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【中編戯曲】宇宙大回転温泉

宇宙大回転温泉

登場人物
 皇帝    男
 衣通姫(そとおりひめ)   女
 メダカ   女
 カンタ   男

舞台について
そこはかつて風光明媚な景観として多くの人々を引き寄せた観光地、和歌の浦にあった旅館の廃墟である。
その一番上の階にあった浴場は360度ガラス張り展望で諸行無常の塵の下に埋もれた廃墟の一番上階から望む景色は、松林の奥に干潟が広がり、その奥には山脈が広がる悠久の絶景である。

舞台中央に円形舞台。
その中央に崩れかけの地球のオブジェ。
奥中央に、奥へ通じる出入り口と、下手に出入り口一つ。


奥にボロボロだが皇帝風の衣装を着た男(皇帝)が入ってくる。
かなり調子が悪そうである。

皇帝、楽器を弾く。(出来れば雅楽器。難しければ、できれば東洋の楽器)
皇帝が力ない声で謡う。

皇帝
小竹葉(ささのは)に 打つや霰(あられ)の たしだしに
率寝(ゐね)てむ後は 人は離(か)ゆとも 愛(うるは)しと
さ寝しさ寝てば 刈薦(かりこも)の
乱れば乱れ さ寝しさ寝てば
(笹の葉にあられが打つように、人が何を言おうと私は気にしない、こうして寝てしまったからには、薦を刈った後のように何が乱れてしまっても構わない)

位の高そうな古代の宮廷服をまとった女(姫)がゆっくりと現れる。

皇帝
天(あま)だむ 軽の乙女 いた泣かば 人知りぬべし
波佐の山の鳩の 下泣きに泣く
(軽の乙女よ(軽大娘皇女のこと)、そのように泣いては人に知られてしまうだろう、波佐の山の鳩のようにもっと静かに忍んで泣きなさい)

姫 鶴(たづ)が音(ね)が 鶴が音が 聞こえぬ

皇帝
天(あま)だむ 軽の乙女 したたにも
寄り寝てとおれ 軽乙女とも
(軽の乙女よ、しっかりと寄り添って寝ていなさい)

鶴の鳴き声「ケーン」が響き渡る。
皇帝が少し顔を上げて鶴の飛んで行ったほうであろう方向を見た。

姫が、鶴の鳴き声の方へ去る。

少ししてから、首から一眼レフカメラをさげて高校の制服を着た女(メダカ)がやってくる。

メダカ 幽霊さんいますか?
皇帝 いるよ。
メダカ 幽霊さんいますか?
皇帝 いるよ。
メダカ 幽霊さん、幽霊さん、にらめっこしましょ。あっぷっぷ。
皇帝 ぷ。
メダカ だめか。カンタ、カンタ。

制服姿の男(カンタ)がやってくる。

カンタ お姉ちゃん、ちょっと待ってよ。
メダカ わざわざこんな陰気な廃墟まできたってのに幽霊いないんですけど。
カンタ そりゃいますかなんて言って返事したら幽霊じゃないでしょ。
メダカ そうなの?
カンタ 幽霊っていうのは、こっそりとひっそりと油断したときに後ろに、うぉっ。
メダカ なになになに。
カンタ びっくりした。
皇帝 こんにちわ。
カンタ すいません。
メダカ どうしたの?
カンタ え?
メダカ 誰かいるの?
カンタ うわー。幽霊のやつかあ。すいません。幽霊ですか?
皇帝 違うよ。
カンタ あ、すいません。
メダカ ちょっと変な人と話したらダメでしょ。
カンタ なんだ見えてたのか。
メダカ だから話しかけたらダメだって。
カンタ いやびっくりするでしょ。いきなりこういう人がいたら。
メダカ ホームレスさんなんだからそっとしといてあげないと。それより早く心霊写真撮らないと。締め切りやばいんだから。今日中にヤラセでもいいから撮らないとなんだから。
カンタ そんなこといったって姉ちゃんがいつまでたってもやらないからだろ。ダイジョブできてるできてるもう写真撮るだけって。結局なんにもやってなかったってことだろ。
メダカ いそがしいんだよ女子高生は。青春真っ只中なんだよ。たった3年で青春しないとなんだよ。寝る間も惜しんで青春青春また青春。
カンタ なんなの青春って。
メダカ インスタ、ユーエスジェイ、タピオカミルクティー。
カンタ 遊んでるだけ。
メダカ 違う義務。流行そして新たなムーブメント。そうやって日本をネクストレベルのニューカルチャーを。カルチャーなのカルカルチャー。
カンタ カルチャーって。だいたいそんなの、ユーエスジェイいってタピオカミルクティーのみながらインスタ写真撮ったら、一日でおわるんじゃないの。
メダカ だからあんたは童貞インキボーイなんだよ。
カンタ ちげええし。なんだよ。ちげええし。
メダカ ユーエスジェイにいくってのがどんなけ大変かわかってんの? 一人じゃいけねえんだよ。イケてるオーラ出す友達作るとっから始めなきゃなんだよ。タピオカミルクティーとか一人で飲めねえんだよ。あんなハイソサエティーな飲み物を下々のものがもっているだけでエグいイジメにあうんだよ。つれえよぉ、ジェーケーつれえよぉ。
カンタ こ、こわいよ高校生。
メダカ あんたも来年高校だね、ご愁傷様。
カンタ ああ、やだなぁ。青春なんて暗いばかりだ。
メダカ もてない男の青春ってのは、イカ臭いなんともみじめなものだよ。
カンタ ああ、絶望的な気持ちになってきた。死んでしまいたい。
皇帝 死ぬな!
メダカ そうだよ。死ぬな。
カンタ ごめんなさい。
皇帝 死んだらいかん。
メダカ だよねー。死ぬとかいうやつマジ最低。だいたいそういうやつに限って全然死なないし。
皇帝 わかる。
メダカ 死にたいっていってかまってほしいだけなんだよ。かまってかまってーってベイビーかって。
皇帝 男は強くあれ。
メダカ だよねー。ストロングスタイル最強だよね。新日最強だよね。
皇帝 この道を行けばどうなるものか、危ぶむなかれ。危ぶめば道はなし。踏み出せばその一足が道となり、その一足が道となる。迷わず行けよ。行けばわかるさ。
メダカ バカヤロー!

