キャスティング・ディレクターは映画界を救うかもしれない。『キャスティング・ディレクター ハリウッドの顔を変えた女性』を読み解く
現在のキャスティングを作った実在の女性マリオン・ドハティの半生を描いたドキュメンタリー『 #キャスティング・ディレクター ハリウッドの顔を変えた女性』が4月2日(土)に公開された。2012年にアメリカで公開された本作は、その後、映画芸術科学アカデミー(米アカデミー賞)や英国アカデミー賞にも影響を与えた。2013年、映画芸術科学アカデミーにはキャスティング支部が作られて、キャスティング・ディレクターが一般会員ではなく専門職として会員権をもてるようになったのだ。そして、2019年には英国アカデミー賞がキャスティング部門を新設し、キャスティング・ディレクターも受賞できることとなっている。長年埋もれた存在であったキャスティング・ディレクターに光をあてた本作の見どころを紹介したい。
日本の映画界ではいま、#MeToo が起きている。映画業界で #ハラスメントが起きやすい要因のひとつに、監督がキャスティング権を一手に支配していることがあるような気がする。またまだキャスティング・ディレクターが少ない日本の映画界でキャスティング・ディレクターが重用されるようになれば、ハラスメントは減るかもしれない。最終人事権は監督がもつにしろ、監督と対等に交渉できる第三者がキャスティングに介入するだけでキャスティングのプロセスに、より透明性がでるのではないだろうかーー。
【4月2日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次 “映画の見方が変わる”ロードショー】
『キャスティング・ディレクター ハリウッドの顔を変えた女性』 ©︎Casting By 2012
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