日本人が知らない日本人No.6
カンボジアで頑張る日本人、古澤敦さん。
(グッと!地球便)出演
タイとの国境に近いバッタンバンで紡績業を営み奮闘する古澤敦さん、
プノンペンに次ぐカンボジア第二の町。
地雷汚染が特に深刻なこの地域に敦さんの紡績工房「カンボジア・コットンクラブ」がある。
敦さんは元NHKのディレクター。
世界の紛争地を中心に取材をしていたが、日本でのキャリアを捨ててこの地に工房を立ち上げた。
紡績に関しては素人からの転身で、現在は約15人の従業員とともに綿花から糸を作り、染色、織りまで全ての工程を行いストールを作っている。
高価な設備はないが、それでも揃えるのにかなりの金額が必要なため、敦さんは自分の全財産を工房につぎ込んだのだった。
認知度はまだまだ低いが、評判は上々だという。工房で働く従業員は、近隣の決して裕福とはいえない農家の女性たち。
敦さんはどれだけ失敗して時間がかかっても従業員主体で作業を進め、彼女たちの教育に対しては惜みなく力を注ぐ。
そのため、育て上げた優秀なスタッフが大手企業にヘッドハンティングされることも…
敦さんが、やりがいも安定も経験もすべて捨ててゼロから新しい道へと進むきっかけとなったのが、紛争中のアフガニスタン取材で出会った一人の老人だった。
惨状を伝えることの大切さと、今そこで本当に必要なこと。
2つの現実の狭間で思い知らされ、出した答えが今の姿だった。
カンボジアに渡って11年。経営状況はギリギリだが、新たな商品の開発など今ここでできる様々な展開も考えているという。