メダカ、カンタをびんたする。

カンタ いたいっ、なにすんだよ。
メダカ めんごめんご。テンションバク上がりしすぎたわ。
皇帝 めんご。
カンタ ちょっとなに仲良くなってんだよ。
メダカ バイブスあうよね。
皇帝 バイブス?
メダカ ふるえるー。
皇帝 震えてはおる。
カンタ それは病気的なやつじゃ。
メダカ まじシック。かっちょいー。
皇帝 古臭いといわれてもしかたないかもしれません。
カンタ たぶんシックってそういう意味じゃないと思いますよ。
皇帝 そうですか。失礼しました。
メダカ ってかおっさんこんなところでなにしてるの。ここに住んでるの?
皇帝 はい。ここが私の仮の宿りです。
メダカ なんだやっぱりホームレスか。
カンタ 失礼だよ。
メダカ そう? めんご。
皇帝 あなた達はまだお若いようですが、廃墟マニアの方でしょうか。
メダカ 廃墟? 興味ないない。
カンタ 姉はオカルト部なんです。ボクはその付き合いで。
皇帝 オカルト部?
メダカ だからぁ、幽霊、ユーエフオー、超能力、おもしろけりゃなんでもオッケーオッケーいらっしゃい。
カンタ まあ超常現象を取り上げて文化祭なんかで同人誌を出してるんです。
皇帝 なるほど不可思議なことを研究してらっしゃるのですね。
カンタ まあそうですね。
メダカ てかここに幽霊出るの確実?みたいな感じだって聞いたんですけど、的外れすぎて萎え萎え。
皇帝 なえなえ?
カンタ がっかりしたって感じです。
皇帝 そうですか。
カンタ 5チャンと爆サイで確実出るって見たんですけどね。
メダカ おっちゃん幽霊役でやっちゃうか。ほら、人生詰んでる感丸出しだし。もうほぼ死んだようなもんでしょ。
カンタ だから失礼だって。
皇帝 確かに私は死んだようなものです。
メダカ ね?
カンタ ね、じゃないって。
皇帝 私は一度殺されているのです。
メダカ ほらキタこれキタ。
カンタ どういう意味ですか?
皇帝 社会は私を死んだものとして扱いました。いくら生きているとしても私はもう社会的には死んでいるのです。
メダカ 殺人でもしちゃった?
皇帝 いえいえ、横領です。
メダカ なんだつまんね。
カンタ ちょっと(失礼だよ)。
皇帝 私は愛の為にこの町の人間をだまし、そしてその報いとして殺されたのです。
メダカ 事情が変わった、続けて。
皇帝 ここは昔旅館だったのです。
カンタ 聞いたことがあります。宇宙回転温泉って。
メダカ ああ、外の看板にあった。
カンタ ここがその場所ですよね。ここが廻るんだよ。ぐるっと。
メダカ なんで?
カンタ なんでって。なんでだろ。楽しいから?
メダカ 楽しい? お風呂が廻って。
皇帝 まるで自分を中心に世界がそして宇宙が廻る、そんな気分を味わえる。という趣向でありました。
メダカ わかんない。
皇帝 あの時代はみな、今日より明日、明日より明後日、日が昇るがごとく、日に日に成長しどんどん毎日がよくなる、そんな幻を疑うことなく信じていました。
メダカ 太陽はいつか沈むでしょ? 馬鹿なの?
皇帝 その通り。みなアホウだったのです。浮かれていたアホウな私たちはこの素晴らしい風景をこの自然をそして世界をも手にしたような気になっていたのです。
カンタ そんな時代があったんですね。
皇帝 お金や権力とは怖いものです。人間を大きくなった気にさせるものなのです。実際はとても弱く小さいのに。やがてこんなアホウな建物をたててしまったのです。
メダカ 温泉って。そもそもここって温泉沸いてないでしょ。
皇帝 ええ、温泉ではありません。しかし温泉といえば人が集まると信じていたのです。
メダカ 嘘だ。
皇帝 ええ、なぜそんな簡単なこともわからなかったか。私はこの旅館の近くの漁師の子として生まれ、この風景を日常としながら育ちました。
カンタ なんだ、この旅館の人ではなかったんですね。
皇帝 この旅館には一人の娘がおりました。
メダカ きたよ。ボーイミーツガール。
皇帝 確かに私たちは愛し合っておりました。
メダカ いいよいいよ。聞かせて聞かせて。
皇帝 しかし私たちは結ばれることはありませんでした。
メダカ いきなりの別れのやつね。そそる。
カンタ うるさいって。
メダカ めんごめんご。続けて。
皇帝 すでにかりそめの好景気は終わろうとしていました。あれほど人があつまった旅館にも人が集まらず、やがて幽霊がでるという噂がたち、そして実際に幽霊も現れ、あっという間に旅館は潰れて今に至ります。そして彼女は家族とともに遠くへ行くことになり、そのまま私たちは別れてしまったのです。
カンタ 幽霊?
メダカ そこ、うん。気になるんだけど、そっちもね、うん。だけど続きもね?
皇帝 幽霊の話をしましょうか。
カンタ どうする。
メダカ うん。わかるけど、まあ、ほらまだ時間はあるわけだし、どうだろう。ここはひとつ。あとで聞くということで。

