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雑感&感想『本物の思考力』著:出口 治明
どうも!おはようございますからこんばんわ!まで。
今回はライフネット生命の創業者で現在は立命館アジア太平洋大学の学長である出口 治明さんの著書『本物の思考力』(以下、著書)をネタに書いてみたいと思います。
1.疑う力・考える力
昨今の新型コロナウイルスを巡る論調は、日本での流行当初と比べて今は一次情報がそれなりに充実してはいますが、それでも情緒的な議論が多い気がします。そして、政府が打ち出すメッセージや政策も情緒的な側面が多い印象を覚えます。その代表例が不織布マスクなのかもしれません。
上記動画は昨年8月にスーパーコンピューター富岳を用いた飛沫感染リスクを検証したニュースの映像です。理化学研究所のHPによると、スーパーコンピューター富岳には次のような特徴があるそうです。
「富岳」は「普通のマシン」であることが大きな特長です。
「普通」とは、専用プログラムを組まなくても一般的な汎用ソフトが動くことを指し、シミュレーションやビッグデータ、AIなど、幅広いアプリケーションで最高性能を発揮するように設計されています。また、CPU※2には世界中のスマホやゲーム機に搭載されているCPUと同じくArm社仕様の命令セットを採用しているので、それらのソフトウェアすらそのまま、そして何十倍も高速に動き、「富岳」用に開発された技術(「富岳」テクノロジー)と「富岳」から生まれた成果の両方が世界中に普及し、さまざまな場面で活用されることが期待されます。
こうしてみると、富岳が示したシュミレーションの精度は高そうに見えますね。だけど、シュミレーションはあくまでも予想にすぎないため前提条件に変化が生じれば精度に疑念が生じます。出口氏は著書で信頼できるデータを自分自身で見つけて自分の頭で考える癖付けをすることで惑わす要素が滲み出てる情報に振り回されることが少なくなるのではないかと指摘されています。
ネット上に蠢く情報の多くはある一面でしか見れていないケースが多く、それを多面的に見て自分で考えて腹を据えるという一連の流れを構築していくための材料としてファクトや数字が大切なんだろうと私は思いました。
2.思考力の磨き方
腹に落ちるという言葉があります。簡単に言うと考え抜いて腹の中にしっかり収まるという事ですが、そのためには考え抜く習慣付けが大切だと出口氏は述べていて、その一例として出口氏は哲学者の本田元先生の言葉を引用しました。
「思考力を高めるためには、きちんと書かれたテキストを一言一句丁寧に読み込んでいくことが大切。句読点ひとつにも意味がある。そうして、著者の思考プロセスを追体験することによってしか、考える力は鍛えることができない」
先日私がTwitterを覗いている中で、大前研一さんの著書を引用して凄いなぁというツイートを拝見したとき、思わず大前研一さんが要所要所でどんなことを感じたかに想いを馳せる事で学ぶことができるんじゃないかなぁとリプライしました。この考え方は出口氏が引用された哲学者の本田元先生の言葉に似ているなぁと思い、私自身身が震える感覚を覚えました。
3.終わりに
今回はこの辺で筆を置きますが、初めて出口氏の著書を読んでみて、出口氏が知の巨人である由縁をちょっとだけ学べた気がしました。