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僕が日本酒を選ぶ基準

日本酒が好きだ。

自分ではそんなつもりはないんだけど、愛好家レベルではないらしい。
興味をもったものについては調べてみる。勉強してみるが僕のモットーだ。

飲むのも好きだけど、学ぶ方が好きかもしれない。民俗学的にどうかとか、歴史とか。

でも一番好きなのは蔵元さんたちがどんな理念を持って酒造りに向き合っているのかという物語に触れることだ。

「おすすめの日本酒ってありますか?」
「この店で一番おいしいやつってどれですか?」
「辛口の日本酒が好きなんだけど、どれがいいですか?」
「どの銘柄の日本酒がいちばんおいしいんですか?」

僕が多少日本酒に詳しいことがわかると、取引先の方たちと会食する際などにいろんな質問をいただく。

それだけ日本酒について知りたいのだと思って、わかる範囲で伝えるようにしている。

もちろん、好みについては人それぞれなので、どれが美味しい?とかについては「好きなタイプ・傾向」を聞いてみて、アドバイスをするようにしているのだけれど、自分が選ぶ「基準」について聞かれた際に話すことを今日は書いてみようと思う。

僕が日本酒を選ぶとき、「蔵元の理念」もしくは「人」で決めている。

味ではない。精米歩合ではない。米ではない。それは参考まで。

旅をするように、醸した人たちに会いに行くように。話しかけるように日本酒を選んで呑んでいる。

だから僕は旅先で蔵見学などを行うことが好きなのだ。そして蔵がどんな地域なのか。どんな風景があるのか、どんな理念、物語があるのかセットで記憶する。

すると東京の居酒屋で、ひょっこり旅先の蔵の名前と出逢えた際に映像や言葉が浮かんでくる。

例えば、「南部美人」であれば久慈社長の太陽のような笑顔。
「能登純米」であれば、夕焼けに照らされた千枚田。とか。

だから一人酒などをしているとき、独り言ばかり言っていたり、涙ぐんだりしているわけ。

飲んだことのないお酒に出会った時は場所とかすごく気にしちゃう。

そして次の旅先候補が増えていく構図になっている。

どんな物語が一献の酒に込められているのか。

想いを馳せる楽しみは格別のものだと思ってる。

日本酒が好きだ。




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かっぱ橋道具街のお箸屋さん”若旦那”上中康成
埋もれてしまっている宝石がたくさんあるように思います。文化だったり、製品の場合もあるけれど一番は人間の可能性です。見つけて、発信してよりよい世界を共に生きましょう。