姫が現れる。

皇帝 姫が戻ってきましたよ。
カンタ ヒメ?
皇帝 亡霊の姫です。
メダカ もう、話そっちに流れようとしてるじゃん。(こっそりカメラを触っている)
カンタ 誰かいるの?
メダカ え、
姫 お客様ですか?
皇帝 ええ、あなたに用事があるようです。
メダカ なに、あんたには見えてない系?
カンタ いるの?
メダカ ゴリゴリいるじゃん。ほら。
カンタ どこどこ?
メダカ ちょっともう本物ぽいやつやめてよ。
カンタ あ、あの。

姫、舞台にあがろうとする、

メダカ ちょっと待った!
姫 !?
カンタ なんだよ。
メダカ 今はコイバナの時間でしょう。
カンタ いやいや、幽霊でしょ。本物だよ。すごいでしょ。これは。
メダカ いやわかりますけども、私は今、猛烈にコイバナを聞きたくて聞きたくてきゅんきゅんプシャーです。
カンタ なんだよそれ。
姫 出直してきましょうか?
皇帝 そのほうがよいかもしれません。
姫 わかりました。少し干潟の方を歩いてまいりましょう。
メダカ すいません。
カンタ なになに?

姫、去る。

メダカ 一回、行っちゃいました。
カンタ 行った?
メダカ うん。
カンタ なんてことを!
メダカ いいでしょ。また戻ってくるんでしょ? ね?
皇帝 ええ、彼女はここに何百、いや千年以上もいるのですから。
カンタ 千年以上。
メダカ はい。それはね、後で後で。ということで、で! どうなったの。二人は別れ離れになりました! で終わりじゃないでしょ?
皇帝 ええ、その後再び私たちは出会ったのです。
メダカ キター。
カンタ もったいないなぁ。
メダカ もう集中集中。
カンタ はいはい。
皇帝 彼女が去ってから私はなんの因果か、この街の市長になりました。そしてこの場所を再開発するという話になり、持ち主である彼女を探すことになったのです。
メダカ うんうん。
皇帝 そして私は彼女を見つけ出し、私たちは結ばれました。そして税金を使いここを買い取りました。それが議会に追及され私は横領の罪で捕まり、彼女は去り現在に至るのです。
メダカ うんうん。
カンタ ああ、聞いたことある。もしかしてあなたがあの元市長さんですか?
皇帝 ええ、そうです。

沈黙。

メダカ え? 終わり?
皇帝 はい、現在に至るのです。
メダカ ちょっとぉ。
カンタ いや、これはこれですごいよ。元市長がこんなところにいたなんて。
メダカ 違うでしょうが、もっとライバルが登場したりとか、もう一度別れたり、くっついたりとか。
皇帝 申し訳ないが。現在に至るのです。なんなら彼女は大阪でスナックをやってるようです。
メダカ ええー。
カンタ 今はこんなところで、すいません。
皇帝 いいのです。私は今、こうやって彼女とみて過ごした風景を日々みつめながら自分の人生を思い返しているのです。
メダカ よし、帰ろう。
カンタ ちょっと露骨に興味なくしすぎだから。
メダカ だって。
カンタ だってじゃないよ。写真はどうするの。
メダカ さっきこっそり。なんか映ってるっしょ。ほら見て。
カンタ いつの間に。
メダカ ほら、なんかぼわっと。
カンタ ほんとだ。
メダカ はい、おつかれっした。
カンタ いやいや、
メダカ おっちゃんも元気で。じゃっ。

