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地方演劇を真面目に考える会 番外編7 【演劇環境を良くしたい!! 取捨選択編】

概要

2021年に和歌山市のクラブゲートと、オンラインで開催した「地方演劇を真面目に考える会」の記録です。以下のHPにて、開催した動画のアーカイブ、アンケートデータや、インタビュー動画をご覧になれます。ぜひご覧ください。

演劇環境を良くしたい!!

前回までで、演劇環境を要素に分解してみました。下記のリストです。
直接的な要因
・観客数 ◎
・劇団数 ◎
・劇団同士のつながり 〇
・役者数 ○
・舞台スタッフの数 △
・劇場数 〇
・演劇の公演数 〇
・劇場の使いやすさ △
・稽古場環境 〇
・支援体制 〇
・地域の演劇史 △
間接的な要因
・学生演劇(高校・大学等)の状況 △
・演劇以外の文化状況(特に音楽・ダンス・自主映画) △
・メディアの強さ △
・役者としての仕事 △
・大学数 △
・地域の経済状況 △

演劇環境を良くするためには、これを元にまずは取捨選択していきたいと思います。まずは、劇団側がどうにかできる要素でないと、頑張りようがない。そして、次に、似たような要素はまとめてみます。

演劇環境を増やす要素

演劇環境の4大要素は観客数・役者数・劇団数・公演数の三つだと思います。この四つはかなり密接に関係があり、観客数が増えれば、役者数が増える、役者数が増えれば劇団が増える、劇団が増えれば公演数が増える。そして公演数が増えれば観客数が増えると、どこかがよくなれば相互的に良くなっていきますが、逆を言えば、どこかが悪いと、負のスパイラル的に全体的に悪くなっていくようです。

●要素1 観客を増やす
まずは直接的に一番行動に移しやすい観客数を増やすのが最初の一歩かと思います。観客数の絶対数が多くなければ、他の要素を増やすのは難しいでしょう。
●要素2 役者数を増やす。
観客数に次いで、役者数が増えることが大事だと思います。劇団単位では、役者数はそこまで問題にならないかもしれませんが、演劇環境の面においては役者数がかなり大事な要素になります。観客側からやってみたいと思うきっかけや、役者をやってみたいけど、敷居が高いなどの問題を克服する方法を考える必要がありそうです。
●要素3 演劇をやりやすい環境を作る
劇団数については、増やそうというより、増える要因である劇場や、技術面のサポートという方面を考えて、やってみよう・続けよう。そもそもやってもいいんだ。という環境を作ることが重要そうです。
●要素4 周辺環境との関係性を考える
公演数を増やす面は、上のやりやすい環境も関係するのですが、公演をする意味なども重要になってくると思います。特に地域で演劇を行う場合は、観客との近さや、求められる地域性、非大都市圏ならではの問題、周辺環境・演劇以外の文化との関係性について考えることも大事になってきます。大都市圏の演劇論とは違う、非大都市圏演劇論みたいなものを考えたほうがいいかもしれません。
大体、この4つかなと思います。

まとめ

今回はかなり短いですが、なんとなく非大都市圏の演劇環境を良くするための要素を取捨選択してみました。次から、観客を増やす要素についてひとつづつ検証していこうと思うのですが、演劇の良さを広める前に、そもそも演劇の良さってなんだ?という疑問が出てきました。もちろん、演劇が好きだなあ。いいものだなあと思ってはいるのですが、じゃあ演劇のいい所はどこだ?と言われると、ぼんやりとしていてはっきりとわかりません。他人に演劇の良さを伝える以前に、まず演劇の良さを改めて検証する必要がありそうです。番外編に並行して、特別編で演劇の魅力についても考えて行こうと思います。

つづきます。次回から二本立て。
番外編 その8はコチラ

特別編 その3はコチラ

劇作家 松永恭昭謀(まつながひさあきぼう)

1982年生 和歌山市在住 劇団和可 代表
劇作家・演出家
劇団公式HP https://his19732002.wixsite.com/gekidankita


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