今年の総括~批評と創作、そして替え歌~
2023年の激動
2023年は世界史替え歌界隈、そして私にとってまさに激動の年であった。まず特筆すべきは、教育機関での世界史替え歌の紹介だろう。1月の京都大学「現代史概論」でTAKETAKAさんの「チトーの幸福理論」が紹介されたのを皮切りに、京都大学では若草社が自主ゼミ「世界史替え歌を読む」を開催。さらに11月には明治大学戦史研究会が同じくTAKETAKAさんの「閣下」(YOASOBI「アイドル」の朴正熙替え歌)を発表会で流した。その後、呼応するかの如く京都大学でも「NF記念公演 世界史替え歌のセカイ」が行われた。ボカロに続いて世界史替え歌も教育界で日の目を浴びることになる。
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また、重音テトのSV化も印象深い。世界史替え歌界隈ではUTAUを用いて替え歌を制作してきたが、その中でもゆっくり音声と重音テトが多かった印象がある。DNN(ディープニューラルネットワーク)を搭載した歌声合成技術による、滑らかな重音テトの歌声は界隈に衝撃を与えた。前述した、「閣下」 もSV重音テトが用いられた作品である。
さらに、世界史替え歌界隈に新規参入者が大量に流入したことも記憶に新しい。次々と神クオリティーの作品が投稿された結果、こちらもゼミの題材を得選ぶのに苦労してしまった。世界史替え歌界隈にいながらオリジナルのボカロ曲を創作する風潮も生まれ、siorinさんや革命前夜の躍進も印象的であった。
来年の展望
このように、世界史替え歌は2023年に動乱の1年を迎えたが、来年もさらなる激動が予想される。2024年台湾総統選挙、ロシア、アメリカ大統領選挙の後で世界はどのように姿を変えるだろうか。そして、世界史替え歌は何を歌い上げるのだろうか?