メダカ、舞台から降りようとする。

カンタ 危ない!
メダカ ちょっとなによ。
カンタ 崩れる!
メダカ え、

カンタがメダカを引っ張る。
金属が崩壊する音。

カンタ だから気を付けてっていったろ。
メダカ いつよ。
カンタ 最初っから、ずっと。
メダカ 気を付けてって言われてもねぇ。どうしようもなくない? そもそも階段のくせに崩れるとかありえない。
皇帝 この前の台風はひどかったからですね。階段も崩れても不思議ではありません。
メダカ どうするのよ。私たちここにとじこめられたってこと?
カンタ まあそうだね。
メダカ どうするのよ!
カンタ どうするって自分が悪いんだろ!
メダカ なんとかしてよ!
カンタ なんとかって。あ、携帯は?
メダカ カバンの中。
カンタ かばんは?
メダカ 下。
カンタ なんで。
メダカ だって重いんだもん。あんたこそ携帯。
カンタ もってねえよ。
メダカ なんでよ!
カンタ 姉ちゃんがまだ駄目だって。
メダカ そうまだ早い!
カンタ だからいるって。
メダカ あんたみたいなへなちょこインキ野郎は携帯なんか持ったらもう発情した猿みたいにエロ動画みまくるんでしょ。けがらわしい。
カンタ なんだよ。弟をなんだとおもってるんだよ。
メダカ エロ。
カンタ シンプルがすぎる。
皇帝 おやめなさい。
カンタ オレ、知ってるんだぞ。
メダカ なんだよ。
カンタ ほんとは学校いってないの。
メダカ そ、そんなわけ、。
カンタ なんかオカルト系ユーチューバーの追っかけしてんだろ。
メダカ な、なんでそれを。
カンタ オカルト系ユーチューバーたくやが、ファンの女の子の投稿ネタを体験してみた。
メダカ なぜそれを。
カンタ いいねとチャンネル登録しました。
メダカ ありがたい!
カンタ 姉ちゃんがユーチューバーの追っかけとか恥ずかしすぎるんだよ。
メダカ なんだよ。おまえだってこっそり「ロリ巨乳(後に出る姫役の役者の特徴があればそれでよい)」のアニメキャラに萌え萌えしてるだろうがよ。
カンタ ああっ? それのなにが悪いんだよ。
メダカ 弟がアニメのロリ巨乳に萌え萌えしてるとか死にたくなるわ。
カンタ 姫様のこといってんのか。
メダカ おめーがまず死んで幽霊になれ、このやろ。
カンタ いってえなぁ。通報するぞ。
メダカ 通報だけは困るだろ。
皇帝 喧嘩はやめなさい! やめろ。やめんか!
メダカ なによぉ。こいつがわるいんだし。
カンタ ねえちゃんこそ。
皇帝 いいかい、兄弟喧嘩をするなといってるのではありません。この状況で喧嘩をすることは無駄だと言っているのです。
メダカ わかる。
カンタ 確かに。
メダカ で、どうしたらいいの。
皇帝 とりあえず今日はもう暗い。この状態で崩れかけの階段を降りるのは危険でしょう。今日はここで寝ていきなさい。ここはもともと浴槽でした。水漏れがしないようにかなり頑丈につくられているので、そうそう崩れはしないでしょう。
メダカ ここで? やだぁ。
カンタ いやっていってもそうするしかないだろ。
メダカ ここで? スマホもない、鏡ももない布団もないない、コンビニもない、てか電気もないとかマジ地獄。
カンタ ぜいたくいうなよ。
皇帝 ある。
メダカ ある?
皇帝 ある。
カンタ ある?
皇帝 電気ある。
メダカ 電気?
皇帝 ある。
カンタ ある?
皇帝 電気ある。鏡も布団もある。
カンタ ある?
皇帝 ある。あるあるたいていある。なんならカラオケセットもある。
メダカ まじで、歌ってもいいの?
皇帝 ええ、ここは元浴槽です。防音もエコーもばっちり。
メダカ 歌うよ。私、歌うよ。
カンタ うわー。夜通しのやつだよ。
皇帝 歌が好きなのですね。
メダカ 歌が好きな人に悪い人いないの。
カンタ なぜそんなものが。
皇帝 ここをどこだったと思っていますか。
カンタ そうか、元旅館だった。
皇帝 いいえ、バブル時代の元旅館なのです。
カンタ バブル景気すげー。
皇帝 布団も鏡も売るほどありましょう。いや、生活に困ることはありませんよ。
カンタ じゃ、じゃあ携帯は? 電話は?
皇帝 すいません。それはありません。
カンタ そうですか。
メダカ じゃコンビニは?
カンタ あるわけないだろ。
メダカ じゃあタクヤ様はっ!
カンタ いるわけ。
皇帝 います。
メダカ えっ嘘。
カンタ マジで。
皇帝 ここに。
メダカ どこどこどこどこ。
皇帝 ここ。
メダカ どこ。
皇帝 ここ。
メダカ は?
皇帝 タクヤです。
メダカ 誰が。
皇帝 私が。
メダカ あなたが?
皇帝 初めまして旅馬(たびば)タクヤです。
メダカ シネッ。
皇帝 死なぬ!
カンタ そういえばそういうお名前でした。
皇帝 昔はよく連呼したものです。
カンタ けど電気なんてどこから。
皇帝 方法はいくらでもあるのです。
カンタ なんかよからぬ感じ。
皇帝 我を誰とおおもいか。
メダカ 変なおっさん!
皇帝 そうです私がこの街の首長を務めた男、元気があればなんでもできる元気百万倍元市長旅馬タクヤ、旅馬タクヤです!

