虫に刺されたら
暑さも増し夏真っ盛りです。
子供たちに元気な声がいつも公園から聞こえるようになりました。
皮膚科クリニックでは、毎年日焼けや虫刺されの患者様が増える時期ですので、基本的な私の考えを説明します。
今回は蚊刺症について。
蚊に刺されれてすぐの痒みには、結論、まずは市販薬がいいと思います。
虫に刺されると即時アレルギーという1型アレルギー反応がおこり、これらがヒスタミンを遊離させ血管が拡張し膨疹というぷくっとした発疹を作ります。この時のかゆみには、ステロイドよりも市販薬の主成分である抗ヒスタミン薬(ジフェンヒドラミン)が効果的です。
また、痒みは痛みの神経線維を介しておこるため、市販薬に含まれる局所麻酔薬(リドカイン)が瞬時の痒みを止めることに有効です。
さらに、クーリングにも止痒効果がありますが、清涼感を与える物質(メンソレータムなど)にメーカー各社が工夫をしているため、総合的に痒みに効く処方になっています。
ただ、乳幼児の場合、蚊刺後1、2日後に硬くパンパンに腫れてくることがあります。これは遅延型アレルギーといい、即時型アレルギーと違い好酸球など様々な白血球が関与して起こる反応です。この白血球にはステロイドが効いてきます。
つまり、蚊に刺されてから、膨疹が数時間で消えてしまう方の痒みには市販薬だけでいいことがほとんどです。
夏に刺されやすいダニやブヨなどに関しては、大人でも遅延型アレルギー反応が起こりやすく、放っておくと痒疹という痒みをおこす結節になり、数ヶ月、数年とこじらせることもあります。
ですので、24時間以上発疹が残る虫刺されがある場合、また、蚊に刺された後大きく腫れる方の場合、一度是非ご相談ください。
当院では、こじらせた痒疹にセラビームを用いた光線療法を行なっています(保険適応)。諦める前に是非ご相談ください。