週末ラーメン便り(1)
週末 ラーメン便り(1)
ラーメンながた
ラーメン激戦区、一乗寺の近所に住むことになった。誕生日の贈り物には沢山のカップ麺やちょっとお高めの袋麺をいただくほど麺類好きでお馴染みの私にとっては最高の立地だ。
きっと週末の度にラーメンを食べに自転車を走らせるだろう。何年この土地に住むかはわからないけど、せっかくなので一乗寺付近で食べたラーメンを記録していこうと思う。
第一回目は『ラーメンながた』さん。
この辺は一乗寺よりというよりは茶山というらしい。住宅街に紛れて赤提灯が春風に揺られる。これがまるで手招きしているようで、私は誘われるように入店した。11時の開店直後だったがすでにカウンターは埋まっており、テーブル席に座らせてもらった。
内装は昔ながらのラーメン屋さんという感じで、20代女性一人きりとしてはそんなに居心地の良いものではないが、ラーメン好きとしては高揚させられるものがあった。テーブルや床も清潔で過ごしやすい。
内装をぼーっと見ているとすぐに注文した醤油ラーメン(煮卵トッピング)が出てきた。混んでいるのにスピード感があって好感だ。
ラーメンの写真の前に、テーブル全体を見ていただきたい。どうですか?このラーメン屋さん感!中華ラーメン鉢に黄金色の醤油スープ、ザクッと載せたネギに半熟の煮卵。
最近はお洒落な内装や凝った器のラーメン屋が増えてきて、口コミで取り上げられるのもそういうお店が多い。それはそれで素敵なんだけど、やっぱりこれですよ、ラーメン屋は。あぁ今私はラーメン屋さんに来ているんだ。まだ一口も食べてないのに、目の前に出されたラーメンとお店の雰囲気にほくほくする。
では実食。キラッキラの醤油スープはざらつきがなく、キリッと口当たりが良いから何度も何度もレンゲですくって飲んでしまう。
中太のストレート麺はつるつるとしており、ネギとスープとの相性が抜群だ。豚チャーシューは薄く柔らかく、醤油スープがしつこくないからチャーシューの旨味を満足に堪能できる。煮卵は醤油スープよりもちょっと塩味を感じるが、このギャップがよろしい。半熟の黄身はとろとろとまろやかだ。
100点満点のラーメンである。
ただ正直に言うと、何だこのうまさは?!という感動はない。スープも美味しかったが、飲み干そうというほどではない。
それでも100点満点だ。絵に描いたようなラーメンだった。ラーメンの真髄、ここにあり。
大将、女将さん?とお客さんは和やかな雰囲気で街の人たちからも愛されるお店なんだなと思った。昔ながらのラーメン屋、何度も何度も通いたくなる、街のラーメン屋。そんな印象を抱く。
だからこそ、驚いた。
このお店は2021年10月開店らしい。
開店してまだ半年…このラーメン屋としての味わい深さはどこから来るのだろうか。お客さんとの会話から大将と女将さんのラーメン愛が垣間見えた。そういうところからなのかもしれない。
きっと私はまたここに来るだろうし、このお店は愛されるラーメン屋として息長く続くだろう。
いい土地に引っ越してきた。お腹いっぱい、心いっぱい。ごちそうさまでした。