皇帝が足元のスイッチを押した。
すると部屋が無駄にライトアップされ、へんな機構が動いたりする。(例えば、真ん中の地球が廻ったり、上からミラーボールが出て周りを照らしたり)

メダカ まじハゲル。はげるわー。
皇帝 すいません。はげてます。
カンタ 違います。すごいっていう意味です。
皇帝 むずかしいですね。はげそうです。
メダカ はげるー。はげるー。
皇帝 なんともむなしい景色でもピカピカキラキラは楽しいものです。鬱々とした日々も明るく輝く中にいれば人間、楽しくなってくるものなのです。ほんのひと夜の仮の宿りではございますが、どうぞごゆっくりお過ごしください。
メダカ はげるー。
カンタ バブルすごい。
メダカ 歌います。
皇帝 どうぞお歌いください。歌は人間の心を癒します。リズムが心をはね躍らせましょう。メロディーは心を高揚させましょう。歌詞は人の心を遠くへ連れて行ってくれましょう。
メダカ これでいいのかな。
カンタ こうだよ。
メダカ あ、きた。

歌の前奏が始まる。
メダカ、力を込めて歌おうとする。

メダカ ああ~~~!

真っ暗になる。

メダカ え、なに、どうしたの?
皇帝 ブレーカーが落ちたようです。
カンタ ブレーカーはどこに?
皇帝 この奥に。
メダカ よろしく。
カンタ ボク?
皇帝 申し訳ありませんが、足が悪いのです。
メダカ よろしく。
カンタ はいはい。
皇帝 この奥の扉を出てすぐ上にございますので。

カンタ、去る。

皇帝 月がでてまいりましたね。
メダカ 幽霊とは知り合いなの?
皇帝 幽霊ですか?
メダカ まさか。愛人だった。
皇帝 いや。はるか昔。まだ神様が人間の生活の隣にいたはるか昔の頃の精霊。幽霊というよりは神様といってもいいかもしれませんね。
メダカ 神様。
皇帝 昔昔よりまだ昔、兄と妹がおりました。二人は禁じられた恋仲となってしまいました。しかしそれは世間の知ることとなり、兄は遠くの国へと流されてしまいました。妹はこの場所で帰らぬ兄を思いながら待ち続けていました。
メダカ それで?
皇帝 わかりません。二人は出会えたという話もあれば、出会えなかったという話もあります。
メダカ 今も昔も変わらないな。
皇帝 確かに。
メダカ 歌っていい?
皇帝 まだ電気はもどりませんけども。
メダカ 歌に電気はいらないでしょ。
皇帝 その通りです。歌に電気はいりません。

