます。
さて次はここから派生して「ラーク」を成功させるための秘訣を解説していきます。
敵の行動を想像する「ラーク」
緩急のあるラーク
例えばラウンド開始の時点で特になにも考えず毎ラウンドピークし続けたとしましょう。
敵は当然エイムを置いていますから普通の1on1が発生します、下手すると2人が待ち構えている可能性もあります。
そうなれば自分がどれだけさっきまで撃ち合いに勝っていてもそのラウンドでは「カバーが取れない場所で死んだ間抜け」となります
要するにラークにも緩急が必要ということです。例えば「さっきのラウンドではメインをラークしたからミッドに行ってみようか」とか「このラウンドは詰め待ちにしようか」ということです。
これに続いて相手の傾向を考えるのも大事でしょう、例えば相手がメインを一切取ってこないのであればメインまでを取得しセンチネルの罠を壊したりスモークを使わせるなどして、アビリティを消費させることができます。
これで敵が本命と勘違いして人数を寄せてくれれば最高ですし、そうでなくても寄りが遅れるだけで十分な効果があります。
自分は1人ですから1人でもサイトを守る人員が減ればイーブン、ラークしている人員はサイトにスキルは使えませんが、センチネルやコントローラーはエントリー時に遠方から干渉出来たり、そもそもサイトに使う価値が低かったりするのもポイントですね。
さて文章はここまでにしていつものプロシーンからの引用と解説をしていきましょう。
GodLazの試合を動かすラーク
みんな大好きZETA Lazのラークを見てみましょう、Aメインラッシュを行おうとしたZETAでしたがメインへのスモークとペイント弾などで足止めされてしまい5人がこもってしまう形。
しかしすぐさまLazがB側へラーク、レイナと対面しスモークをもらうことでフラッシュとパラノイアを切らせることに成功。
A側に寄ることもできません。
しかもアクションがないことからAに寄ろうとしたオーメンを倒すことにも成功し、最終的にはベント周りの高速ローテートでサイトのカバーまですることができました。

Lazのフィジカルと敵の嫌がることができるアビリティーの使い方、そしてカバーを待てる我慢強いZETAの強みが出たラウンドです。
Aでシグネーチャーアビリティを持っているスカイが落ちたことも大きかったですね
さてその後のラウンド、Bメインでワンピックを取られ4v5の状況、ここでLazはカーテンやスモークを使わないミッドへのラークを敢行。

おそらくこれは一つ前のラウンドでスカイの犬とレイナのアビリティーを使った情報取りを行っており、エコラウンドではラークとして孤立しているLazを狙う動きでBに人員を集めようとするTSの動きを読み、ミッドは引いて守っているという考えの元で強気にベントまで取る動きを行っています。
その後なぜかフェイクでサイトに残されたTENNNが3キル取るちゃぶ台返しなどもありAに設置することができました。
ちなみにこの試合はオペレーターで2ラウンドAの進行を止めたものの、それ以外では手前のオフアングルに入っている状況で索敵で潰されるなど(Round9)もあり、最終的には情報を取ることを諦め引き配置を取るラウンドが増えていきました。しかもその状態でLazは一切Aラークをしていません。
こちらはリソースを特にはかけていないけど相手はかけてる、完全にLazのラークに苦しめられています。これが理想です。
相手の裏を取るラーク
さて次は相手に警戒されず裏を取るラークの仕方をお教えします。
主役はNats、最初はミッドにカメラとケージを焚きながら味方のB挟みを援護し自分の存在をアピールします。
その後味方の進行に合わせてミッドをラークするのではなくホールからの大裏周りを敢行、最初ミッドでケージを使っているNatsがいないため合流したと考えたG2は完全に裏を取られてしまいます。
自分がULTを持っていることで1人倒せるだけで戦いを有利に進めることができるのもありましたね。
その後3キル目まで持っていくところも流石の一言です。
敵に幻影をプレゼント
さてさてみんな大好きVS RRQ戦のワンシーン、Lazの巧みなサイバーケージでなんとかサイト中を切り開いたZETA、薪に隠れていたソーヴァが怖いところでしたがメインのSugar3eroが視認します。
さてここからが本題、メインの配置がバレたSugar3eroは34Round目にして初めての遅いラークを敢行します。
RRQ視点はメインにいたオーメンがどこに行ったか分からず丁寧にリテイクしていきますが明らかにRRQはメインを警戒しています。
さて右上のSugar3eroの画面を見るとサイトへ進むときにはボトムからパラノイアを返すことでRRQはメインからのピークを警戒+足音が聞こえなくなることを利用してダッシュでマーケットに進み、最後はCrowをカバーすることができました。

この敵の心理の裏をつきながらチームに貢献する流石のオーメンプレーです。
ラークをする人間は敵に「いるかも」と思わせるだけで大きな効果を発揮します、逆に「いる」とバレたならポジションを変えたり、飛び出すタイミングを遅くするなどで対応しましょう。
12ラウンドにすべてをつぎ込むFNS
KOI側に大量のULTが溜まっており、この対策を行わなければいけない12ラウンド目を迎えたNRG。
ここでドローンからのCを選択、KOIは無理には止めずリテイクを狙いますが、ソーヴァが落とされてしまいます。
しかしここからはローリングサンダーやロックダウンがあるため落ち着いてリテイクを狙っていきます。
さてNRGは設置する前にキルジョイのロックダウンを使用、これは速いリテイクへの対策に見えます。しかしNRGのメンバーはなんと全力で逆側のAにローテート、警戒できていないKOIはフリーで入られていますが気づいていません。
そしてここがFNS流でガレージにジェットのardiisを自由に動かし、予想外の場所からピークでキルトレードを発生させます。
これに対しKOIもロックダウン中にミッドのエリアを取り返そうとしていたのでガレージを挟もうとしますが、なんとロックダウンをサイトで放っていたはずのVictorが登場します。
こうなるとジェットを利用してラークをさせたように見えてしまい最終的には誰もいないサイト中にブリーチのULTを使ってしまいました。
おそらくKOI側のコミュニーケーションのミスもあったと思われますが、相手がリテイクするまでの隙の突き方が非常に面白い考え方でした。

まとめ
アンカー役の仕事は1人ので敵の行動を読んだり複数人を相手せざる負えない場面があったりと非常に難しい役職です。
しかしこれがやれなければセンチネルやコントローラーを高いレベルで使うことはできませんし、チームとして有利に戦えません。
今回の記事を元にぜひ自分なりにアンカーの役割を極めていってください。