歌い始めるメダカ。
歌に合わせて、ゆっくりと姫がやってくる。

ここは串本 向かいは大島
中をとりもつ 巡航船
アラ ヨイショ ヨーイショ ヨイショ
ヨーイショ ヨイショ「コラショ」

潮の岬に 燈台あれど
恋の暗路は 照らしゃせぬ
アラ ヨイショ ヨーイショ ヨイショ
ヨーイショ ヨイショ

障子明ければ 大島ひと目
何故に佐吉は 山のかげ
アラ ヨイショ ヨーイショ ヨイショ
ヨーイショ ヨイショ

大島水谷 かかりし舟は
おゆき見たさに 潮かがり
アラ ヨイショ ヨーイショ ヨイショ
ヨーイショ ヨイショ

歌が終わるころには月明かりが差して、やや明るくなっている。


姫が舞台上にあがる。

姫 こんばんわ。
メダカ こんばんわ。
姫 今の歌はアナタが?
メダカ はい。
姫 月夜にあなたの歌声が響いて、とてもよい風景でした。
メダカ たしかにいい夜。
姫 あなたがこの海に来て、まだ言葉にならない赤子の歌を歌っていたのを思い出しました。
メダカ 私が赤ちゃんの頃?
姫 ええ、歌が好きなのですね。
メダカ なんで。
姫 記憶です。
メダカ 知ってるの?
姫 私だけではありません。ここの松や、海、石、すべての記憶、場所の記憶なのです。
メダカ 場所の記憶。
姫 ありとあらゆるものに記憶があり、それはただ静かに私たちをみつめているのです。
メダカ そうなんだ。それが幽霊ってこと?
姫 歴史というほうがいいでしょうか。
メダカ 歴史?
姫 ええ、記憶と記録。
メダカ でもそれは本当かどうかわからないでしょ。
姫 本当かどうか。
メダカ だって私が赤ちゃんの頃のこととか私が覚えてないんだから。
姫 そうね。
メダカ そもそも私が誰かなんて私じゃ決められないし。
姫 そうね。
メダカ 私は私と私以外の私でできてる。
姫 私にはもう私がない。
メダカ ないの?
姫 私にあるのは記憶と記録。
メダカ なにを。
姫 私はずっとこの浜辺で待っていたのです。鶴が私をしきりに呼んでいる。誰なのか。

皇帝(謡う) 天(あま)だむ 軽(かる)の乙女 したたにも 寄り寝てとおれ 軽乙女とも

姫 さきほどいた男は兄弟ですか。
メダカ ええ、私の弟ですけど。
姫 仲はよいのですか。
メダカ 全然、生意気だし、童貞だし。
姫 そうですか。
メダカ けど、まあこいつの面倒は私がみないとなとは思ってるけど。こいつ社会不適合者っぽいからたぶんちゃんと私が育てないとぜったい引きこもるだろうし。
姫 私には兄がいました。やがて私と兄は結ばれました。しかしある日、兄は遠い所へ行ってしまった。

皇帝 君が行き 気長(けなが)くなりぬ やまたづの 迎へは行かむ 待つには待たじ

姫 私はずっとこの浜で待っていた兄の記憶はあるのに兄はいない。
メダカ お兄さんはどこに?
姫 わからない。鶴がしきりに私に話しかけてくるのです。
メダカ 鶴?
姫 ああ、聞こえない。あれほど鳴いていた鶴の声が。なぜ?
メダカ なぜってもうこの辺には鶴なんていないよ。
姫 鶴はどこへ。
メダカ さあ、北海道とかかな。
姫 ああ、なんてこと。ああ、月が雲にかくれてしまう。
メダカ ほんとだ、暗くなってきた。
姫 ああ、うらめしい。
メダカ いいね、幽霊らしい。写真とっていいですか?
姫 うらめしい。なぜ私は私がないのだろうか。私がなければ兄を探しに行くこともできない。その体を私にくれないだろうか。私には体がひつようなのです。
メダカ 写真どころじゃないかんじですか。
姫 うらめしい。ああ、燃えるように熱い。うらめしいうらめしい。
メダカ た、助けて。

メダカ、中央の地球儀を持ち上げた。
暗転。

メダカ あ、取れた。
皇帝 ああ、なんてことを。
メダカ え?

鶴の鳴き声がする。

メダカ なに? なに?

かなり大きな鶴のなき声がしてバタバタと鳥が暴れる音と、慌てふためく姫とメダカの声。
やがて静かになる。

メダカ なに? 鳥が入ってきたの? 大丈夫? 誰かー。返事して。

ゆらりと男の影。男が地球儀をもっている。その地球儀がほのかに光る。
その男はカンタである。

メダカ ああ、助けて。なんかやばいのよ。
カンタ 静まりたまえ。
メダカ カンタ?
カンタ すいません。少し弟様の体をお借りしてます。
メダカ どちら様?
カンタ この姫の兄でございます。
メダカ わー超展開。
姫 お兄様?
メダカ どういうこと?
姫 なぜここに。
カンタ 姫を語る偽物め。その穢れた口を閉じよ。
メダカ 偽物なの?
カンタ この姫は、この地に残る私を待ち続けた姫の心がつくったただの土地の記憶。それを利用されて作られた穢れたもの。
姫 私が怨念?
メダカ もっとわかりやすく言って!
カンタ 姫はこの地で流刑になった私を待ち続けていたのです。しかしあまりの辛さに心を鬼にしてしまった。その鬼の心をこの近くの神社に封じ、やがて私の流されたシの国へとやってきたのです。
メダカ そうなんだ。
カンタ この者はその封印された鬼の心。あるものによって人を呪う穢れた人形として利用されているのです。
メダカ わかりました。ありがとう。
姫 私が操られている? お兄様、嘘でしょう? そんなことをいうのがお兄様な訳がない。そちらこそ偽物。
メダカ そうなの?
カンタ 違う。本当の黒幕はその後ろにいるのだ。
姫 誰?
カンタ それはこいつだ。

カンタが後ろを見る。
メダカも後ろを見た。
皇帝がゆっくりと顔を上げた。

メダカ え、おっちゃんが?
皇帝 私がですか?
メダカ やー展開についていけない。ホラーとかアクションは苦手なんです。こっからラブキュン展開にはなりませんか?
カンタ 諦めて。
メダカ はい。
姫 私は利用されているの?
カンタ この男が、女に振られた腹いせに、姫を利用して幽霊騒ぎを起こさせていたのだ。そしてこの旅館を潰したのだ。
メダカ 何それ! 最低!
皇帝 あの女が悪いのだ。私を裏切ったのだ。私は世界の中心であり、この世を統べるべき皇帝なのだ。それをあの女がいともたやすく。
メダカ それだからって幽霊を利用するとかひどくない? 陰険にもほどがあるでしょ。
皇帝 お前に何が分かるというのだ。
メダカ でもそのあと愛人になったって。
皇帝 あの女が一度ならずも二度も私を裏切ったのだ。ああ、にくい。なぜ私を裏切ったのだ。ああ、お前はなぜ。
メダカ 人違いじゃございません?
姫 ああ、体が熱い。やけるようだ。
皇帝 ああ、静けさを乱すものを排除しておくれ。
カンタ やめるんだ。
姫 ああ、体が熱い。熱い。

姫がメダカに襲い掛かろうとする。
それを阻止するカンタ。

メダカ なぜこんなことするの? 復讐とかしても意味なくない?
皇帝 意味などどうでもいい。私を否定することは許されないのだ。
メダカ 否定って。付き合えなかっただけでしょ。振られたからって被害妄想がひどい。
皇帝 だからなんだというのだ。私の妄想だろうが、現実だろうが関係ない。私の世界なのだ。私の世界でなにをしようが関係あるまい。
メダカ 私の世界って。みんなの世界でしょ。
皇帝 私などいらぬ、歴史に我が名を刻むのだ。記憶と記録に我が名を我が名を。私は私を肯定する。私が世界の皇帝だ。私を中心に宇宙が廻る。回して見せましょう。ここは宇宙回転温泉。電気がなくても関係ない。私の名前を承知か。
メダカ エロ市長!
皇帝 違う! 元気が一番、エロ市長。じゃない元気市長。電気はないが、元気があればなんでもできる。
メダカ バカヤロー!
皇帝 宇宙グルグル大回転。ここを中心に宇宙を回して見せようぞ。天動説なぞ伴天連のたわごとそらごとなんのその。我をだれとおおもいか、ヨが世の中心、われこそ市長だ、皇帝だ。これがわが力、電機などいらぬ、元気がとりえだ今日もご飯が上手い!

皇帝、立ち上がり天を突く。

皇帝 宇宙よグルグル廻れそら廻れ、グルグルグル廻れグル廻れ、宇宙大回転温泉、我を心にそら廻れ、ソレグルグルグルグルそら廻れ、グルグル廻れグル廻れ

装飾が輝きだす。
そして大げさな機械の動き始める音がする。
舞台が廻る(制約的に厳しければ舞台が廻っている設定で、真ん中の地球儀を回して、それに合わせて4人がぐるぐると回る)

姫とカンタの立ち回り。
姫がカンタに捕らえられる。
メダカに姫を預ける。
カンタが皇帝を打ち据えようとする、そこへ姫が止めに入る。

姫 お兄様、もうおやめください。
カンタ なぜとめるのだ。まだ操られているのか。
姫 もう彼のものにそんな力は残っておりませぬ。
カンタ そうなのか。
姫 もうこのものは屍も同然。
カンタ なんと?
姫 このものは病に侵されここで静かに最後の時を過ごしていたのです。

皇帝、ゆっくりと座り込む。
再び暗くなり、舞台の動きもとまる。

カンタ そうか、それは申し訳なかった。
皇帝 いいのです。私が犯した過ちは許されるものではないのでしょう。こうやって静かに朽ちていく。仮の宿り
姫 そこへ侵入者がやってきたから、乱れてしまって。
メダカ あ、私が悪い感じですか?
姫 そ、そんなことはないんですよ。
メダカ ごめんなさい。
カンタ 素直に謝れるよいこですね。
メダカ よく言われます。
皇帝 私がこの旅館を買い取ったのは、せめて、あの思い出の松の木は守りたかった。それだけなのです。本当に最初の最初は、それだけだったんです。

姫、皇帝に手を伸ばす、

立ちかえり、
皇帝 立ちかえり またもこの世に跡垂れむ、
その名うれしき、
皇帝 和歌の浦波

皇帝、姫の手を取り、椅子に座る。
カンタ、姫の肩を抱く。

メダカ あの、ちょっといいですか?
皇帝 はい。
メダカ 写真撮っていいですか?
皇帝 どうぞ。
メダカ はい。
皇帝 お早目に!
メダカ あれ、ピントが合わない。
皇帝 やばい、死にそうです。
メダカ なんでなんで? ああそうか、わたし、泣いてるのか。
皇帝 もうダメそうです。
メダカ あと十秒。
皇帝 もう重病です。
メダカ そう十秒。
皇帝 まだですか。
メダカ もう、今。はい、チーズ。
皇帝 もう無理です。

メダカ、写真を撮った。
皇帝が、うなだれる。

姫 鶴はもうここにはやってこないのですね。
メダカ いっちゃうの?
姫 悲しまないでこれで私たちは自由になれるの。
メダカ そうなんだね。おめでとう。

皇帝、最後の力を振り絞って立ち、メダカにマイクを渡す。
メダカ、謡う。
真ん中の地球儀が徐々に光り輝く。
姫がゆっくりと去っていく。

ここは串本 向かいは大島
中をとりもつ 巡航船

アラ ヨイショ ヨーイショ ヨイショ
ヨーイショ ヨイショ「コラショ」

潮の岬に 燈台あれど
恋の暗路は 照らしゃせぬ
アラ ヨイショ ヨーイショ ヨイショ
ヨーイショ ヨイショ

障子明ければ 大島ひと目
何故に佐吉は 山のかげ
アラ ヨイショ ヨーイショ ヨイショ
ヨーイショ ヨイショ

大島水谷 かかりし舟は
おゆき見たさに 潮かがり
アラ ヨイショ ヨーイショ ヨイショ
ヨーイショ ヨイショ

姫が去る。
地球儀の光が消える。
皇帝が倒れる。
朝日が昇ってきたようである。
メダカ、倒れそうになったカンタを楽な姿勢にしてやり、自分も横に座る。
鳥の声が一回。

メダカ 見て鶴が飛んでいく。きっと鶴に生まれ変わって今も空を自由に飛んでいるんだと思うの。

カンタが目を覚ます。

メダカ 私、また学校に行ってみようかな? ダメだったら辞めちゃえばいいんだしね。死にはしないでしょ。学校やめたって。幸せになるにはいろんな方法があるんだしね。
カンタ あの。
メダカ どうしたの?
カンタ 大変もうしあげにくいのですが、、、。
メダカ なに?
カンタ まだ兄でした。
メダカ あ、ハズイ。
カンタ すいません。なかなか言い出しづらくて。
メダカ それはないわぁ。
カンタ あの、申し訳ないんですが、このオブジェをですね、元に戻していただけますと。
メダカ はい。
カンタ すいません。

メダカ、地球儀を真ん中の土台に置く。

カンタ 失礼しました。
メダカ ど、どうも。

鳥の声が一回。


カンタが目を覚まさす。

メダカ 起きた?
カンタ 寝てた。起きてたの?
メダカ わからない。夢を見てたのかも。
カンタ 夢か、ボクも夢を見た。
メダカ そう。
カンタ 鶴になって空を飛んでた。
メダカ いいね。
カンタ ここを空の上から眺めてたんだ。けどね、もうここには戻ってこないんだろうなと思いながら眺めてた。
メダカ なぜ?
カンタ 埋め立てられてしまって、キラキラした建物が建ってたんだ。ボクのいる場所はもうないんだな。そう思いながら空からここの景色をながめてたよ。
メダカ 夢の話ね。
カンタ うん。夢の話。

参考文献
猪木寛治 「道」
串本節
古事記
古今集序註

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使用許可について

基本無料・使用許可不要。改訂改編自由。作者名は明記をお願いします。
上演に際しては、観に行きたいので連絡を貰えると嬉しいです。
劇団公式HP https://his19732002.wixsite.com/gekidankita

劇作家 松永恭昭謀(まつながひさあきはかりごと)

1982年生 和歌山市在住 劇団和可 代表
劇作家・演出家
深津篤史(岸田戯曲賞・読売演劇賞受賞)に師事。想流私塾にて、北村想氏に師事し、21期として卒業。
2010年に書きおろした、和歌山の偉人、嶋清一をモチーフとして描いた「白球止まらず、飛んで行く」は、好評を得て、その後2回に渡り再演を繰り返す。また、大阪で公演した「JOB」「ジオラマサイズの断末魔」は大阪演劇人の間でも好評を博した。
2014年劇作家協会主催短編フェスタにて「¥15869」が上演作品に選ばれ、絶賛される。
近年では、県外の東京や地方の劇団とも交流を広げ、和歌山県内にとどまらない活動を行っており、またワークショップも行い、若手の劇団のプロデュースを行うなど、後進の育成にも力を入れている

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